岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む
日本形成外科学会認定専門医・日本レーザー医学会認定レーザー専門医
文/木土さや
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“頭皮と薄毛”について。きちんとシャンプーをしていても頭皮が臭うって…ウソ? ホント? アヴェニュー表参道クリニック院長の佐藤卓士医師にお答えいただきます。
この時期、とくにエチケットを意識したいのが“頭皮臭”。通りすがりにシャンプーの香りではなく、脂ギッシュな臭いを漂わせてはゲンナリですよね。シャンプーを毎日していても頭皮の臭いが気になるのはなぜなのでしょうか。もしかしてシャンプーに原因がある?
「頭皮臭の主な原因は、頭皮から分泌される皮脂にあります。意外にも頭皮の皮脂量はTゾーンから分泌される皮脂量と比べ、約2倍ともいわれており、皮脂やフケをエサに雑菌が繁殖し、イヤな臭いを引き起こすのです。
では、シャンプーして皮脂を落とせばいいかというと、そうとも限りません。シャンプーのし過ぎが原因で臭ってしまうこともあるのです。何度もシャンプーをすることで、頭皮の皮脂が少なくなると、頭皮は乾燥に傾いてしまいます。すると頭皮から皮脂が余計に分泌されます。そして、頭皮に元々いる常在菌が皮脂を食べることで、臭い物質を放出してしまうのです」(佐藤医師・以下「」内同)
「頭皮臭は、ストレスやホルモンバランスの乱れ、寝不足、脂質や糖質の摂り過ぎといった、偏った食事によっても起こります。また、油やバターが酸化したような臭いにも例えられる加齢臭は、女性にも発生します。加齢によって、女性ホルモンよりも男性ホルモンが優位となり、頭皮や首の後ろ、耳周辺などの皮脂分泌が活発化し、加齢臭に。これが頭皮の臭いとして受け取られることもあるのではないでしょうか」
「毎日しっかりシャンプーをしているつもりでも、ニオイが気になるのは頭皮の汚れを十分に落とし切れていないのかもしれません。
毛穴の奥の皮脂や汚れをしっかり落とすには、クレンジングシャンプーを使うのがよいでしょう。毎日の使用は頭皮に負担がかかるため、週1〜2回を目安に使用します。○曜日はクレンジングシャンプーの日と決めるのもよいですね。使用後の保湿も忘れずにしっかりと。
また、この時期はジメジメと蒸し暑くなってきますので、頭皮をサッパリ・スッキリさせたいところ。冷感成分配合の頭皮美容液を使用するのもおすすめです。ただし、冷感成分は刺激性の高いものもあるので自分に合ったものを選ぶこと、保湿成分が入っているものを選びましょう。
セルフケアでは、こまめな入浴やシャワーで清潔に保つ、頭皮にも化粧水で保湿を心がける、シャンプー後や臭いが気になるときには頭皮用のデオドラントスプレーを使用するのも効果的です。クリニックで頭皮臭対策をする場合は、臭いの原因となる皮脂分泌を抑えるため、ビタミンC内服薬の“シナール”を処方することもあります」
文/木土さや
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