心配しすぎて進まない…「ネガティブ脳」の特徴は?|先送りグセの治し方を医学博士が解説
周りの目を気にして自分の思うように物事を運べないこと、ありませんか? 人間誰しにもある脳のクセ“ネガティブ脳”の特徴とその対処法を医学博士の吉田たかよし先生に伺いました。
【ネガティブ脳】成功体験の乏しさから心配しすぎて進まない…。
“ネガティブ脳”の特徴
過去の成功体験の少なさから、「失敗するんじゃないか…」という不安に駆られて、前に進めないタイプ。自己肯定感が低く、やればできるという自信が欠如しているため、考えれば考える程不安が押し寄せ、結局、作業が進まない事態に。
“ネガティブ脳”の対処法
おすすめは「スモールいいね!」法。バーチャルなSNSで「いいね!」をもらうのは本来の自己肯定感にはつながらず、むしろ虚構が入り混じるSNSによって他人と比べてネガティブに感じやすくなるのだそう。その代わり、ひとりでいいので味方をつけて、70%くらいの確率を目指して「いいね」と言ってもらう成功体験を重ねること。成功したら、ガッツボーズも忘れずに!
“先送り”を放置することは美容の大敵です!
「実は人間の行動、ものの感じ方というのは完全に脳が指示しています。それゆえ、先送りしてしまうことに対して、自分は怠け者だから…と精神論で解釈するのでは、根本的な解決には至らないのです。先送りは、今まで育ってきた環境の中で、能動的に物事に取り組むのが苦手になっていることが根本的な原因。
チュートリアル・徳井義実さんの申告漏れはまさに先送りの象徴で、記者会見を開いた際、ご自身で“想像を絶するルーズさ”が原因と回答していました。ただ、このように漠然とした認識にとどめているだけでは先送りグセは直りませんので、精緻な脳の理解が必要になってくるのです。
その脳に染みついたクセは4タイプの“先送り脳”に分けることができて、状況によってタイプはふたつ、3つとまたがることもあり、ひとつに限定できるものではありません。実は、先送りをしてしまい、いずれやらなきゃというストレスで扁桃体が過剰に働くと、それに対処しようとコルチゾールというホルモンが分泌されるのですが、これが美容には大敵! 血糖値が上昇してタンパク質が糖化し、老化を招く原因にもなります。先送りグセを正面から回避しようとすると苦痛ですが、美容を得るためと意識すれば成功率も上がるはず。まずは先送りが“脳のクセ”だと認識することが大きな1歩になるのです。ご自身の脳のクセに気づいた時点で、実は先送りグセは半分は直ったも同然! 脳の理解を深めて、先送りのない健全な心を保つことこそが美の秘訣ともいえます」(吉田先生)
監修をしてくださったのは…
医学博士 吉田たかよし先生
東京大学工学部卒業後、北里大学医学部を経て、東京大学大学院医学博士課程を修了。本郷赤門前クリニック院長。脳科学とメンタル医学を活用した診療に携わる。『「ついつい先送りしてしまう」がなくなる本』(青春出版社)ほか著書多数。
『美的』2020年4月号掲載
イラスト/やましたともこ 構成/宮田典子(HATSU)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。