手洗いや消毒をしすぎると悪い皮膚常在菌が増えるってホント? 専門家に真相を直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日々の生活で生まれる美容やライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は皮膚に生息する「皮膚常在菌」について。皮膚常在菌を生かして美肌へ導く、肌育成スペシャリストの川上愛子さんに、美肌と皮膚の常在菌の関係についてお話を伺いました。
Q:手洗いや消毒をしすぎると悪い皮膚常在菌が増えるってホント?
帰宅時の30秒間手洗いに加え、外出先のあちこちでも消毒が欠かせなくなって、なんだかやたらと手が荒れる……なんて声が聞こえてきます。しかも、“皮膚の常在菌”にも影響があり、手洗いや消毒をしすぎると悪玉の常在菌が増えるというウワサも…。本当なんでしょうか。そこで、皮膚常在菌の知識を取り入れて、自分の生み出す分泌物で光り輝く美肌へ導く“洗わない美容”を推奨する、川上愛子さんに疑問を投げかけてみました。果たして川上さんのお答えは…?
A:ホント
「人間の皮膚には、多くの菌が生息しています。主に常在している菌は3種類です。それが、善玉菌の“表皮ブドウ球菌”、日和見菌の“アクネ菌”、悪玉菌の“黄色ブドウ球菌”というもの。健康的な肌は、表皮ブドウ球菌とアクネ菌が5割弱、残りの1割弱が黄色ブドウ球菌というバランスで、酸を含んだ皮脂のベールで弱酸性の状態を保っています。ところが、手洗いと消毒をしすぎると、そのバランスが崩れて悪玉菌の黄色ブドウ球菌を増やすことに繋がる場合が。これからその仕組みを詳しくお話しします」川上愛子さん・以下「」内同)
黄色ブドウ球菌が手荒れの要因に
「今のご時世、感染予防で手洗いや消毒は避けて通れません。その上で知っていただきたいのが、保湿の重要性です。手洗いや消毒を1日に何度も行ったり、しすぎてしまったりすると、健康な肌を保つ弱酸性ベールがはがれてしまい、アルカリ性に傾きやすくなります。アルカリ性の環境は悪玉菌の黄色ブドウ球菌がもっとも好む環境。繁殖して潤いを奪い、肌荒れを起こす原因になることもあるんです。
さらに、黄色ブドウ球菌が手に付いて食べ物に付着し、それを食べると食中毒の原因にも…。せっかく手を清潔にしていると思ったら、逆にトラブルを引き起こすなんて、なんだか残念すぎますよね。やりすぎは逆に感染しやすい状況を作ってしまうということも知っておきましょう」
おすすめの手の保湿方法
「正しい方法で手洗いや消毒をしたら、ハンドクリームやハンドミルクなどで、しっかりと保湿してください。ハンドクリームは使用感や香りで選んでよいと思います。寝る前に塗るという人も多いと思いますが、手を洗ったら毎回、すぐに塗るように心掛けましょう。手を濡らすと肌の水分が失われやすくなるので、こまめに何度でも塗るのがポイントです」
おすすめハンドクリーム
●出かける前に塗るなら
「ハンドミルクやクリーム、フェイス用の乳液などでもOKですが、この季節はUVカット効果があるものがおすすめ。中でも日傘やカバンを持つ手がベタベタしないように、塗るつきの少ないジェルタイプを」
石澤研究所 紫外線予報 UVさらさらジェル SPF30・PA+++ 250g ¥1,600
●仕事中に塗るなら
「べたつきがないものがよいでしょう。業務中にもつけることを考えると、ほかの人の集中力をさまたげないよう、つけたときの香りが強くないものがおすすめです。たとえば”スマホに指紋が付かないハンドクリーム”として一躍有名になった、モンモリロナイトのクリームなら、仕事中にもストレスフリーで使えるはず。モンモリロナイトという特殊な構造をした泥にはうるおい成分も。サラサラな使用感でありながら、保湿力はしっかり!」
KURUMU モンモリロナイトと果実と花のハンドクリーム 70g ¥1,400
眠る前に塗るなら
「眠る前などは、しっかり手を保湿をしておきたいもの。濃厚なものも選択肢にはいるでしょう。おすすめはコメ発酵液のハンドクリーム。コメ発酵液やコメ胚芽油がもっちりとしたツヤ肌をかなえます」
上善如水 ハンドトリートメント オリジナル 40g ¥1,000
肌育成スペシャリスト
文/むらなかさちこ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。