お悩み別ケア
2021.9.7

【皮膚科医に訊く!】日焼け後のかゆみの原因や対策は? 症状に適したお薬も紹介

日焼けをした際にかゆみを感じた場合、どのように対処したらいいのでしょうか。今回は、日焼け後のかゆみの原因や症状に適した対処法、薬について、皮膚科医で東京イセアクリニック渋谷院院長大山希里子先生に教えていただきました。

日焼け後のかゆみの原因とは

まずは、日焼けの後のかゆみの原因についてうかがいました。

日焼けの種類によってはかゆみが出る場合もある

日焼けには種類があり、その種類によっては肌がかゆくなってしまうことがあるようです。

「日焼けには、皮膚が赤くなるサンバーンと、その後黒くなるサンタンがあります。
サンバーンはUVB(紫外線B波)により炎症を起こして赤くなっている状態です。紫外線を浴びた直後から、炎症により赤みがでてきます。
一方サンタンは、UVA(紫外線A波)が主に関わり、メラニン色素が沈着して黒や褐色調に落ち着いた肌の状態をいいます。紫外線を浴びてから数日後に黒や褐色調に変化するのが特徴です。

また、サンバーンも赤みが引いたらサンタンの状態になり、ターンオーバーの過程でかゆみがある場合があります。比較的軽度の日焼けは、赤くなり時間でひいていくもの、中度の日焼けは、赤くなり痛みを伴うものになります」(大山先生・以下「」内同)

日焼け後にかゆみがでる原因は?

「日焼けをしたことにより皮膚は刺激を受け、炎症がおこります。炎症により刺激を受けやすいバリア機能が低下状態になったことが原因でかゆみをきたしやすくなります」

バリア機能とは?

「バリア機能とは、皮膚角質層がもつ体内保護、体液保持機能のことです。体内保護とは、外界からのあらゆる刺激から生体を保護することを言います。外界からの刺激とは、病原体、細菌や紫外線など物理化学的刺激物、異物の侵入など。体液保持とは、体内の水分を失わないようにし、体外から水分が容易に通り抜けないようにする能力です。その他には、体温調節や感覚などもバリア機能にあたります」

バリア機能の低下とは?

「バリア機能の低下とは、刺激に敏感な状態が高い度合いまで進んで、刺激物が侵入しやすい状態となり、炎症を起こしやすく皮膚が乾燥することです。
日焼けの場合は、紫外線がバリア機能を低下させることで刺激を受けやすくなります。刺激を受けることにより、かゆみなど皮膚に不快な感覚をきたす細胞が誘導され、掻いたり擦ったりする行為につながることで、ますますバリア機能を低下させ、悪循環になります」

日焼け後のかゆみで寝られない場合は?

日焼け後に、寝れないほどのかゆみを感じた場合の肌の状態

「日焼けによる炎症が起きている状態です。日焼けによる皮膚の炎症が軽くても、強くても、かゆみをきたすことがあります」

皮膚の炎症が軽い場合と、強い場合の肌状態の違い

「皮膚の炎症には、炎症兆候といわれる4兆候があります」

<炎症兆候>

  • 発赤(皮膚が赤くなる)
  • 熱感(熱っぽさ)
  • 腫脹(炎症によって腫れ上がる)
  • 疼痛(痛み)

「それぞれ上から、赤みが鮮やかであるほど、熱感をもっているほど(実際に発熱する場合も)、腫れている、痛みが強い場合は炎症が強いです。逆に、赤みが淡い、あまり熱感がない、腫れていない、痛みがあまりない場合は、軽い炎症といえるでしょう」

日焼け後のかゆみの対処法

「日焼け後に、寝れないほどのかゆみを感じた場合は、冷やして保湿をしっかりしてください。かゆみは温めると増強されるので、温めるよりは冷やす必要があります。また、冷たいタオルをあてることで、かゆみが緩和される場合もあります。氷水でも保冷剤でもどちらでも良いので、冷やしましょう。

冷やすときは、必ずタオルでくるんでからあててください。また、乾燥はかゆみを増強するため、保湿する必要もあります。保湿剤に関しては、家にあるボディクリームでも大丈夫です。強いかゆみがある場合は、病院でかゆみ止め(外用も内服もあります)をもらい、触らないようにしてください」

Point

とにかく冷やす!

日焼け後のかゆみには市販薬も使える?

日焼け後のかゆみの対処法として、市販薬も使えるのか教えていただきました。

市販薬オロナイン・リンデロン

「炎症を抑える目的では、オロナイン、リンデロンは使用しても良いです。かゆみの原因が炎症なので、直接的に効果があると思います。炎症を抑えることで、かゆみを和らげます」

市販薬ムヒS

「使用目的が違うので、日焼け後のかゆみに対しては、使用しないほうが良いです」

市販薬を使用する場合の注意点

「各市販薬に記載されている使用方法を守って使用してください。顔にも使えるのかなど、使用できる場所の確認も必要です」

日焼け後のかゆみに処方される病院の薬

病院で処方されるかゆみに適した薬の種類についても、教えていただきました。

病院で処方されるかゆみに特化した薬

「病院では、ステロイド外用、保湿剤外用、抗ヒスタミン薬内服などが処方されます」

かゆみに特化した薬を使用する場合の注意点

「塗り方、量、部位、回数など医師の指示通りにしてください」

東京イセアクリニック渋谷院院長

大山希里子(おおやま・きりこ)先生

取材・文/よこたみほ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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