「ライフスタイルに合わせた無理のない頭皮ケアが最良!」 美髪の伝道師・AMATA 美香さんの金言
髪のお悩みの解消につながるのは「頭皮ケア」。具体的にどんなことをしていいのかわからないという人もいれば、逆に頑張りすぎてしまって続かないという人も。手抜きをするわけではなく「今」に合わせた髪と頭皮のお手入れの方法を、永遠の美髪の持ち主である人気サロン「AMATA」代表の美香さんにうかがいました。今回はセルフケアで参考にしたい美香さんのアドバイスをお届け。
頭皮を清潔に保てていれば、厳しいルールはなし! 自分のライフスタイルに合わせて無理なくケアしよう
健康的な美髪を育てるために大事なのは、頭皮の状態。美香さんも「清潔な頭皮を日々キープしていることがいちばん大事!」と言います。
多くの人の髪と頭皮を見てきて実感することは、「頭皮がベタついている人、乾燥してフケが出ている人、ニオう人。とにかく頭皮が清潔じゃない人がすごく多い」ということなのだとか。
「自分では洗っていると思ってもきちんと洗えていなかったり、すすぎ残しがあったり。とくに自分の目で見えなくて髪が密集している後頭部は、そういうことが多いです。洗うときは髪ではなく頭皮を洗うこと、すすぎの時間は洗う時間の倍をかけてしっかり流すことがポイントです」と美香さん。
実践編として、今日から心に留めておきたい髪と頭皮のケア方法をうかがいました。
ライフスタイルは人それぞれ。ストレスのない時間に洗髪を!
「洗髪は必ず夜、寝る前に!、とよく言われますが、それは不必要な固定観念。今は、深夜まで働く人、介護で忙しい人、育児で疲れてしまった人…ライフスタイルもそれぞれ違うんですよ。
疲れきって眠いのに、洗髪して乾かして…の余裕なんてない人もいると思います。そしたらシャワーだけ浴びて思い切って寝てしまい、朝シャンにしてもいい。毎日のことだからこそ、気持ちよく無理なく。いつ洗ってもいいんです、頭皮の清潔を保つことができれば!」
1日に数回洗髪をする人はクリームシャンプーがおすすめ
「スポーツをやっていてたくさん汗をかく人や、ほこりっぽい場所で働いている人など、1日に何回か髪を洗いたいという人におすすめなのは、頭皮も保湿できるクリームシャンプーです。普通のシャンプーで何度も洗うと頭皮の皮脂を取りすぎることになり、逆に皮脂過剰になってしまう。複数回洗髪をするなら、洗うときも保湿を心がけて」
周りの環境に合わせて使うケア剤を替えてみて
「空調の影響を受けやすい環境で働いていて肌の乾燥が気になったら、スキンケアは替えるでしょう? 髪や頭皮も、『乾燥がひどいな』『静電気すごいな』と思ったらしっとり系のトリートメントにしてみるとか。スキンケアの選び方と同じですよね。とにかく、乾燥していいことは何もありません! ちなみに、顔は乾燥しているのに頭皮が脂っぽい人は、シャンプーがきちんとできていない可能性大です」
シャンプー剤をつける前のお湯洗いは絶対! 頭皮のすみずみまでしっかり濡れるようシャワーを当てて
「乳化したシャンプー剤が、頭皮の汚れを包み込んで落とします。乳化のためには水が必須。そのために頭皮にしっかり水分が行き渡っていることが重要です。頭皮に濡れていない箇所がないように、全頭をすみずみまで濡らします。石けんも水を加えないと泡立ちませんよね。手を洗うときも、まず最初に手を濡らします。それと同じことです」
頭皮を丁寧に触って、頭の形や頭皮の状態をきちんと確認しましょう
「分け目やつむじ、後頭部など、自分が思っている以上に洗えていない箇所はたくさんあります。シャンプーしているときは、みなさん“無”の状態なんですよね。何も考えない時間は、ある意味、貴重ですし、気持ちは分かるのですが、それだと洗い残しが出てしまう。洗うときは頭皮を意識しながら洗いましょう!
アンチエイジングな洗い方とは、寝ている髪の根元を起こすこと、頭皮を指の第1関節でとらえて動かすように洗うこと。その際に頭皮を意識しながら洗うと、『ここの頭皮が動きにくいな』『頭皮がぶよぶよしているな』とわかるようになります。鏡を見ながら洗うのもいいかも。指感覚を大事にしてください」
摩擦レスシャンプーはナンセンス!
「何度も言いますが、シャンプーで大事なのは頭皮をきちんと洗うということ。“摩擦レス”を謳う泡で出てくるシャンプーの場合、泡立っていることに満足してしまい、髪をこするだけで頭皮は洗えていないことも。
頭皮は顔の肌に比べて毛穴が大きくキメは粗いため、意外と丈夫で鈍感。だから毛穴を動かすようにしっかり洗うことが大事だと私は考えます」
洗髪前の頭皮にも育毛剤を使っていい
「育毛剤は、シャンプーした後の清潔な頭皮に使うのが理想ですが、シャンプーしていない頭皮に育毛剤をつけてもOK。つけないより断然いい。私は夜にブラッシングをして髪の汚れを落とし、頭皮の血行を促した後に育毛剤をつけています。実は10代から朝シャン派なんです」
「ドライヤー=髪を乾かすだけのもの」ととらえずに「ドライヤー=髪を乾かして頭皮を守れるもの」とアップデートを
「今はとてもいいドライヤーが出ていますよね。スカルプモードを搭載し、頭皮と髪のオーバードライを防ぎつつ潤いを与えてくれるタイプを多く見ます。毎日使うギアは、最新のギアを選ぶのも賢いケア方法だと思います」
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写真/Getty Images 構成・文/斉藤裕子
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神奈川県生まれ。文化服装学院卒業後、アパレルメーカーなどで約10年、ファッションデザイナーとして活躍。2002年にヘアサロン「AMATA」をオープン。毛髪診断士指導講師として、毛髪科学理論に基づき、頭皮と髪の悩みを分析し、顧客の悩みや要望に合った施術やアドバイスを提供。 近年は医療機関と提携し、最新毛髪治療をナビゲートするなど、女性の髪を美しく保つための活動を続けている。著書に『毛髪診断士・美香が作る「美髪ごはん44」』(小学館)がある。Instagram:@mikaamata