ハーバード大学医学部客員教授、
「体のさまざまな機能は、働く時間が決まっています。自律神経のメリハリも、寝ている間や食事をしている間は副交感神経、パワーを使う日中は交感神経が優位になるなど、あらかじめ決められたリズムがありますよね。それと一緒で、代謝が活発になる時間帯や各ホルモンが分泌されやすい時間帯、体温などの調整機能など…。この体内時計をコントロールするのが時計遺伝子です。
食事に関して言えば、“ビーマルワン”と呼ばれる時計遺伝子が作り出す時計蛋白(たんぱく)には、脂肪を溜め込む酵素を増やし、脂肪を分解してエネルギーに変える酵素を減らす働きがあります。朝5時から7時くらいまでに起床して社会生活を送っている人のビーマルワンの値は、朝6時頃に下がって15時頃から少しずつ上昇します。すなわち、15時以降は脂肪を溜め込みやすく、同じカロリーを食べても夕食は脂肪になりやすいという訳です」根来秀行先生・以下「」内同)
「先ほお伝えしたように、脂肪を溜め込む酵素を増やすビーマルワンは、15時ごろを境に増えていきます。なので、15時のおやつは理にかなっていると言ってもいいでしょう。理想を言えば、15時ごろまでに食べ終わっているのがベストです。カロリーの高い食事もこの頃までがいいですね。昼間は活動量が多いので、消費もしやすいです。また、ビーマルワンは21時を過ぎるとかなり高くなり、午前2時ごろにはピークに。そして、朝にかけて再び不規則な生活を送っている人はまずは生活リズムを整えるべし低下していく仕組みです。夜から朝にかけて、寝ている間は言わば餓死状態。それに備えて、ビーマルワンは溜め込みモードとなる訳です。
中にはもっとも脂肪を溜め込みやすい時間帯に、食事をとらないとならない人もいるでしょう。その場合は、21時前にご飯などの炭水化物をとり、21時以降にサラダや肉や魚などのおかずをとる工夫を。そうすれば体内時計のリズムが乱れにくくなるため、太りにくくなります」
「21時以降の食事は脂肪を溜め込むとお伝えしましたが、飲み物にも注意が必要です。コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含む飲料は、覚醒効果が4〜5時間続くので、20時ごろまでに切り上げておきましょう。お酒も同様で、睡眠に悪影響を及ぼすので21時ごろまでに。というのも、寝ている間の体は、ホルモンや抗酸化物質がメンテナンスを行なっています。しかし、寝る前にお酒を飲むと、肝臓はアルコールの代謝のためにフル稼働するため、全身のメンテナンスができなくなります。そのため、朝に疲労が残ってしまいます。
また、泥酔して眠ってしまう場合は、本来の睡眠ではありません。アルコールの作用により、中枢神経が麻痺した状態なので、言わば気絶しているようなものです。この間は体の再生工場もストップしているので、深酒をくれぐれもしないように。また付き合いで、21時以降もお酒を飲むという方は飲む回数を減らしたり、チェイサーに切り替えていくなどの工夫を。21時以降は、水とカフェインレスのお茶やミルクがおすすめです」
上記はあくまでも朝5時から7時くらいまでに起床して社会生活を送っている人のケース。夜勤などで日夜逆転している人、不規則な生活を送っている人にはあてはまりません。
「夜勤で常に12時間逆転してる生活を送っている人は、おやつを食べるなら夜中の3時ごろまで。夕食(3回目の食事)も9時ごろまでに。基本的に、
ハーバード大学医学部客員教授、
文/むらなかさちこ
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