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2024.8.21

美容家・神崎 恵さんにとっての「センス」とは?|作家LiLy対談連載「生きるセンス Season.4」第1話

「年齢を重ねるって、どういうことですか?」 作家・LiLyさんが人生の先輩を訪ねて歩いた 人気連載『生きるセンス』がリニューアルスタート。 より楽しく、より自由に、より心地よく生きるべく、 人生のヒントをさらに深掘りしていきます。 第4回のゲストは、神崎 恵さん。年齢を重ねることの考え方に、LiLyさんは興味津々…。

第2話▶▶神崎 恵さんが語る「1歳サバを読むということ」
第3話▶▶神崎 恵さんが語る「自分の人生を正解にできる唯一のもの」
第4話▶▶神崎 恵さんが語る「私が美容を探求し続ける理由」
第5話▶▶神崎 恵さんが語る「人生を攻略するって楽しい」

 作家・LiLy × 今回のゲスト 神崎 恵さん

LiLyさん(以下、L) お会いできるのを楽しみにしていました! 周囲を見渡すと「40代でさらに花開いている女性」が多くて。私にとって、神崎さんもそのおひとりでした。

神崎 恵さん(以下、M) ありがとうございます。今までのキャリアをベースに、新しい花を咲かせている方、すごく多いと思います。

L そんな神崎さんは、40歳を迎えるとき、どんな思いでいたのですか? 不安やとまどいはなかった?

M それは全くなかったかな。というのも、私は早く年齢を重ねたいと考えるタイプなんです。30代のときは早く40代になりたかったし、40代の今は早く50代になりたい。だからね、12月生まれなんですけど、年が明けた1月1日から、もう次の年齢のつもりで生きているの。要は、1歳上にサバを読むんです。

L ええっ! どういうこと?

M 私はずっと大人の女性に憧れを抱いてきて、例えば島田順子さんのお姿を見て「カッコいい。早くああなりたい!」と思って生きてきました。あえて「価値」という言葉を使うならば、私にとって女性のそれは、「若さ」ではなく「成熟」。20代、30代…いろいろあるけれど、そこで積んだ人生経験を糧に、40代からようやく自分の人生がスタートする…そんなイメージなんです。

L ちょっと待ってください! 年齢を重ねることをおおらかに楽しむための美容方法を日々研究、実践しながら、年齢は1歳上を公言する、そのバランス感覚がすさまじい魅力を生んでいる…。「さすがのテクありッ!」と、今改めてファンに!

M あはは! LiLyさんは、小さな頃からお化粧をするような少女だったとか?

L はい。これは持論なのですが、もしかしたら精神年齢というのは生まれつくものなのではないか、と。子供の頃は大人っぽすぎて浮いていたんですけど、今は逆に実年齢よりも言動が幼い自覚があります(笑)。

M なるほどね!(笑)

L だから「子供」から「お姉さん」という立場になって、すごく生きやすくなりました。ただすぐに今度は「おばさん」という時期がやってきて…。

M 「お姉さん」が精神年齢と合っていたということですね。

L 後は今、寿命が延びて、40、50代の人々は昔と比べて格段に若い。この先まだまだ長い「おばさん期」に向けて、なんらかのマインドセットが必要だけど「おばさん」というタイトルについているイメージが今はまだまだ悪いんですよね。悪口みたいになっている(笑)。

M それはありますね。ちなみに私は「カッコいいおばあさん」をゴールに設定しているんです。あの域にたどり着くために、今はまだ精進している最中、という感じ。だってね、カッコいいおばあさんになるってすごく難しいんですよ!? 余裕が必要で。

L わ! 今、神崎さんの魅力の秘訣がひとつわかった! 難しいことに挑戦するのが好きなんだ! 目が輝いたもん。

M わ、そうです! 難しいことを攻略していくことが大好きですね。

L そこでお聞きしたいのが、「素敵なおばあさん」までの中途半端な時期、シミやシワが増えてボディラインがくずれていく…「おばさん期」の過ごし方です。最も難しくないですか?

M でも、自分をおばさんではないと思うからつらいのかも? 人間の年表上の単なる中年期にいると自覚すれば、少しは気がラクになりませんか?

L うん、確かに。私は20代のときから年上の女性を見て、憧れを抱きながらも「こうはならないぞメモ」というのを心の中でとっていたのですが、そのひとつが「35歳を過ぎたらお姉さんを自称しない」というもの。アラフィフの方が「ほら、お姉さんのところにおいで」って子供に話しかけていて、明らかに子供がとまどっている様子を見て、そう誓ったんです(笑)。ただ、一方で自分のことを「おばさん」と言いまくるのもまたちょっと…。

M やっぱりネガティブイメージがありますよね。

L 将来カッコいいおばあさんにはなりたいけど、エイジングには逆らいたい。そんな私たちはどうしたら?

M そこは「さじ加減」です。程よくブレーキを踏むことがすごく大切なんです。突っ走ってはダメ。今ブレーキを踏めていない人が増えているなと感じます。

L ということは?

M おばさんでもないけど、若くもない、生き物として不思議な姿になってしまうということ。私自身はもう少しスローエイジングな方が好み。だからこそアクセルは踏むけど、同時にブレーキを利かせることが重要になってくるんです。

L うーん、納得! でも相当高度な運転技術が必要な気が…。

M 大丈夫。しっかり分析して、一緒にカッコいいおばあさんを目指していきましょう。

L ついていきます。細かくコンサルしてほしい!(笑)

40代で大輪の花を咲かせる女性がいかに多いことか!――LiLy

年齢は1歳上に逆サバを読むくらいの感じで生きています――神崎恵さん

憧れのおばあさん像より理想的なおばさん像を見つける方が難しい!――LiLy

スローエイジングに大切なのは、過剰な美容へのブレーキ―――神崎恵さん

 

神崎 恵
美容家。神崎美容塾 塾長。『一生ものの基礎知識 美容の教科書』(講談社)ほか、著者累計発行部数は170万部を超える。自身初の料理本となる、最新刊『神崎恵のおうちごはん さぁ、なに食べる?』(扶桑社)が好評発売中。
Instagram:@megumi_kanzaki
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LiLy
作家。1981年生まれ。神奈川県出身。N.Y.、フロリダでの海外生活を経て上智大学卒。25歳でデビューして以来、女性心理と時代を鋭く描き出す作風に定評がある。著書多数。今年ベッド内美容ブランド「Bedin」をローンチ。
Instagram:@lilylilylilycom

次回は8月28日公開予定!
第2話「1歳サバを読むということ」
お楽しみに!

『美的GRAND』2024夏号掲載
イラスト/ekore 構成・文/本庄真穂

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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