累計販売約512億円を突破! ポーラのシワ改善成分「ニールワン」の衝撃【加藤智一さん連載Vol.5】
いま美容業界で、注目の美容成分をピックアップ! 友だちとの美容トークでも「この成分、知ってる?」と思わず話したくなる話題の成分をご紹介します。 第5弾は、累計販売が約512億円(2023年3月末現在)を突破したというポーラの「リンクルショット メディカル セラム」のスター成分、「ニールワン」をご紹介。現行品では2代目としてバージョンアップしており、その進化ポイントもお伝えします。
500億円以上を売り上げているポーラを代表するスター美容液!
加藤智一 「国内初・厚労省が認可した“しわ改善‘美容液」として、スター成分である”ニールワン“配合の「リンクルショット メディカル セラム」が、華々しく登場したのが2017年。もう6年前になりますね。当時、元旦の新聞広告に見開きで商品が大きく掲載されていたのが印象的でした。それからすでに500億円以上を売り上げているということで、本当に多くのかたから愛されてますね。
楊一幸さん ありがとうございます。有効成分である「ニールワン」の開発には、非常に多くの研究者が関わったので、その努力が報われて嬉しい思いです。
加藤 しわ改善成分である「ニールワン」は肌が外部からの刺激で炎症を起こすと、その部分を“傷”だと勘違いして、真皮を分解してしまうたんぱく分解酵素“好中球エラスターゼ”の働きを抑制する、という仕組みですよね。開発にあたって最も難しかった点は?
楊 まず、開発当時はしわに対するガイドラインがありませんでした。なので、製品開発はもちろんですが、そのガイドラインを設けることにも時間を費やしました。皮膚科医の権威である、川島眞先生のもと、化粧品会社各社、行政出身の方々も集まり、しわの深さや本数などによって評価されるしわのグレード基準を検討。結果、2006年に8段階のしわグレードからなるガイドラインが設けられ、「ニールワン」もその基準で、しわ改善を実現したことにより、商品化へと踏み出しました。
加藤 ガイドライン作りからスタートしたとは大変でしたね。製品開発では、新しい成分だけに配合や安定性も難しかったようですね。
楊 はい。「ニールワン」は水とのなじみがよく、水にくっつくことで構造が変わるのが難点でした。これは、もうお手上げかというラインまでいきましたが、処方担当がたまたま入ったレストランでチョコミントアイスをみて、ひらめきを得まして(笑)。水に溶かしこむのではなく、チョコチップのように分散させればいいのか、と発想を転換させたことがブレイクスルーに繋がりました。
加藤 そうして無事に発売を迎えた「リンクルショット メディカル セラム」ですが、2021年には晴れて2代目となる「リンクルショット メディカル セラム」が誕生しましたね。そのリニューアルポイントを教えていただけますか?
楊 2代目を開発したきっかけは、「ニールワン」が必ずしもすべてのお客様に効くわけではなかった、という事実からでした。そのメカニズムを検証したところ、キズが治りやすいと感じる人はしわが改善しやすく、そうでない人は改善しにくいということがわかりました。そこで、2代目ではしわを改善しやすい肌環境をつくるための成分を追加配合。
さらに、肌状態そのものもよくする成分も配合したことで、従来、ニールワンが効きにくかったかたにも満足していただける仕上がりとなっています。
加藤 なるほど! 効果が加速したという感じですね。それは頼もしい。あと、テクスチャーも向上しましたよね。
楊 はい。初代は新規成分ということもあり、とにかく安定性にこだわりましたが、2代目はさらに進化させるために安定性を確保しつつ、テクスチャーの使用性を向上させました。
加藤 では、今後の「ニールワン」の可能性や、活用法などを教えてください。
楊 「ニールワン」はしわを深堀りしてしまう“好中球エラスターゼ”の働きを抑制するわけですが、これはなかなか強いアクションでして、これに変わるテクノロジーはなかなかありません。そこで、2代目では「ニールワン」の働きを下支えするようなテクノロジーを加えたのですが、このようなサポート成分はまだまだあると思うので、さらに研究を続けていきたいと思っています。また、お伝えしたように水との安定性が非常に難しいのですが、当時と現在ではかなり技術が進化していますので、「ニールワン」を配合した、さまざまなアイテムにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。
スゴイ成分、「ニールワン」を配合した、
ポーラ リンクルショット メディカル セラム
医薬部外品 20g ¥14,850
しわを改善する医薬部外品有効成分「ニールワン」に加え、新しくダイナミズムデリバリー処方を採用。有効成分「ニールワン」が肌の奥深くの真皮へ浸透ししわを改善する。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
基盤研究部隊として、肌荒れやアンチエイジングにまつわる研究に従事。2014年にアメリカ・ボストン近郊のロジャーウィリアムスメディカルセンター病院で研鑽を積む。帰国後、二代目リンクルショットプロジェクト開発リーダーに就任。2023年よりシンガポールにて派遣研究を行うとともに、国内の皮膚科学研究及び新素材開発グループのリーダーを兼務。