生理中の入浴は避けたほうがいいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“生理にまつわるトラブル”について。PMSのイライラや落ち込みが日光と食事で緩和されるって…ウソ? ホント? 『生理で知っておくべきこと』の著者であり、生理やPMSの研究などを行っている一般社団法人ラブテリ代表理事の細川モモさんにお答えいただきます。
Q:生理中の入浴は避けたほうがいいってホント?
生理中の入浴は膣内に雑菌が入りやすいから控えたほうがいいと思っている人は多いのではないでしょうか。実際に生理のときはシャワーだけで済ませてしまうという話もよく聞きます。細川モモさんにさっそく、その真相をおうかがいしました。その答えは…?
A:ウソです!
「生理中にお風呂に入ると、膣炎を起こしやすいと考えている人がいますが、清潔なお湯ではこの心配はないといわれています。生理中に自宅のお風呂に入ることは問題ありません。昔の日本は脱衣所が外にあって寒かったり、衛生的でなかったりしたことから、生理中はシャワーがいいとされていたこともあったようです。現在でも、温泉や銭湯などの生理中の利用は雑菌の観点から推奨されていません」(細川モモ氏・以下「」内同)
お風呂に入ることで生理痛の緩和につながる
「むしろお風呂に入ることで、生理痛の緩和につながる傾向があるため、推奨されるべきことです。身体が冷えると、血のめぐりが悪くなりますよね。生理痛の原因はプロスタグランジンという物質。子宮内に溜まった血液を押し出そうとして子宮が収縮することで起こります。
ここで血液のめぐりが悪くなると、押し出す力が強くなり、痛みが増してしまう可能性があります。なので、温めて血液のめぐりを良くしておくことが緩和につながります。実際に、一般社団法人ラブテリが行った、生理痛に悩んでいる人と生理痛がない人の違いに入浴習慣がありました。入浴習慣がある人ほど痛みに悩まされていませんでした。
入浴にはリラックス効果があり、副交感神経が優位になることで筋肉がゆるみ、血流量が増えます。安眠はPMS症状を緩和したり鎮痛効果もあるセロトニンの合成に必須ですので、アロマを加えるなどしてよりリラックスできる環境をつくりましょう」
生理のときデリケートゾーンはどう洗えばいい?
「生理のときに限らずですが、デリケートゾーンは膣内まで洗わないようにすること。膣内には自浄作用があるため、中まで洗いすぎることで逆にトラブルの原因になります。反対に外陰部は丁寧に洗いましょう。
生理中は経血による不快感から、ついつい洗いすぎてしまう人が多いので注意してくださいね。ソープはアルカリ性のものではなく、デリケートゾーン専用の弱酸性ソープを使うようにしましょう」
おすすめの入浴剤は?
「生理痛がある人はマグネシウムを含む入浴剤をつかってお風呂に浸かるのがおすすめです。温泉成分でもあるマグネシウムは、子宮の収縮を緩めるため、早産予防の薬の成分でもあります。高い保湿力があることも女性に嬉しいポイント。ドラックストアに売っているニガリなどでも代用できます」
お風呂に入るのが億劫なら足湯で
「生理中にお風呂に入るのが億劫だという人は無理をせず、足湯を試してみてください。足湯ならわざわざお風呂場に行かずとも、部屋の中でできて手軽です。このときも、マグネシウムを含む入浴剤やニガリがおすすめです。足湯をすることで、むくみが解消したり、入眠しやすくする効果も期待されています」
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文/坂本アヤノ
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予防医療・栄養コンサルタント。一般社団法人ラブテリ代表理事。母子健康に注力し、妊娠前/妊娠中/産後の女性の健康支援を通じて、次世代の健康の底上げに取り組む。産婦人科医、精神科医や腸内細菌の専門家、管理栄養士などの医療系スタッフとともに活動。2016年に長女を出産し、2020年4月に次女を出産。著書に10万部超のシリーズ本『成功する子は食べ物が9割』(主婦の友社)、『生理で知っておくべきこと』(日経BP社)などがある。
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