冬に生野菜を食べたいときは小松菜か白菜がいいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「野菜で温活」について。冬にサラダを食べたいときは小松菜か白菜がいいってホント? 食糧学院 学院長で医師の馬渕知子さんと管理栄養士の仁田友香さんにお話を伺いました。
Q:冬にサラダを食べたいときは小松菜か白菜がいいってホント?
冬は寒さもあり「冷えないためにもサラダは控える」という人もいるのではないでしょうか。しかし、無性にサラダをもりもり食べたくなることもありませんか? そういうときは小松菜や白菜なら冷えるリスクが軽減されるというウワサ。本当なのでしょうか。この疑問について食糧学院 学院長で医師の馬渕知子さんと管理栄養士の仁田友香さんに聞いてみました。
A:ホント
「白菜や小松菜は生でも美味しく食べられます。よい栄養素が丸ごと摂れることで、冷えのリスクを和らげることが期待できます」(仁田さん)
小松菜と白菜がおすすめの理由
「小松菜や白菜は加熱して食べるものというイメージをもっている人が多いと思いますが、実は生でも食べられる野菜です。
小松菜はシュウ酸がないので、生でもえぐみを感じることがありません。緑黄色野菜に分類され、体を温める要素のβカロテンはもちろんのこと、ビタミンCや食物繊維などが含まれています。さらに野菜ではめずらしくカルシウムが豊富に含まれているのもよいところ。苦味が苦手な人はシーザーサラダにしたり、フライドガーリックなどを入れると食べやすくなりますよ。
白菜は食物繊維が多く、ビタミンCも多く含んでいます。生だと加熱で失われやすいビタミンCを丸ごと摂れるメリットがあり、タンパク質源と組み合わせて食べれば、温める要素をプラスできるので冷えに対する心配もクリアできます。ただし、生だと水分量が多いので、特に冷えやすい人はベーコンなどと合わせてホットサラダにしたり、さっと焼いたグリルサラダがおすすめです」(仁田さん)
発酵食品と一緒に食べると生野菜でも温活になる?
「はい。発酵食品は体を温めてくれるものが多いです。キムチやチーズ、大豆製品もよいですね。韓国料理のサムギョプサルなんかは、葉物野菜を肉で巻いて、キムチをプラスしたりするので、タンパク質もプラスできるのでおすすめです。ヨーグルトや味噌、チーズをドレッシングとして使うのもよい方法です。生野菜ではないですが、温かい味噌汁は野菜と発酵食品をまとめて摂取でき、体も温まるのでとてもよいです」(馬渕先生)
体を温める効果があるスパイスは?
「ショウガのジンゲロール、唐辛子のカプサイシン、胡椒の辛味成分ピペリンは体を温めることに役立ちます。スパイスは味のアクセントにもなるので、野菜とも相性がよいです」(仁田さん)
「スーパーなどで手に入るような一般的なスパイスは、体を温める効果があるものが多いです。中華料理などに使う八角や山椒もそうで、胡椒の代わりにサラダにひと振りするといつもと一味違うサラダを楽しめますよ」(馬渕先生)
おすすめの冬サラダレシピ
【白菜と豆とツナのホットサラダ】
材料(2人分)
・白菜…1/8本(240g)
・かぼちゃ…60g
・キユーピー テイスティドレッシング 黒酢たまねぎ…適量
・サラダクラブ ライトツナ(フレーク)…1袋(80g)
・サラダクラブ レッドキドニー(赤インゲン)…1袋(50g)
作り方
(1)白菜は葉と芯に分け、ひと口大にき。かぼちゃは5mmの幅に切る。エリンギは長さを半分に切り、縦に薄切りにする。
(2)耐熱容器に(1)のかぼちゃ、白菜の芯の順に入れ、ふんわりとラップをかけてレンジ(600w)で約4分加熱する。白菜の葉とエリンギを加え、ふんわりとラップをかけ、さらに約1分加熱する。
(3)器に(2)を盛り付け、ツナとレッドキドニーをのせ、ドレッシングをかける。
【小松菜とカリカリベーコンのシーザーサラダ風】
材料(2人分)
・小松菜…4株(140g)
・トマト…1/2個(83g)
・ベーコン…2枚(40g)
・パルメザンチーズ…大さじ1
・キユーピー シーザーサラダドレッシング…大さじ3
作り方
(1)小松菜は長さ3cmに切る。トマトは1.5cmの角切りにする。
(2)ベーコンは3cm幅に切り、オーブントースターでこんがり焼く。
(3)器に(1)と(2)を盛り付け、ドレッシングをかけ、パルメザンチーズをふる。
体を温めて免疫力を高める栄養素まとめ
「温活と免疫力を高めるためには食事でタンパク質やビタミン類、鉄分などの免疫機能をサポートする栄養素を摂取することを意識しましょう。冬に旬を迎える根菜類などの野菜を取り入れること、ショウガやネギ、ニンニクなどの体を温める薬味系の野菜、発酵食品の摂取もよいでしょう。(馬渕先生)
【タンパク質】
筋肉をつくり出す栄養素で、筋肉量を維持し、代謝を促進するサポートにもなり熱を生み出します。筋肉がつけば、基礎代謝が高くなり冷えにくい体になります。
【ビタミンA】
皮膚や粘膜を防ぐ機能を高め、ウイルスの侵入を防ぐはたらきを高めます。βカロテンとして、緑黄色野菜から摂取することができます。
【ビタミンB群】
糖質、タンパク質、脂質をエネルギーに変え、免疫機能を維持します。血行をよくするはたらきで、体を温める作用もあります。
【ビタミンC】
鉄分の吸収を促進し、毛細血管の機能を保持するはたらきがあります。風邪予防も期待できます。
【ビタミンE】
抗酸化機能が高く、血行を促進するはたらきがあります。手足に冷えを感じる冷え症のかたには積極的に摂取してほしい栄養素です。
【鉄分】
血液中のヘモグロビンの材料となり、全身に酸素を運び、貧血予防が期待できます。不足すると冷えにも影響があるのが鉄分です。

管理栄養士/キユーピー株式会社 食と健康推進プロジェクト
仁田友香(にった・ゆか)
管理栄養士専攻大学卒業後、キユーピー株式会社に入社。入社後は研究開発本部にて、病院施設向けの病者用食品及び高齢者向けの商品延べ100品以上の開発に従事。現在は外部と連動した食と健康の発進、また自治体向けの講演活動、資料作成、社内外に向けて食と健康に関わる活動を推進中。
■キユーピーサラダファーストプロジェクト
文/土屋美緒
*掲載した商品の価格は税込みです。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
東京医科大学医学部医学科卒後、同医科大学病院皮膚科学講座に所属しながら同病院に勤務。その後、マブチメディカルクリニックを開設、現愛に至る(院長)。平成23年には学校法人食糧学院理事及び東京栄養食糧専門学校の講師に就任、令和5年から同学院の学院長も務める。内科医・皮膚科学が専門であるが、あらゆる科と連携を結び、多面的に人間の体を総合的にサポートする医療を推進している。