書家 紫舟さん「自分との約束事を守る。その積み重ねで自分を信頼できるように」|“弱い自分”からの脱出法【美的GRAND】
長く続くステイホーム。つらく、苦しい環境にあっても自分らしさを見失わず前に進むために…今だから言える“弱い自分”からの脱出法を書家の紫舟さんに語っていただきました。
小さなことでも自分との約束事を守る。その積み重ねで自分を信頼できるように
“書”にはその人の生き方が出るもの。自分の内面と常に誠実に向き合い、魂を込めた紫舟さんの作品は多くの人の心に感動を呼ぶ。
「自分にはまだ何もないと思っていた20歳の頃、いざというときにいちばん信用できる味方が、ほかの誰でもなく自分であったらいいなと思ったんです。そこで決めたのが“自分とした約束は必ず守る”こと。”階段があったらエスカレーターは使わない。ただしおなかがすいているときは免除で”とか、簡単なことでOK。実際に守れると自分に少し自信がつきます。そうやって約束事をひとつひとつ積み重ねていくと、だんだん自分と信頼関係ができてきます。すると今度は自分の心や体が、今何を欲しているのか素直に私に訴えかけてくるんです。その欲求をネグレクトせずにできるだけかなえてあげることで、自分との信頼関係はさらに密になっていきます。今ではどんな困難や苦難に直面しても私ならきっと大丈夫、と信じられるまでになってきました。すべてはこれまでの自分との関係性や普段の行いからそれ相応のものが返ってくる。良いことがあっても悪いことが起きても自分次第という心もちで、これからもいたいと思っています」
紫舟さんの元気の源
自然の風を頬に感じる瞬間が大好き。夜、ほっとしたいときはいい風を求めてベランダに出ます。春の季節、ジンチョウゲの甘い香りが風に乗って運ばれてきたら、それだけで幸せな気分に。頭が疲れたときはヘッドスパでマッサージしてもらうのも至福の時間です。
『美的GRAND』2021冬号掲載
撮影/山口恵史 スタイリスト/石井くみ子 イラスト/ komugi 構成/野村サチコ、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
ししゅう/6歳より書道を始める。日本の伝統文化である「書」を絵、彫刻、メディアアートへと昇華させ、文字に内包される感情や理を引き出す作品は国内外で高く評価されている。代表作にNHK大河ドラマ『龍馬伝』、伊勢神宮『祝御遷宮』などがある。