美的GRAND
健康・ボディケア・リフレッシュニュース
2022.10.23

篠原ともえ「“小さな依存”を見直すと世界も可能性も広がった」|美的GRAND

広告デザインの国際賞を篠原さんが受賞−−。今春、とびきりのニュースに感動すると同時に、改めてその品のある、大人の女性の美しさにくぎづけになった。この日も自作のトップスによるシックなモノトーンスタイルが素敵だった。

40代からは、“中身=外見”。心が動く経験をして自分を育てていきたい

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「服やメイクの色は、なりたい自分をイメージして選んでいます。ナレーションのお仕事では明るい服を着ると、不思議とより元気な声が出るんです。しっかりと思いを届けたいときは落ち着いた色を選ぶことが多いですね。メイクもシンプルになり、目元は黒のラインを目尻に少し入れる程度。着飾らなくてもいい年代になってきたのかもしれないですね」

その明るい美肌には、上品な艶がある。洗顔に精製水を使い始めたところ、乾燥肌のケアがしやすくなったそう。

「海外の水道水で肌があれたとき、水を精製水に替えてみたら調子が良くなって以来、出張時にも携帯しています。美容や健康アイテムを選ぶポイントは、自分が愛せるもの、そして、いつどこでも、同じケアやルーティンができること。そうすると、安心や自信にもつながる気がしています。また、私は周囲が驚く程食べるのですが(笑)、食べすぎたらひと駅余分に歩いたりして、体に変化が出る前にリセットするようにしています」

“小さな依存”を見直すと世界も可能性も広がった

歌手・タレントとして大活躍していた頃から衣装を自分でデザインする中で、デザイナーという職業に憧れが募った。そのセンスが評判を呼び、人気アーティストのステージ衣装も多く手掛けたが、「自信がなくて、デザイナーですとは言えなかった」。でも、好きなことは一貫して変わらなかった。夢をかなえるため、40歳のとき芸能活動を休止。母校で縫製技術を学んだ。この頃、ある決断をする。それは、デザイナー修業中は、SNSをやめること。

「活動休止当初は SNSから離れられなかったんです。ワクワクできるものでしたし、皆さんに忘れられてしまうかも、という怖さもあって。でも、夢に向かっている途中でSNSが逃げ道になるのは違うと考えて、思い切ってアカウントを削除しました。すると、ものすごく時間ができたんです。美術館や図書館に行ったり、版画やカリグラフィーを習ったり。そのときの経験が、今も私の世界を広げてくれています。“小さな依存”に気づいて一度手放してみると、一歩を踏み出せたり、可能性が広がるきっかけになるのかもしれないですね」

企画、リサーチ、プレゼン、物作りと、すべてをひとりで行ってきた30代と違い、チームで仕事をすることが楽しいという今、ユニフォームやロゴのデザインなどクライアントワークも多く手掛け、活躍の場は広がっている。

「自信をもって、自分らしく、自由に」。
不安や緊張を消したいとき、10代の頃に作った「おまじないの言葉」をつぶやく。

「言葉で自分に魔法をかけると、そういう人になれると今も信じていて。仕事でも、なるべく明るい言葉で伝えられる人でありたいと思っています。好きなことを仕事にする中で、今はそれが社会とどうリンクしていくかも意識するようになりました。40代からは、“中身=外見”であることをより実感しています。自分を磨き、育てるためにも、心が動くことをたくさんしていきたいですね」

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この日着ていたシルエットの美しいトップスは、自ら刷った版画作品をテキスタイルにし、仕立てたもの。余り布が出ないように四角いパターンを用い、「布と対話しながら」作り上げた。残布が最低限ですむ服作りにも取り組んでいる。

Her Beauty Rules

・いつどこでも、同じルーティンを続ける
・“小さな依存”を少し手放してみる

Daily Care Item

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井川遥さんがディレクションする「loin.(ロワン)」のフレグランス「enchantée」は、和の素材をベースにした落ち着きのある爽やかな香り。
「よく『香水はどこのですか?』と聞かれます。マニッシュな印象もあり、凜としたいときにもつけています」

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朝や仕事中に飲んでいるスリランカのスパイスティー「サマハン」。お湯を注ぐだけで手軽に飲め、体も温まる。
「実は甘いものが大好きですが(笑)、きび砂糖の優しい甘さがとてもおいしいんです」

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伊豆諸島・青ヶ島産の「ひんぎゃの塩」は黒潮の海水と火山の蒸気から作られ、カルシウムなども豊富。
「母の出身地の塩です。日々の料理は作り方も味つけもシンプルにしている分、ほのかに甘くておいしい塩に助けられています」

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海外など、水道水が合わない場所では体調によって肌があれることを実感してから、精製水で洗顔するように。朝の洗顔は泡で肌を包んだ後、精製水を含ませたコットンで拭き取る。「精製水でうるおいピュア」(写真右)は精製水を含んだコットンで、携帯にも便利。
「肌あれ改善のため、まずは水を見直してみようと精製水を使い始めたら調子が良くなりました。精製水を使うと、ブースター代わりになって美容成分の浸透も良くなるような気がしています」(すべて本人私物)

PROFILE
しのはら・ともえ/1979年東京都生まれ。’95年にデビュー。個性的なスタイルで「シノラー」ブームを巻き起こす。歌手、タレントとしての活動と並行し、短大でデザインを学ぶ。衣装デザイナーとしても活躍し、松任谷由実、嵐などのステージ衣装を多く手掛ける。2020年、夫でアートディレクターの池澤樹氏と「STUDEO」を設立。廃棄されるエゾ鹿の切れ端を使った着物(写真下)で第101回ニューヨークADC賞の銀・銅賞を受賞。都市観光ホテル「OMO7大阪 by 星野リゾート」のユニフォームデザインなども注目を集める。

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日本タンナーズ協会のプロジェクトで制作した「THE LEATHER SCRAP KIMONO」
撮影/Sayuki Inoue (c)TANNERS’COUNCIL OF JAPAN

『美的GRAND』2022秋号掲載
撮影/天野良子 構成/松田亜子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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