健康・ボディケア・リフレッシュニュース
2024.8.20

【新連載】肩書きは、なんですか?|仕事と美容、そして人生。浅野ゆう子「待てば、甘露。」#01

俳優・浅野ゆう子さんが50年のキャリアと美容についての連載を始めます!女性が自由に生き始めた時代から常にカッコいい大人の代表であり続ける浅野ゆう子さん。今年、デビュー50年を迎えました。メイクもキャリアも結婚も、模索しながら歩んできた50年。決して順風満帆ではなかった日々を経て、「今がいちばん自分らしい」と語る浅野さんが、50年を振り返りながら、美しく輝くヒントを教えてくれます。

【連載#01】肩書きは、なんですか?

10代からの美脚は健在!

ジャケット¥641,300、ジレ¥842,600[参考価格]、タンクトップ[参考商品](ブルネロ クチネリ ジャパン〈ルネロ クチネリ〉) イヤリング¥1,254,000、リング¥2,365,000(TASAKI) ショートパンツ/スタイリスト私物 パンプス/本人私物

50年前、私は歌手としてキャリアをスタートしました。幼い頃、地元でミス・神戸の方がオープンカーでパレードしているのを見る度、母に「あなたもいつかあの車に乗るのよ」と囁かれ(笑)、そのうち、憧れていた歌手を目指すように。そして、ロッテ製菓のミス・ロッテの準ミスに選ばれた際にスカウトされ、単身上京。13歳で歌手デビューしました。容姿が大人びていたことから同じ年、人気ドラマ『太陽にほえろ!』に2代目事務員役で出演。ところが、「警察で中学生が働いているのはおかしい」とクレームが殺到。あえなく1クールで降板に(笑)。

ヒット曲にも恵まれましたが、特別歌唱力があったわけでもなく、徐々にレコードは売れなくなっていきました。お芝居に挑戦したり、水着でキャンペーンモデルを務めたりとキャリアを模索しましたが、どれもパッとしません。

「あなたの肩書きはなんですか?」。

20代半ばのある日、取材で記者の方に聞かれました。歌手なのか、モデルなのか、女優なのかわからない、と。辛辣だなと思いましたが、私も「これです!」と答えられなかった。自信をもって言える肩書きがなかった。名刺を作るとしたら肩書きは何にしたいか─ふと、そんな思いがよぎり、素直に浮かんだのが「女優浅野ゆう子」でした。その頃は2時間ドラマに年に2~3本出る程度で、お芝居に手応えがあったわけではないのですが、なぜかその瞬間、「女優として生きたい」と覚悟が決まったのです。事務所の方と話し合い、「芝居1本でやっていきます!」と伝えました。デビューから10年、いただいたどんなお仕事にも挑戦してきたからこそ、「女優として生きたい」という本当の思いに気づけたようです。それまでは周りが敷いたレールをまっすぐに進んでいた私が、仕事の方向性を自ら決めたのは初めてのことでした。

人生の選択肢が多いからこその悩みもある時代。迷うときは何かひとつ、決めてみるのもいいのかもしれません。強い意志をもつと、そこから人生が動きだします。私も芝居で生きていくと決めた後、紆余曲折を経て代表作といえる作と出合い、今があります。

私は12歳で既に身長が165cmあり、中学でのあだ名は「電信柱」。デビュー直後は「脚の長さ99cm」ともいわれましたが、そんなにありません(笑)。でもおかげで、脚は私の商売道具に。

とはいえ、日々のお手入れは乾燥しないようにクリームを念入りにつけ、足首を回したり、ふくらはぎをマッサージする程度なんです。ちょっとのことをこつこつ続けてきただけですが、美脚だと褒めていただけるのは、逆に必死で運動をしてこなかったことも影響しているかも(笑)。以前、舞台で30kg程ある衣装で動き回る公演を数か月続けた後、いつもマッサージをお願いしている方に「筋肉がついて脚の形が変わった」と言われショックを受け(笑)、以来、激しい運動は避け、軽いウォーキングを続けています。

振り返ると、人生の転機は美容とも密接につながっている気がします。そんなお話もこれから皆さんと共有できたらうれしいです。


「女優で生きる」と自分で決めたら、ぶれなくなりました

 

Beauty Tips

長年愛用しているストッキングがランバンの「シェルブール」色。薄いグレーが足を品良くキレイに見せてくれるんです。

Yuko’s Career History

age13 アイドル歌手デビュー

神戸から単身上京し、デビュー。当時のキャッチコピーは「ジャンプするカモシカ」。「脚の長さ99cm!?」と騒がれ、スタイルの良さが評判に。

age19 CMでセクシー路線に

歌手として伸び悩んでいた頃、カネボウ化粧品のCMで水着姿を披露。店頭ポスターが盗難に遭う程人気に。以降、セクシー路線で注目を集める。

age28 トレンディドラマの女王

浅野温子さんとのW主演ドラマ『抱きしめたい!』(’88年)で“W浅野”旋風を巻き起こし、ブレイク。そのスタイルはトレンドとなり、憧れの的に。

age35 実力派俳優へ

’95年の映画『藏』で、盲目の姪を育てる女性・佐穂を演じる。耐え忍ぶ繊細な演技が評価され、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。

age42 悪役で人気を博す

ドラマ『大奥』(2003年)に大奥総取締・瀧山役で出演。すごみのある演技で、以降の同シリーズの人気を支え、圧倒的な存在感を放つ。

age57 “最後の恋”で結婚

写真提供/本人

出会いは、知人宅の誕生パーティでの“ナンパ”。結婚から半年後、友人のサプライズでハワイで挙式。結婚後に始めた料理にハマっている。

Profile
浅野ゆう子
1960年兵庫県神戸市生まれ。’74年に歌手デビュー。’80年代はドラマ『抱きしめたい!』『ハートに火をつけて!』など多くのトレンディドラマに主演し、支持を集める。’95年の映画『藏』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。以降、ドラマ『大奥』シリーズや舞台『魔界転生』など幅広い作品で活躍。

 

『美的』2024年9月号掲載
撮影/中村和孝 ヘア&メイク/持丸あかね スタイリスト/井阪 恵( dynamic ) 構成/松田亜子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事