【マグノリグナン】他の美白有効成分とは違うメカニズムで、メラニン生成を抑えます
コンテンツ提供:日本化粧品検定協会
概要
成分名 | マグノリグナン |
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成分の働き | チロシナーゼ成熟阻害 |
医薬部外品としての効能効果 | 美白 |
表示名称 | 【医薬部外品】5,5′-ジプロピル-ビフェニル-2,2′-ジオール |
主な配合アイテム | 【医薬部外品】スキンケア |
由来・歴史
主な原料の由来
合成
歴史
カネボウ化粧品が開発し、2005年に医薬部外品の美白成分として承認されました。
その他成分情報
マグノリグナンは、和漢植物のモクレン科ホオノキの樹皮である「厚朴(コウボク)」に含まれるポリフェノールの一種から開発された成分です。p-プロピルフェノールが2つつながった構造で、ハイドロキノンやアルブチン、ルシノールなどと同じフェノールという化学構造をもっています。
効能効果・はたらき
「化粧品」に配合したときの働き
- チロシナーゼ成熟阻害
皮膚が紫外線を浴びるとメラノサイトが活性化されてメラニンの合成が促進されます。メラノサイトにあるメラノソーム内で成熟したチロシナーゼがアミノ酸の一種であるチロシンに働きかけることでドーパに変換され、さらにドーパキノンへと変換されます。その後、ドーパキノンは自動的に酸化され、反応が進んでメラニンができます。過剰につくられるようになったメラニンが周辺の表皮細胞に送り込まれ、シミの原因になります。
マグノリグナンはチロシナーゼが成熟するのを抑えることでメラノソーム内の成熟したチロシナーゼの量を減らします。このチロシナーゼの成熟を阻害する作用(未成熟のチロシナーゼにする)により、マグノリグナンは美白有効成分として医薬部外品への配合が承認されました。ビタミンC誘導体やアルブチンなど多くの美白有効成分がもつチロシナーゼ自体の活性化を抑える作用とは異なるメカニズムで、メラニンの生成を抑えて、シミ・ソバカスを防ぎます。
「医薬品」としての効能効果
医薬品としては配合されていません。
「食品、サプリメント」に配合したときの働き
食品・サプリメントとしては利用されていません。
注意点
特にありません。
豆知識
日本化粧品検定協会代表理事:小西 さやか
「マグノリグナンはカネボウ化粧品が開発した有効成分なので、現時点(2022年7月)ではカネボウ以外では配合されていません」
小西さやかさんの記事一覧
<引用元>
フレグランスジャーナル, 36(9), 33-36 (2008)
宇山侊男他, 化粧品成分ガイド 第7版, フレグランスジャーナル社, 2020, p.159
鈴木一成, 化粧品成分用語事典2008, 中央書院, 2008, p.315
株式会社カネボウ化粧品 リリース, 2013年1月11日
富士フィルム和光純薬株式会社 Webサイト (分析)
化粧品成分ジャーナル Webサイト (化粧品成分オンライン)
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