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2017.9.19

『 僕のワンダフル・ライフ 』『 プラネタリウム 』『 ジュリーと恋と靴工場 』『 ナミヤ雑貨店の奇蹟 』 試写室便り 【 大高博幸さんの肌・心塾 Vol.413 】

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(C) 2017 Storyteller Distribution Co., LLC and Walden Media, LLC

僕の愛は不死身なのだ。

大好きな飼い主のイーサンに会いたい!
その一途な想いで、50 年間に 3 回も生まれ変わったベイリー。
ついにイーサンと再会したベイリーが
気付いた〝 使命 〟とは?

僕のワンダフル・ライフ
アメリカ/ 100 分
9.29 公開/配給:東宝東和
boku-wonderful.jp

【 STORY 】 ゴールデン・レトリバーの子犬 ベイリーの〝 最愛の人 〟は、自分の命を救ってくれた少年 イーサン。それ以来、1 匹と 1 人は 固い絆で結ばれていく。しかし、犬の寿命は人間より うんと短い。ついに、ベイリーが旅立つ日がきてしまう―― はずが、彼の愛は不死身だった! ベイリーはイーサンに会いたい一心で生まれ変わりを繰り返すが、そう簡単にはイーサンと遭遇できない。ようやく 3 度目で再会を果たしたベイリーは、自らに与えられた〝 重要な使命 〟に気付く。
もしも、かつて愛した犬が、自分にもう 1 度会うために生まれ変わってきてくれたなら―― 飼い主にとって、これほど感激する話があるだろうか。すべての愛犬家の夢を形にした〝 犬と人間の極上のラブストーリー 〟! ( 試写招待状より )

原作は、愛犬と飼い主との不思議な縁に感動した読者たちから 熱狂的な支持を集めている、W・ブルース・キャメロンのベストセラー小説。監督は、アカデミー賞®にノミネートされた『 マイライフ・アズ・ア・ドッグ 』、日本の実話「 ハチ公物語 」を リチャード・ギア主演で映画化した『 HACHI 約束の犬 』など、犬をテーマにした作品で知られる ラッセ・ハルストレム。

試写招待状を受け取った瞬間、大の犬好きの僕としては、イーサンがベイリーの命を救うところや、ベイリーが 3 回も生まれ変わって イーサンと めぐり会うシーンを想像し、それだけで涙が滲んでしまいました。さらに、めぐり会ったベイリーに、イーサンは 彼がベイリーだと分かるのか どうか、そして ベイリーが気付くという〝 重要な使命 〟って なんだろう? それが気になって気になって、仕方がありませんでした。But…、
実は、この映画、僕は未見です。家のエアコンが壊れ、試写に出向く予定だった日に新しいエアコンの設置作業が行われたコトや、試写会場の近くに居ながら 仕事の終了時間が大幅に延びたコト等で、4 回も観るチャンスを逃してしまったんです。
でも、この映画は きっと、僕と僕の愛犬 ジョンの物語。僕は 公開初日に 映画館へ観に行きます。
P.S. 知人から聞いた話によると、試写室では 号泣してしまう人 ( ジャーナリストの方々 ) が何人もいたとのコト。愛犬家の皆さんは、ぜひとも観てください。

 

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© Les Films Velvet – Les Films du Fleuve – France 3 Cinema – Kinology – Proximus – RTBF

野心家の姉と純粋な妹は、人の心を虜にするスピリチュアリスト。
彼女たちは、本当に見えているのか?
それとも…。

プラネタリウム
フランス、ベルギー/ 108 分/ PG 12
9.23 公開/配給:ファントム・フィルム
http://planetarium-movie.com/

【 STORY 】 1930 年代。アメリカ人スピリチュアリストのバーロウ姉妹は、ヨーロッパツアーのため パリへと向かう。美しく聡明な姉のローラは ショーを仕切る野心家で、純粋な妹のケイトは 自分の世界に閉じこもりがちな少女。ショーでは 死者を呼び寄せる降霊術を披露し、話題の美人姉妹として活躍していた。2 人の才能に魅せられた映画プロデューサーのコルベンは、世界初の心霊映画を撮影しようと 姉妹と契約する――。 ( プレス資料より。一部省略 )

ローラ役を『 ジャッキー 』( Vol.387 ) での好演が記憶に新しい ナタリー・ポートマン、ケイト役を ジョニー・デップと ヴァネッサ・パラディを両親に持つ リリー=ローズ・デップが演ずる マジカルな一編。
物語は、活躍した時代も場所も異なる実在の人物たち、19 世紀後半にスピリチュアリズムの先駆的存在となったアメリカのフォックス三姉妹と、1930 年代に詐欺師と呼ばれて失墜したフランスの映画製作者 ベルナール・ナタンをモデルとして、話を ひとつに合体させたモノ。監督は、フランスの ソフィア・コッポラと謳われている レベッカ・ズロトヴスキ。

以下は個人的な感想ですが、本作の第一の魅力は 物語の主旨や展開以上に、主役ふたりの初共演。映像は とても美しく、全篇にわたってアーティスティック。
僕が最も惹かれたのは、コルベン ( エマニュエル・サランジェ ) の跡をつけていたローラが、一軒の店に入った彼の出を待つ間に、タバコに火をつける夜の舗道の場面。その姿が 貴婦人風でいて街娼風でもあると感じながら観ていると、カメラを背にする形で通りかゝった ひとりの男が、一瞬 声を掛けそうになりながら 立ち去るというワンカットでした。

ズロトヴスキ監督は、特に そうする必然性があるとは思えない場面にも セクシュアルな雰囲気を盛るのが好きなようで、露骨な描写も 4 ~ 5 ヶ所にありました。おそらく 彼女は、猟奇的かつ破滅的な題材を扱うコトにも強いパッションを抱いているはずなので、たとえば ケネス・アンガー著「 ハリウッド・バビロン 」に記されているような話を映画化すると、非常に面白くなるのでは? と、真面目に考えたりもしてしまいました。

 

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© 2016 LOIN DERRIÈRE L’OURAL – FRANCE 3 CINÉMA – RHÔNE-ALPES CINÉMA

就職難のジュリーが流れ着いたのは、
近代化により 閉鎖寸前の高級靴工場。
職場で出会った彼との恋の行方は?
ジュリーの人生は いったいどうなる?

ジュリーと恋と靴工場
フランス/ 84 分
9.23 公開/配給:ロングライド
julie-kutsu.com

【 STORY 】 25 歳、職なし、金なし、彼氏なしのジュリーが やっと手にしたのは、ロマン市にある靴工場での仕事。しかし、そこは近代化の煽りを受けて 工場閉鎖の危機だった。ジュリーと靴職人たちは、〝 赤い靴 〟を武器に この危機を乗り超えようとする。 ( 試写招待状より )

ひと言で言って可愛らしい映画。ひたすら就活の日々を送っていた女の子 ( いつもノーメイクのせいか、19 歳ぐらいに見える ) が、やっと仮採用された靴工場で、女性職人たちのストライキに巻き込まれながら、若いトラック運転手と恋をするという物語。それを全篇にわたって、のどかなタッチで描いている点がユニークです。

多くの美的.com 読者に好まれた『 タイピスト! 』 ( Vol.168 ) と共通点を持つ映画ですが、本作は 喜怒哀楽の感情から ストライキ中のちょっとした乱闘までを 歌と踊りで表現するという独得のスタイルを採っていて、ミュージカルの舞台喜劇を観るような楽しさがあります ( But、『 シェルブールの雨傘 』のように、台詞が全て歌というワケではありません ) 。

ジュリー役の ポーリーヌ・エチエンヌと 運転手役の オリヴィエ・シャントローは、兄妹のような雰囲気をも漂わせているところがいゝ感じ。脇役では、ジュリーを仮採用し、それなりに面倒を見るベテラン社員のフランソワーズ ( クレマンティーヌ・イェルニク演ずる、いつもツマヨージをくわえている年配の女性 ) のキャラクターが印象的でした。

脚本・監督は、これまで短篇映画を手掛けてきたという、ポール・カロリと コスティア・テスチュのコンビ。「 靴と人生、選ぶのも決めるのも自分自身 」というメッセージが、サラリと伝わってくる点も良かったです。

 

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(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会

東野圭吾史上、最も泣ける感動作、
待望の映画化!

ナミヤ雑貨店の奇蹟
日本/ 129 分
9.23 公開/配給:KADOKAWA、松竹
namiya-movie.jp

【 STORY 】 一夜を明かすため、悪事を働いた敦也が 幼馴染みと一緒に忍び込んだ古い家。そこは かつて 店主・波矢雄治が 悩み相談を請け負っていた ナミヤ雑貨店だった。廃業したはずの店内に、突然 32 年前からの悩み相談の手紙が舞い込んでくる。時を越え、手紙のやり取りをはじめる敦也たち。次第に 雑貨店の秘密と相談者たちと 自分たちの共通点が明らかになり…。( 試写招待状より )

現代 ( 2012 年 ) の一夜のうちに、1980 年と 1988 年の時間が 行ったり来たりするという、独得な内容の一種の群像劇。原作は 人気作家・東野圭吾の大ベストセラー。主演は、強盗を働く三人組のリーダー格・敦也に Hey!Say JUMP の 山田涼介、ナミヤ雑貨店の店主・波矢雄治に西田敏行。監督は『 夏美のホタル 』( Vol.344 ) 等の廣木隆一。

映画らしくて かなり面白かったのは、忍び込んだナミヤ雑貨店から逃げ出した三人組が、走っても走っても 元の場所に戻ってしまうシークエンス。さびれた商店街が いつの間にか ’80 年代の姿になっていたり、彼らが見たコトもない路面電車が 突如 現われて、彼らの体を突き抜けるように進んで行ったりするのです。
その後、雄治と その息子 ( 萩原聖人 ) 、魚屋ミュージシャン ( 林遣都 ) と その父 ( 小林薫 ) + 後にカリスマ的アーティストとなるセリ ( 門脇麦 ) 、さらに 雄治の若かりし頃の恋人 ( 成海璃子 ) 、〝 迷える子犬 〟と名乗る相談者の晴美 ( 尾野真千子 ) らが登場します。

演出は、丁寧に粘って撮っているシーンと、それなりにラフに撮っているシーンとが混在している印象。数ヶ所で、台詞の呼吸・間や流れに しっくりしない部分があったコト等を含めて、僕は少々 引っかゝるモノを感じました。

登場人物として特に興味を惹いたのは、尾野真千子演ずる晴美です。 ’80 年の場面では 19 歳、’88 年の場面では 27 歳、’12 年の場面では 51 歳になって現われるワケですが、その全ての時代に 三人組が緻密に絡んでいて、彼女の人生に大きな影響を与えていたという構成が最も 充実していました。

 

 

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ビューティ エキスパート
大高 博幸
1948年生まれ。24歳の時、日本人として初めて、パリコレでメークを担当。『美的』本誌では創刊以来の連載「今月のおすすめ:大高博幸さんが選ぶベストバイ」を執筆。
■大高博幸さんの 肌・心塾
http://biteki.com/beauty-column/ootakahiroyuki

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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