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2024.2.2

“Mattママ”桑田真紀「断る時は『正直ベースで直接対話』がうまくいく」【全方位「推し活」力の磨き方 vol.8】

夫は野球界のレジェンド・桑田真澄氏、次男は現在アーティストとして活躍中のMatt Rose氏。専業主婦から一念発起し、公私ともに支える桑田真紀さん。 根っからの「応援体質」の真紀さんが、彼らの才能をどうサポートしているのか。真紀さんの「応援力」は、夫、子供、義理両親といった身内だけでなく、上司・部下・同僚やママ友、すべての人間関係の参考になるはずです。

桑田真紀
東京都生まれ。航空会社CA、専業主婦を経て、現在は夫・桑田真澄(2024年より読売ジャイアンツ二軍監督)と次男・Matt Rose(アーティスト)のマネジメント会社を経営。趣味はゴルフ。著書に『あなたはあなたのままでいい 子どもの自己肯定感を育む桑田家の子育て』(講談社刊)がある

その場を取り繕うより正直に話すことが最終的にみんながハッピーになる秘訣

メールではなく電話や対面で正直に話すことを心がける

前回、他人にも自分にも「無理強いしない」ことをお話ししました。気が乗らないお誘いには「断る勇気」も大事だということも。

とはいえ、「どうやって断ったらいいの?」「感じ悪くならないように辞退したり、遠慮したりする方法がわからない」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

プライベートはもちろん、仕事でも「お断り」しないとならない場面は多々あります。夫やMattのマネジメント業務を始めたばかりの頃、オファーいただいた仕事の依頼が合わないと感じた時、どうやってお断りしたらいいものか本当に迷いました。「単にスケジュールが合いませんと言えばいいのよ」とアドバイスしてくれる知人もいました。確かにそういう場合の常套句は「スケジュールが合わない」ではあるのですが、その「言い訳」は使わないようにしています。

相手の気分を害さないように、そして今回はNGだったとしても、お互いに気持ちよく交渉を一旦終了できるようにするには、私は「正直に話す」ということを信条としています。

現在の私の仕事はMattのスケジュール管理業務が多くを占めるのですが、出演依頼の中には、今の彼にとってこの番組に出演することが本当にいいことなのか、このCMキャラクターになることが双方にとって相乗効果があることなのか、と悩むものも少なくありません。

オファーをいただく中には、どう考えても今の彼に合わない内容だったり、彼がその企業のイメージアップに貢献できるような商材ではないものがあります。もちろん、企画によっては、その意外性でインパクトを与えて、観る人に印象付ける狙いもあるのかもしれません。でも、「どう考えてもそうは思えない」という場合、私は正直に話すことにしています。

「これこれこのような理由で今の彼には合わないと思うので、クライアント様のご期待に沿えないのではないかと心配しています」「共演のお相手にとっても、Mattにとっても、双方のためにならないのでは?と危惧しています」と。そして最後には「そう思いませんか?」とアグリーメント(同意)を取るのです。

その際に私は「直接対話すること」が大事だと考えています。

メールだと、どうしても定型文のように杓子定規な返答になってしまったり、冷たい印象を与えてしまう場合もあります。
直接お話しすることで、柔らかにこちらの考えをお伝えし、そして「どう思われますか?」と相手に委ねるのです。
すると、先方も「え……確かに……そうですよね……」とおっしゃることが多い気がします。その企業の商品の好感度がアップするなら、知名度が上がるのなら……とも思うのですが、どうもそう思えない気がする企画の場合、正直にそうお伝えしてしまうのです。

もし、本当は別の理由があるのに「スケジュールが合わない」ということでうやむやに断ると、「じゃあ、この日はいかがですか?」とか「Mattさんの都合のいい日程に合わせます」となってしまうし、その場は切り抜けられたとしても、また同じような企画、同じようにミスマッチなキャスティングの依頼が舞い込んでしまう。

それってストレスだし、不毛だと思いませんか?

正直に理由を話してご理解いただくと、次第に味方になってくれるというか、次に持ってきていただく企画がよりお互いにとってよいものになっていくのです。「前回ああおっしゃっていたので、今回はこういう企画にしてみました」というように。結果的に次の仕事に繋がっている実感があります。

あたり障りないことでのらりくらりかわすのではなく、嘘なくはっきりとお伝えする。そして、それはメールではなく、「対話」で。
あくまで「正直ベース」で人と接することが鍵だと考えています。

折角のご縁なのですから、角は立てずに、しかも建設的な方向に進むように。
メールやLINEではなく、直接お話しすることを始めてみませんか?
正直に対話することで、人間関係が好転していく気がします。

もし、仕事上「言った言わない」のトラブルになりそうな場合は、その後に「先ほどはありがとうございます」と、確認のためのメールを入れておけばよいかもしれません。

こうやってお話しすると、芸能界やメディアの仕事に従事している私のような職種限定に聞こえるかもしれませんが、そうでもないんじゃないかなと思うのです。
こういう特殊な仕事ではなくても、一般企業での業務だって、友人付き合いだって、応用ができることではないでしょうか。

つづく

桑田真紀【全方位「推し活」力の磨き方 】そのほかの記事はこちら

 

撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/広瀬あつこ 構成/三井三奈子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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