レゾルシン、化粧品としての効果は？【美容成分大全】

レゾルシンにはニキビの原因となるアクネ菌、フケの原因となる微生物を殺菌する作用があり、「ニキビ予防」や頭髪用の医薬部外品に有効成分として配合されています。その歴史は古く、医薬品としても使用され、余分な角質を取り除く作用もあります。日本化粧品検定協会が美容成分をくわしく解説する【美容成分大全】。成分を正しく理解して、コスメ選びの参考に！

プロフィール

どんな「効果」がある？

「ニキビ予防」と「フケ・かゆみ防止」で認められている医薬部外品の有効成分

殺菌

ニキビの原因の1つであるアクネ菌を殺菌します。アクネ菌の増殖を抑えることでニキビの悪化を防いだり、炎症を広がることも防ぐため、「ニキビ予防」の薬用化粧品の有効成分として使用されています。

また、頭皮で皮脂が過剰に分泌されるとそれを餌とする”マラセチア菌”が増殖し、頭皮に炎症を引き起こします。その結果、ターンオーバーが乱れフケが発生したり、毛穴の詰まりを引き起こします。

毛穴の詰まりや炎症は頭皮の状態を悪化させて、脱毛も促進させてしまいます。レゾルシンによりマラセチア菌を殺菌することで、頭皮環境を改善し「フケやかゆみを防ぐ」効果が期待でき、医薬部外品の育毛剤などにも配合されています。

「角層剥離・溶解」と「殺菌」の2つの作用でニキビを防ぐ！

角層剥離・溶解

皮膚表面のタンパク質と反応して、タンパク質表面の構造を変化させることで角質をやわらかくします。これにより、はがれにくくなった古い角質を取り除きやすくします。この角層剥離の作用とアクネ菌の殺菌作用を併せもつことで、ニキビを防ぐ高い効果が期待できます。サリチル酸などと比べると、角層剥離・溶解については穏やかな作用です。

化粧品を変質させる雑菌に作用して製品を守る「防腐剤」

防腐

化粧品を使用している間に、空気中に浮遊する雑菌や手指からの微生物の混入により汚染されること（二次汚染）を防ぐ目的で配合されます。防腐剤としても”ポジティブリスト”に掲載されており、配合上限は0.1％です。

美容賢者からの「ひとこと」

＼教えてくれたのは／

日本化粧品検定協会代表理事

小西 さやか

日本化粧品検定協会代表理事、日本薬科大学客員准教授、北海道文教大学客員教授、東京農業大学食香粧化学科客員准教授、各種協会の顧問、学会幹事を歴任。化粧品開発者として科学的視点から美容、コスメを評価できる専門家「コスメコンシェルジュ」。最短最適な美容で無駄を省く「時短美容家」としても活躍中。著書は『美容成分キャラ図鑑(西東社）』など13冊、累計56万部を超える。

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業界マメ知識

「クレアラシル」や「ピンプリット」など、ニキビで有名な製品に有効成分として配合されています。

「歴史・由来」その他の雑学

レゾルシンは別名「レゾルシノール」といいます。レゾルシンの用途は幅広く、タイヤ・木材用接着剤、紫外線吸収剤などの原料としても使用されています。中でもタイヤ向けの需要は大きく、1981年以降世界最大のメーカーである住友化学は、環境に配慮した独自の技術で生産をしています。

歴史

レゾルシンの歴史は100年以上で、古くから医薬品として使用されています。

主な原料の由来

合成

医薬品やサプリメントには？

医薬品には、殺菌、鎮庠、表皮剥離、角質溶解剤として脂漏、脂漏性湿疹、頭皮の乾癬、尋常性ざ瘡（ニキビ）、粃糠性脱毛症（フケが毛穴に詰まり菌が増殖して脱毛が起こる疾患）の治療目的で使用されますが、経皮吸収率の高さから、乳幼児への使用は禁止されています。食品には使用されません。

注意事項

特にありません。

※価格表記に関して：2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。