ワキ脱毛をすると汗をかきやすくなるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「汗とニオイ」について。ワキ脱毛をすると汗をかきやすくなるってホント? 臭気判定士資格を持つマンダムの久加亜由美さんにお話を伺いました。
Q:ワキ脱毛をすると汗をかきやすくなるってホント?
脱毛のファーストステップとしてワキ脱毛を行う女性も多くいると思います。ワキ脱毛をしたことで、夏服や水着にも自信がもてるようになる一方「汗の悩みが増えた」という声も耳にします。除毛の手間も減って快適になったものの、ワキ脱毛をすると汗をかきやすくなるという噂も。さっそく、この疑問について臭気判定士資格を持つマンダムの久加亜由美さんに聞いてみました。
A:ウソ
「脱毛することで感覚の変化はあっても発汗量は変わりません」(久加亜由美さん・以下「」内同)
ワキ脱毛と汗腺の関係
「脱毛との関係は研究データがあるわけではないのですが、脱毛の施術が汗腺まで影響することは考えにくいです。ただ、脱毛することで汗をかいたときの感覚が変わるということはあると思います。脱毛前であれば、除毛していたとしても多少は毛があることで汗が毛に絡まり、直接肌に触れる量が減ります。しかし、無毛の状態だと汗の量は変わっていなくても、汗を敏感に感じるのではないかと考えています。実際、男性のほうが女性と比べて汗の量は多いのですが、脱毛をしていない人も多いため脇汗を感じにくいようです。そう考えると、脱毛や除毛といったケアをしている女性のほうがワキの汗を不快に感じやすいのかもしれません」
自分の汗臭さには気づきにくい?
「はい。これは嗅覚の順化が起こっているためです。安全なニオイにいちいち反応していては疲れてしまうので、自分のニオイについては鈍くなっていきます。人間が生きていく上で身につけた省エネ的な機能なのです。自分の家のニオイを感じないのも同じ順化によるものです」
夏場は香水も臭くなりやすい
「はい。夏は香水の香りも強く香ることがあるそうです。気温が高く、皮膚温も高くなることで香料が揮発しやすくなり、ニオイが飛びやすくなるため、強くなりやすいそうです。これには湿度も影響しており、湿度が高いと空気中に香りが残りやすくなるため、香りを感じやすくなります。そのため、気温と湿度が高い夏場は、香水をつける量を調整したほうが良いでしょう。体臭を紛らわすために香水を利用している人は、ニオイはデオドラント剤で抑えてもらい、ほんのり香りをプラスするというテクニックがおすすめです。香水も毎日使い続けていると、順化が起こるので香りの強さに自分では気づかないこともあります。まわりの人も心地よく感じられるように、夏場の香水はいつもより控えめでも十分香るということを覚えておいてください」
足はゴシゴシ洗うと臭くなる!?
「ゴシゴシ洗うことでニオイの強さが増えるということは考えにくいですが、強く洗う必要はないと思います。ただ、汚れが残ったままでは当然ニオイの原因になりますから、汚れが溜まりやすいところを中心に丁寧に洗うようにしましょう」
足汗は臭くなりやすい?
「はい。足の裏にはエクリン汗腺が多くあり、発汗量が多い部位であるため、ニオイを発生させる菌の餌も多くなります。エクリン汗腺は暑いときに汗を出すという特徴があり、全身に存在する汗腺ですが、手のひらや足の裏は暑いとき以外にも汗をかきます。足の裏は常に汗をかいているうえ、靴などで密閉状態なこともあります。さらに指の間や爪のまわりには汚れが溜まりやすく、ニオイが発生しやすい条件が整っているので臭くなりやすいと考えられます。
もちろん個人差はありますが、ワキや頭は臭わなくても、足はニオイが強いという人が多いです。足もほかの部位と同じく、清潔な状態を保つことがニオイ対策になるので、汚れが溜まりやすい部分もしっかり洗うようにしましょう」
Point
・足の裏は汗をかきやすく密閉状態で臭くなりやすい・指の間や爪のまわりに汚れが溜まりやすい
・汚れやすいところは特に丁寧に洗う!
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2008 年入社 製品開発(ヘアスタイリング剤やスキンケア)を 4 年経験。2012 年より体臭研究に携わり、デオドラントの基礎研究として、汗・におい、殺菌や消臭などについて研究を進めている。臭気判定士資格を 2015 年に取得し、体臭研究に生かしており、発汗やにおいのメカニズムから、対処法まで幅広く語れる。脇汗をリアルタイムで測定できる評価系を確立したことで、制汗研究を拡張させた。
■マンダム