【マンガで学ぶ】冷蔵庫の音やニオイ、他人の苦痛が人一倍気になるなら「HSP(=ひといちばい敏感な人)」かも!?
ハイリーセンシティブパーソン=HSP。他人の痛み、苦しみ、冷蔵庫のブーンというあの低い音など常に増幅して感じとってしまう人たちのこと。感受性が強く、共感力が高いがゆえに、疲れやイライラもひといちばい。周りに理解されず、ひとりで自分を責めてしまうことも多いけれど、実は5 人にひとりとか! デメリットだけではなく、しっかり物事の本質を見ようとするなど、いい面もたくさん。上手にコントロールしていきませんか?
約5人にひとりいると言われている「HSP=ハイリーセンシティブパーソン」とは?
イラストレーター 高野 優さんの場合
Profile
高野 優(たかの ゆう)
育児漫画家・イラストレーター。漫画を描きつつ話す独特のスタイルで講演を行っている。著書は40冊以上に及ぶ。
公式ブログ https://ameblo.jp/youtakano2018
HSP! 自分のトリセツ ~共感しすぎて日が暮れて~
高野 優 著 1万年堂出版/¥1,200
“敏感”はあくまで気質。正しい理解と適切な対処を
約5人にひとりいると言われている「HSP=ハイリーセンシティブパーソン」。日本語訳では「ひといちばい敏感な人」。音など五感の刺激が人より気になる、他者の気持ちを敏感に感じとってしまうため気疲れしやすい…このようなことに思い当たるあなたはもしかしたら“敏感さん”かもしれません。
「自分の気持ちより相手優先の行動をとってしまい苦しい、相手のイライラなど負の感情が入ってきて怖くなる、周囲の音が影響しすぎてフリーズする…などの悩みを抱えて来院される方が多数います。心身に不調をきたす場合もあり、適切な対処が“敏感”はあくまで気質。正しい理解と適切な対処を必要です」(佐々木智城先生)
こうした“敏感さん”はその「感じる力が強い」性質を正しく理解することでグンと楽に過ごしやすくなるもの。HSPの人の中には、相手の喜びや美しい芸術などプラスの情報にも刺激を受けて、才能を花開かせている人も、穏やかに過ごしている人もたくさんいると、心療内科医の明橋先生は言います。
「敏感さはあくまで先天性の気質。“HSP=ひといちばい敏感である”ことと、“敏感すぎる=不安症や神経症”は違います。治す必要のある病気ではないのです」(明橋大二先生)
“敏感さん”の特徴を理解することで、対処法も明らかに。詳しく知って上手にコントロールしていきましょう。
お話を伺ったのは…
真生会富山病院 心療内科医 明橋大二先生
あけはし・だいじ/精神病理学、児童思春期精神医療専門。真生会富山病院心療内科部長を務めるほか、児童相談所嘱託医など子供の問題に多数関わる。HSPの子供版“HSC”の日本における第一人者で、著作も多数。
公式HPはhttp://www.akehashi.com
STトータルセッション 主宰・臨床心理士 佐々木智城先生
ささき・ともしろ/星槎道都大学社会福祉学部准教授。臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士。札幌と帯広にある心理臨床サロン「STトータルセッション」(https://www.st-total-session.jp)にて、トラウマ、HSPを中心に心理療法を提供。オンラインも受付。
心理オフィスK 主宰・臨床心理士 北川清一郎先生
きたがわ・せいいちろう/臨床心理士、公認心理師、産業カウンセラー、認定心理士ほか多数資格取得。横浜のカウンセリング専門機関「心理オフィスK」(https://s-office-k.com)の代表として、年間約1,200件のカウンセリングと多くの症例に触れている。
『美的』2020年9月号掲載
イラスト/高野 優 構成/加藤絢子(本誌)、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。