シミも白髪もすべて「血流」のせいでした!冷え解消・血流アップする5か条|美的GRAND
シミ、たるみ、薄毛に下半身のセルライト…。これらすべて滞留した血流の仕業。でも少しの知恵と工夫で、血めぐりは改善するんです!
あれもこれも、すべて血流のせいでした!
シミ・シワ・たるみ 毛細血管が異常に活性するとシミが発生。血管構造の緩みもハリを低下させる。 くま くまが出やすいのは血流が悪い証拠。特に紫色のくまは頑固な血流不足が原因。 薄毛・白髪 毛細血管は髪が作られる毛母細胞にも栄養や酸素を届ける。ゴースト化で薄毛や白髪に! 貧血 疲れやすく、めまい、息切れなどが起こる貧血。赤血球のヘモグロビン量が少ない状態。 PMS ホルモンバランスのくずれだけでなく、ストレスによる自律神経失調での血流悪化が一因。やってみよう!血流テスト
チェックが4つ以上で要注意!
□食事時間が不規則である
□週に2回以上インスタント食品を食べている
□味が濃いもの、塩辛いものが好きだ
□早食いであまりかまない
□お酒を毎日たくさん飲む
□運動不足である
□睡眠が足りない、または寝る時間が不規則だ
美と健康をゴースト血管が脅かす
不規則で偏った食事、睡眠・運動不足にストレス…。改善を先延ばしがちな私たちの生活習慣ですが、40代以上の『グラン読者』なら、もはや待ったなし! 悪習慣は血流の状態を悪くし、現在の体の不調や老け見えなどを直接引き起こすからです。
「生理痛、肩こり、片頭痛などの体の不調、シミやシワ、白髪や薄毛などはどれも血流の悪さが原因です」
というのは、大学病院の女性外来で、長年女性の不調を見つめてきた赤澤純代先生。数年前から『毛細血管のゴースト化』はよく取り上げられていますが、最近はこの血流に着目した化粧品も増え、研究も進化しています。改めて血流に詳しい赤澤先生に教えていただきました。
「特に着目したいのは、動脈や静脈をつなぎ、全身に張り巡らされている毛細血管です。下の図【1】のように、血管は内皮細胞に壁細胞がくっついた二層の管になっています。加齢によって外側の壁細胞が緩み、中を通る血液から栄養分がどんどん漏れやすい状態になるのです」
【1】血管の構造
血管は内側の内皮細胞と外側の壁細胞が強固に接着されていることで安定。これが緩むと血管を通る血液から栄養分が漏れやすくなる。
出典/リンパ血管Tie研究会
すると、毛細血管に沿って張り巡らされたリンパ管もそれを回収しきれなくなり、むくみが発生。
【2】良好な血管とリンパ管
【3】不良な血管とリンパ管
出典(【1】【2】【3】ともに)/『血管の老化を防ぐTie2』(株)桜映画社より
「進行すると、血液の流れがなく、空っぽのサヤのようなゴースト血管になります(下の図【4】)。血流がないと冷えが起こり、さまざまな不調や美容の問題を引き起こすのです」
【4】これがゴースト血管!
壁細胞が離脱した内皮細胞は、血流のないサヤ状のゴースト血管となってしまう。
出典/Ophtalmol.Vis.Sci(.1980)
どんな人でも加齢すれば血流は悪くなりますが、舌の裏側が紫色だったり、脚などに紫色の血管が浮き出ていたら(細絡)、特に要注意です。
「冷えを温め、生活習慣の見直しをすれば、将来的な血栓症などの病気の予防にもなります。今すぐ、血流の良い美人体質を目指しましょう」
これがあったら血行不良!
瘀血(おけつ)
紫色の舌、舌裏の静脈が浮き出るなどを漢方では血行不良の典型症状「瘀血」という。
細絡(さいらく)
紫色の血管が浮き出た様子。進行すると静脈瘤になる。血流が滞りやすい脚などに起こる。
これだけで血流アップする5か条!!
【1】シャワーをやめて湯船に10分以上つかる
お風呂は最高の血行促進習慣。10分くらいは適温の湯船につかるのがおすすめ。湯船の中では本を読むのもいいけれど、足指の股、くるぶしなど下からさすってマッサージすればなお良し。長くつかれば汚れも落とせます。
【2】コーヒーをやめてデカフェにする
利尿作用のあるカフェインを含むコーヒーは、飲みすぎると瘀血につながります。コーヒーを飲んだら同量の水や炭酸水を飲むか、カフェインフリーのデカフェを選んで。なお紅茶や日本茶もカフェインを含みます。
【3】白米をやめて玄米にする
便秘をすると血流が悪化して瘀血になりがち。なるべく多くの食物繊維をとり、腸の環境を整えましょう。白米より玄米、白砂糖は減らす、加熱していないものを食べるなど、健康的な食生活は血流もスムースにします。
【4】エスカレーターに乗らず階段を使う
運動不足も血流が滞る原因。1日最低でも7,000歩は歩くなど、運動を心掛けましょう。階段のほか、ひと駅分歩く、タクシーに乗らないなど、地道な運動習慣が大切。ステイホーム中ならスクワットも有効です。
【5】ネガティブ思考をやめて明るく!
鬱状態になると体を動かすのが億劫になり、血流の悪化を招きます。また、交感神経が優位になりすぎるのもNG。太い血管が収縮し、毛細血管に血液が行きづらくなります。寝る直前までスマホを見るのは避けましょう。
今すぐできる冷え解消のポイント
★に体温を司る褐色脂肪細胞が存在。温めと冷やしを交互に行い、活性化させると脂肪燃焼と体温維持につながる。肩回し体操も有効。
「血流を促すにはマッサージをするか、温めるのがいちばん早い」と赤澤先生。上の写真の赤い部分は太い血管がある部分。ここを温めると毛細血管のすみずみまで血流が行き渡り、全身を芯から温められる。特にセルライトができやすいおしり〜太ももは冷えやすいので注意して。
冷えた足(右側)を少し軽擦した状態(左側)。モヤモヤ見える血管が消え、透明感アップ!
赤澤先生はこれで血流改善!
頭皮は固くなって血流が悪くなりがち。このキャップをかぶって動かすだけで固い頭皮をほぐし、血流量が大幅アップ。
リキャップ・プロ ¥6,578(CARINA GINZA)
『美的GRAND』2021 秋号掲載
撮影/鈴木希代江(人物)、河野望(静物) ヘア&メイク/藤本 希(cheek one) スタイリスト/程野祐子 モデル/川野由架子 イラスト/おぐらきょうこ 構成/伊熊奈美
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
金沢医科大学病院 女性総合医療センター長。女性医療、アンチエイジング、漢方など、統合的な医療を通し不調をサポート。『血流美人』『血管の強化書』(ワニブックス)ほか著書多数。