神崎 恵さんが語る「1歳サバを読むということ」|作家LiLy対談連載「生きるセンス Season.4」第2話
「年齢を重ねるって、どういうことですか?」 作家・LiLyさんが人生の先輩を訪ねて歩いた 人気連載『生きるセンス』がリニューアルスタート。 より楽しく、より自由に、より心地よく生きるべく、 人生のヒントをさらに深掘りしていきます。 第4回のゲストは、神崎 恵さん。彼女が大切にするスローエイジングとは?
第1話▶▶神崎 恵さんにとっての「センス」とは?
第3話▶▶神崎 恵さんが語る「自分の人生を正解にできる唯一のもの」
第4話▶▶神崎 恵さんが語る「私が美容を探求し続ける理由」
第5話▶▶神崎 恵さんが語る「人生を攻略するって楽しい」
年齢美を目指すならアクセルとブレーキを使いこなしてこそ――神崎恵さん
LiLyさん(以下、L) 私、前回に神崎さんが語った、オリジナルの年齢メソッドが衝撃的で!
神崎 恵さん(以下、M) ふふふ。「12月生まれだけど、年が明けた1月1日からもう次の年齢のつもりで生きている。要は数か月上にサバを読んでいる」という考え方のことですよね。
L それに加えて、ビューティのプロとして、美容へのアクセルも踏むけど、同時に生き物として不思議な姿にならないようブレーキを利かせることも忘れない、というのも感動的でした。要は「スローエイジング」を徹底して実践しているんですよね。
M そうなんです。アクセルとブレーキってすごく大事なんですよ。
L 数か月上にサバを読みつつ、年齢相応の心地よい美しさを高いレベルでキープする。その賢さたるや、もう興奮が止まりません。ちなみに、「おいくつになりましたか?」「○歳です」というやりとりのあと、「ええ〜! 見えないですー!」とかって言われませんか?
M 確かに言われますね。でも最近は「え〜見えない〜」って言っていただくことに違和感を覚えるようになりました。嬉しい反面「いやいや、もう大丈夫です」って複雑な気持ちになるんです。
L ああ! わかります! 先日、ある会食があって、そこには30代前半の女性たちが多かったのですが、会の初めに「みなさん何歳ですか?」というお決まりの流れになって。「32です」「34です」からの「私は43です」って言ったら、そこで3秒の沈黙が訪れて…。
M ああ、罪なき3秒ですね…。
L あれ、なんだったんでしょう?(笑)
M みなさん一瞬考えたんでしょうね。「この人は『若い〜』って言われたいのか、いやスルーでいいのか。どっちが正解?」って(笑)。
たかが数字、されど数字だから年齢は面白い――LiLyさん
L あ〜! やっぱりその3秒ですよね〜! だからって「年齢の話はちょっと」なんて非公開にしたらもっとザワザワさせてしまうし…。
M うんうん。年齢にまつわることはいろいろ気を使いますよね。
L たかが数字、されど数字。だからこそ面白いなぁって思うんです。でも、神崎さんは年齢という数字を上手に操っている気がします。そこに何か考え方のコツがあるんですか?
M 若い世代、もしくは自分の若い頃と比べたりしない、というのは鉄則かもしれないですね。
L うわ! なるほど!
M たとえば、うっかり若い子のメイクと比べてみたり、昔の自分と比べてしまうことってあるじゃないですか。でもそれって意味がない。そもそも比べられるものでもないですよね。
L 確かに。ちょっとした自傷行為かも。
M 年齢重ねるといい意味で厚かましくなれる。若い世代や昔の自分とは比べる意味がないんです。
L となると、神崎さんが見ている方向というのは…。
M そう、過去より未来を見ているし、若さより成熟を求めているんですよね。これからどうやって年齢重ねていこうかな、そのためにはどの選択をつかんだらいいのかと、つねに考えています。
L 具体的にはどんなことをしているのですか?
M お手本にしたい60〜80代の先輩を眺めて、ここにシワを残すと柔らかい雰囲気になるのねとか、ヘアはこうやって結い上げるとニュアンスが出るのねとか、そういうことを勉強しています。
L お手本にしたい人はいますか?
M 前回もお伝えした島田順子さんですね。自然に生きてきた肌が魅力的だし、ピンヒールもスニーカーもどちらもお似合いになるし、シルバーヘアをまとめ上げているのも本当に素敵。確か「ポルシェにしか乗らないの」っておっしゃっていた気がします。
L くーっ! しびれますね。
M そう、彼女はとてもかっこいい。そこに惹かれるのです。
L 年齢重ねると、きれいとか美しいより、「かっこいい」が勝つのかもしれない。
M それは多分、「かっこいい」には見た目だけでなく、生き様が反映されるからなのかも。
L 神崎さんのその視点と視線、もっと聞かせてください!
美容家。神崎美容塾 塾長。『一生ものの基礎知識 美容の教科書』(講談社)ほか、著者累計発行部数は170万部を超える。自身初の料理本となる、最新刊『神崎恵のおうちごはん さぁ、なに食べる?』(扶桑社)が好評発売中。
Instagram:@megumi_kanzaki
Instagram:@lilylilylilycom
次回は9月4日公開予定!
第3話「自分の人生を正解にできる唯一のもの」
お楽しみに!
イラスト/ekore 構成・文/本庄真穂
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。