健康・ヘルスケア
2021.5.20

排便時に痛むのは痔のサイン?|専門家医が答える女性の体悩みQ&A

排便時に痛みがある…もしかして痔? 消化器外科医の馬場真木子先生に痔のサインについてお話を伺いました。

排便のとき、肛門に痛みがあります。痔でしょうか?

A.肛門の痛みをはじめ、違和感、残便感、いぼの脱出、出血などは痔のサインです。

「肛門が痛む原因はまず、 痔の可能性が大 。そもそも痔とは、肛門クッション(肛門出口を囲み、肛門を締めやすくする柔らかい組織)が増大したものなので、誰もが痔になる可能性をもっています。程度によって 違和感や残便感、出血、いぼ痔の飛び出しなどの症状が出現。痛みもそのひとつ です。痔にはいくつかタイプがあって、男女ともに多いのは いぼ痔 。肛門クッションが うっ血して一部が腫れた 状態です。肛門の中にできるものを 内痔核 、外を 外痔核 と呼びます。次に女性に多いのは 切れ痔 。排便時、肛門部分の 皮膚に傷 ができたものです。

肛門のトラブル要因には、ほかに、洗いすぎ、こすりすぎなどで起こる肛門周囲皮膚炎もあります」(消化器外科医・馬場真木子先生)

 

%e3%81%af_1

痔瘻(じろう)
男性に多い痔。大腸菌の感染により肛門周辺が腫れて膿がたまり、肛門周囲膿瘍に。そのたまった膿を排泄するために、肛門の内側と外側がトンネルのようにつながった状態。

切れ痔
肛門上皮が切れたり、裂けたりしてできた傷。排便後の痛みと、排便時にペーパーに少しつく程度の出血と痛みがある。裂肛を繰り返すと、肛門ポリープや見張りいぼ(炎症が慢性化してできる肛門外の膨らみ)ができ、その繰り返しで肛門狭窄の状態になる。

痔核(いぼ痔)
内痔核
細い静脈が集まる肛門クッションの血流が滞り、うっ血して腫れた状態。違和感、残便感、出血、肛門から外へ飛び出ることも。

外痔核
肛門上皮が腫れた状態。この部分に肛門周辺の血流が滞ることで血栓ができて腫れた状態を、血栓性外痔核という。急に腫れて、激しく痛み、出血することもある。

 

肛門外科医

馬場真木子先生

 

『美的』2021年5月号掲載
イラスト/チブカマミ 構成/つつみゆかり、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事