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2024.3.11

“Mattママ”桑田真紀「断る時は『正直ベースで直接対話』がうまくいく」【全方位「推し活」力の磨き方 vol.9】

夫は野球界のレジェンド・桑田真澄氏、次男は現在アーティストとして活躍中のMatt Rose氏。専業主婦から一念発起し、公私ともに支える桑田真紀さん。 根っからの「応援体質」の真紀さんが、彼らの才能をどうサポートしているのか。真紀さんの「応援力」は、夫、子供、義理両親といった身内だけでなく、上司・部下・同僚やママ友、すべての人間関係の参考になるはずです。

桑田真紀
東京都生まれ。航空会社CA、専業主婦を経て、現在は夫・桑田真澄(読売ジャイアンツ二軍監督)と次男・Matt Rose(アーティスト)のマネジメント会社を経営。趣味はゴルフ。著書に『あなたはあなたのままでいい 子どもの自己肯定感を育む桑田家の子育て』(講談社刊)がある
その場を取り繕うより正直に話すことが最終的にみんながハッピーになる秘訣 (1)

 

その場を取り繕うより正直に話すことが最終的にみんながハッピーになる秘訣(2)

「応援される力」を養うためにも対話は大事

マネジメント業務というのものは、所属するタレントだったりアーティストたちを時に売り込み、時に守る、いわばサポート役です。でも、サポート役ではあるものの、逆に「サポートされ上手」になることも大切だなと考えています。ひとりでできることには限りがあります。だからこそ、「応援上手」でありつつも、「応援され上手」でありたい。よいご縁や関係性はそうやって廻っているのではないかと思うのです。

専業主婦だった私が突如、夫と息子のマネジメントをすることになった時、本当に右も左もわからず、呆れられたこともありました。業界の常識も、業界特有の用語も全くわからず、冷や汗をかくこともしばしばでした。でも、そこで知ったふりをせず、その場で「申し訳ありません。そういうきまりだとは知らなかったのです。どうしたらいいでしょうか」、「〇〇とはどういう意味でしょうか。お恥ずかしながら初めて聞く言葉で……。よろしければご教示いただけないでしょうか?」と、謙虚に頭を下げて教えていただく姿勢でいると、皆さん、呆れたり驚いたりしながらもていねいに教えてくださったり、「しょうがないな~」と力になってくださいました。重要なのは「その場で」ということ。わからない、理解できていないのに、行きがかり上「はい」と返事をしてしまい、話がどんどん進んでしまって戻れないところまで来てしまった、ということはビジネスの場面であってはならないことです。その場で「わからない」と言えるのも、対面でお話ししているところのメリットだと考えます。

今、特に若い人に多いような気がしますが、何でもLINEのようなツールやメールで済ませることに慣れてしまい、それがあたりまえになってしまっていて、電話や対面など「声」や「会話」で状況や気持ちをお伝えすることが苦手な人がたくさんいると聞きます。企業の新入社員研修では「電話のとりかた、電話での受け答え」を、一からていねいに教えることが必要だとも。皆さんも職場の若い方々に接していて、そう感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。今は「家電(家の電話)」という存在がないに等しい時代ですから、電話に出て誰かに取り次ぐということは、今や社会に出てから学ぶことなのかもしれません。

若い人たちだけでなく、美的GRAND世代の私たちだって、「何となく電話より文字メッセージで……」ということが多くなり、気付けば無意識のうちに対話が少なくなっているのではないでしょうか。特に言いづらいことほどその傾向があるように思います。もちろん、LINEやメールが便利な時だって多々あります。時と場合によりますが、よほど文章で気持ちを表現することが上手な人は別として、そうでなければ言いづらいことほど電話や対面で話すほうがいいのではないかと思っています。そして、そのほうが、結果的にラクだという結論に至りました。

私自身の体験ですが、文字で考えていることを伝えるよりも、直接お目にかかってお話ししたり、電話で言葉を交わすほうが、イヤな思いをすることがなくて。こちらが誠意をもって正直に言っているかどうかというのも、対話のほうがきちんと伝わるし、先方からのお返事が来るまでにネガティブな憶測をすることもありません。先方はたまたま忙しくて返信できないだけなのに、「既読なのに返事が来ない」とモヤモヤすることもないし、「もしや迷惑メールに紛れてしまっているのでは?」などど余計なことを心配したり、「やっぱり気を悪くされただろうか」と悪いように解釈したり。返事をしてスッキリしたつもりが、結局引きずっている……ということも回避できますから。

たまに、女性同士でのおしゃべりで出てくる「とある食事会に誘われたけど、気乗りしないから行きたくないの」という憂鬱な気持ちの相談。これも、うやむやにせず、幹事さんに対話で。もし「メンバーに苦手な人がいるから」ということであれば、正直に幹事さんに「実は以前にこんなことがあって、少し苦手なんです」とお伝えしてみては? そうしたらもう次回から誘ってくることはないのではないでしょうか。「大人数でワイワイした雰囲気の場が苦手」だったら、これも率直に「大人数のお食事会だと話題が分散してしまうので、ちょっと残念な気がしてしまい、不得意なんです。せっかくご一緒するのであれば、みんなで同じ話題で楽しみたいので、4人までの会に誘ってもらえませんか?」とお話ししてみてはいかがでしょうか。

「ネガティブなことをポジティブに転換して言う技術」を身に着けることも、大切かもしれません。あくまで、「嘘」ではなく、「プラス思考」の発想と表現で。嘘も方便、という場合もあるかもしれませんが、だいたい最初に何となくごまかしたことが、後からどんどん修復ができなくなってしまうのは、想像がつきますよね。そして、気が重いことほどクイックレスポンスで。「あの件、返事していないわ」とか「あの人に何て言おう」といつまでも心にひかっかっていると、それもストレスですよね。そんな些細だけどずっと心の隅に引っかかるわだかまりを溜めるのは不健康です。

人によっては「うやむやにする」とか、「あえて言わない、伝えない」という美学もあるかもしれません。日本古来からの知恵と文化であり、奥ゆかしい感じがしますし、当たり障りない態度をとることで人様をむやみに傷つけないというやさしさからくるものなのかもしれません。でも、私はこう思います。

いつでも正直に、誠実に。伝え方に配慮する。笑顔を忘れずに。

常にこの3つを心がけていれば、いろいろな人間関係がうまく回り出すはずです。

桑田真紀【全方位「推し活」力の磨き方 】そのほかの記事はこちら

 

撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/広瀬あつこ 構成/三井三奈子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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