ボディケア
2018.10.3

女医に訊く#31|外反母趾だけじゃない!女性の痛〜い足のトラブルって?

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足のトラブルは外反母趾だけではありません。外反母趾や足に合っていない靴がきっかけで、巻き爪やタコなど、さまざまなトラブルを引き起こすことがあるのです。足のトラブルとその対処法を、整形外科医の池澤裕子先生に教えていただきました。

爪を深く切りすぎると、巻き爪・陥入爪になる!?

「巻き爪」は爪の縁が横方向に丸くなり、内側に巻いた状態のことで、「陥入爪」は爪の縁の先端が周囲の皮膚組織に食い込む状態のことをいいます。
爪の端が皮膚に食い込んで、歩行時に痛みを伴うようになります。
また、その部分に細菌が入って化膿してしまうこともあります。

巻き爪・陥入爪の治療には、テーピングを用いるほか、手術で爪の端を切ることも。
巻き爪は巻いてしまった爪の甲にワイヤーを接着し、形状記憶合金がもつ真っ直ぐに戻ろうとする力を利用して爪を平らにしていきます。

「ワイヤーは爪が伸びてきたら切らなくてはならないので、1〜2か月に1回はメンテナンスが必要です。痛みが治まるまではしばらくかかりますし、ワイヤーを外してしばらくすると、また巻き爪になる方もいらっしゃいます」と池澤先生。

巻き爪・陥入爪の主な要因は、深爪や不適切な靴(とくに幅の狭い靴やハイヒール)にあります。
池澤先生によると、寝たきりの人や足に麻痺がある人などは、指の下から圧力がかからないため、爪が巻きやすくなるとのこと。
また、外反母趾の人も、親指が傾いて常に靴や人さし指に当たるため、巻き爪になることがあるのだそう。

巻き爪・陥入爪の予防法としては、深く切りすぎない、爪を切るときは白い部分を1mmほど残す、幅の狭い靴を履かない、つま先に1cmほどのゆとりを残す、ヒールの高い靴を履かない、外反母趾の人は早めに治療をする、ということが挙げられます。

タコ・ウオノメの予防には靴選びが重要です

タコやウオノメは、皮膚の一部が圧迫されたり、くり返し摩擦を受けることによって発症する疾患。
タコは足裏の骨の上などに広く層状に角層が厚くなりますが、ウオノメは骨の間や関節のくぼみなどに芯を巻き込むように皮膚の内側に向かって角層が増殖し、激しい痛みを伴うのが特徴です。

「症状が軽い場合は、保護パッドを貼ることで治療できますが、皮膚が固く痛みがある場合などは、医療機関で芯を削ってもらう必要があります」と池澤先生。

タコやウオノメができる原因のひとつに、外反母趾や足に合っていない靴にあります。
薄い靴底やヒールの高い靴でもタコはできやすくなります。
できるだけ自分の足に合った靴を選び、足に負担をかけないようにしましょう。

適切な治療と筋トレで捻挫グセを治しましょう

久しぶりにヒールを履いた日、ちょっとした段差でバランスを崩し、足首を捻挫してしまったことはありませんか?
捻挫を繰り返してしまう原因は、「初回の捻挫をしっかり治していなかったことにある」と池澤先生は言います。

「捻挫が良くなったと思っても、実は靭帯が弛んでいる場合があり、その部分を再び捻挫することがあります。とくに、関節がやわらかい方は要注意。小中学生の頃、体育の授業など何かしらで捻挫している方も多く、それが治って、大人になってハイヒールを履いたときにグキッとやってしまうのです」

捻挫をくり返さないためには、捻挫の治療をしっかりすることと、捻挫をしにくくなるように、足首の外側の筋肉を鍛えることが大切。
バランスボードやクッションなどを使い、不安定な環境でトレーニングをすることによって、日常生活でも捻挫しないように鍛えられます。

教えてくれたのは・・・

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整形外科専門医
池澤裕子先生
永寿総合病院 整形外科部長。日本整形外科学会専門医、日本足の外科学会評議員。東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室入局。至誠会第二病院足と靴の医療センター、慶應義塾大学整形外科助手を経て、2017年から現職。専門は足の外科
■永寿総合病院 http://www.eijuhp.com/

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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