体が冷えているとやせない? 便秘も冷えのせい? 女性の大敵「夏冷え」について詳しく知ろう!
暑いのに冷える、やっかいな「夏冷え」を克服するために、まずは「冷え」の基本をおさらい! 冷え習慣を根本からリセットしましょう!
Q.夏の冷えと冬の冷えはどう違うの?
A.夏の冷えは内臓冷えがメイン
「冷房が利いているのに薄着で、冷たいものをたくさん飲んで…。夏のそういった行為は、冬以上に内臓を冷やします。反対に冬は、手足は冷たいけれど、たくさん着込んで、温かいものをとるので、意外に内臓は冷えていないことが多いのです」(石原先生)
Q.自覚がなくても冷えていることはある?
A.体温が35℃台なら、確実に冷えています
「自分は冷えていないと思っていても、体温を測って35℃台だったらアウト! 冷えは進んでいますよ。平熱の定義は36.5~37.2℃ですが、内臓の冷えた夏冷えタイプには高いハードルかも。せめて36℃台に乗せられるように生活習慣から見直して!」(石原先生)
Q.ほかに、冷えているときのサインはある?
A.二の腕やひざに手を当ててみて、「ほっ」としたら、冷えています
「二の腕や首の後ろ、ひざに触れてみて、手の温かさを気持ちいいと感じたら、体は冷えています。座っているときに、ひざ上にバッグを乗せてみてほっとする場合も、冷えと闘っている状態です。ストールなどでくるむ工夫を!」(福田先生)
Q.汗かきで暑がりなのに、手足が冷えるのはなぜ?
A.血行が悪い証拠。末端まで熱が届いていないから
「血行が悪くなっていると、体の末端まで温かい血液が流れていかず、手足が冷えてしまいます。また、体の中心は熱くても、熱が手足に向かう途中で逃げることも。そのため、汗をかく程暑いのに、二の腕やひざから先はひんやり、といった現象が起こるのです」(福田先生)
Q.じゃあ、下半身が冷えているのに顔がほてるのも血行が悪いせい?
A.血液が上に集まった「冷えのぼせ」の状態です
「下半身が冷えて血管が縮こまっていると、血液が上半身に集まってきます。漢方ではこれを『昇症』と呼び、顔や頭がほてって熱い『冷えのぼせ』の症状です。実はこのとき、わきや口で体温を測ると37℃近くあることも。そのため『隠れ冷え症』のひとつともされています」(石原先生)
Q.体が冷えていると、やせないって本当?
A.YES!代謝が低下して、やせにくくなります
「体温が1℃低いと、基礎代謝量は約12%も低くなります。同じ量を食べたり飲んだりしても、体が冷えていると代謝が悪いため、とったエネルギーが体内にたまって太りやすいし、やせにくい。さらに、体内の水代謝も悪く、むくみやすくなります」(石原先生)
Q.便秘も冷えと関係あり?
A.冷えると腸の働きが悪くなって便秘に!
「腸は自律神経によって自動制御されているため、体が冷えると、その緊急事態を感知した脳が腸の動きを低下させます。それが便秘の要因に」(福田先生)。また、「水分のとりすぎで腸に水がたまると、それによっても腸の働きが鈍って便秘になります」(石原先生)
Q.夏に下痢をしやすいのも、冷えているから?
A.冷たいものをとりすぎると、胃腸のコンディションが低下します
「暑いからと冷たいものをとりすぎると、胃腸が冷えて血管が収縮し、消化機能が低下します。腸における水分代謝も悪くなるため、水分の多い液状の便を大量に排出することに。腸の冷えは、そういった下痢と便秘を繰り返す悪循環を招きがちです」(石原先生)
Q.夏はそうめんなど冷たい麺類に走りがち。それってやっぱり体を冷やす?
A.胃腸冷えの原因です。栄養の偏りも問題
「冷たいものを食べるのは、胃腸に保冷剤を入れるようなもの。当然、冷えの原因になりますよね。しかも、暑くて食欲がわかないから麺だけ、というのも問題。たんぱく質やビタミンが不足すると、体がうまく熱を作り出せず、冷えてしまいます」(福田先生)
Q.男性よりも女性の方が寒がりなのはなぜ?
A.熱を作る筋肉の量が少ないから
「体内で熱を作るエネルギーとなるのが筋肉。女性は男性よりも筋肉量が少ないので、その分、冷えやすくなります。また、女性にのみ訪れる毎月の生理によっても、血液や水分が体外に出る際に熱も一緒に逃げやすいため、冷えが促進されます」(石原先生)
教えてくれたのは…
健康科学アドバイザー・医学博士 福田千晶先生
イシハラクリニック 副院長 石原新菜先生
『美的』10月号掲載
イラスト/平松昭子、きくちりえ(Softdesign) 構成/村花杏子、つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。