お悩み別ケア
2022.10.18

【イオウ解説】角層剥離、溶解、殺菌の働きがあります

コンテンツ提供:日本化粧品検定協会

概要

成分名 イオウ
成分の働き 角層剥離、溶解、殺菌
医薬部外品としての効能効果 ニキビ予防
表示名称 【化粧品】イオウ【医薬部外品】イオウ
主な配合アイテム 【化粧品】【医薬部外品】スキンケア

由来・歴史

主な原料の由来

石油

歴史

皮膚の表面に接触すると角層のタンパク質と反応して硫化水素などに変化し、還元漂白作用があります。そのことから、古くから美白剤としてクリームや洗顔に使われていました。

今では、ニキビの治療や予防の目的で、医薬品や医薬部外品の有効成分として使用されています。

その他の成分情報

イオウは無機物に分類される化学物質です。日本には活火山が多く、火口付近で豊富に採取できたことから、その歴史は古く、着火燃料剤などに用いられる中、皮膚軟膏の原料としても親しまれてきました。

ニキビの局所治療薬として、1~10%の濃度で広く使われてきました。元々は独特なにおいがあり、イオウの成分が結晶化した入浴料(雑貨)「湯の花」は、温泉地でのお土産としておなじみです。

効能効果・はたらき

「化粧品」に配合したときの働き

  • 角層剥離・溶解
  • 殺菌

ニキビの原因は、角化異常により毛穴の出口付近が狭くなることに加え、過剰な皮脂分泌により毛包内に皮脂がたまり、その皮脂をエサにして増殖するアクネ菌が炎症を起こしてしまうことにあります。

角層剥離・溶解
皮膚表面のタンパク質と反応して、皮膚の角化に関係するタンパク表面の構造を変化させることで角質を軟化させ、はがれにくくなった古い角層細胞を取り除きます。毛穴の詰まりを開いて中にたまった皮脂を排出する効果により、ニキビを防ぐ効果が期待されます。

殺菌
イオウは皮膚表面で徐々に硫化水素などに変化して殺菌作用をもつようになります。この殺菌作用により、毛包内のアクネ菌を減少させ、ニキビを防ぐ効果が期待されます。

*ニキビ予防の医薬部外品の有効成分として、化粧水0.2~1%、クリーム0.06~2.8%、パック2~3%配合されます。

「医薬品」としての効能効果

疥癬や白癬など、寄生虫性皮膚疾患に使用されます。また、イオウ・カンフルローションとしてニキビ治療にも使用されます。

「食品、サプリメント」に配合したときの働き

食品・サプリメントとしては利用されていません。

注意点

配合している製品が銀製の指輪などについてしまうと、黒く変色してしまう可能性があるので、使用の際には装飾品に付着しないように注意が必要です。

ワンポイントアドバイス

日本化粧品検定協会代表理事:小西 さやか

「過剰な皮脂を吸着する働きもあるため、思春期の皮脂分泌の過剰なニキビに対して特に効果的です。ニキビ・肌あれを整える、「イオウ配合洗顔」の元祖といえば、「ロゼット洗顔パスタ」。1929年の発売以来、リニューアルを繰り返し、90年以上親しまれてきた超ロングセラー商品です」

小西さやかさんの記事一覧

 

<引用元>
久光一誠, 化粧品成分事典, 池田書店, 2021, p.133,150-151
宇山侊男他, 化粧品成分ガイド 第7版, フレグランスジャーナル社, 2020, p.93,160
日光ケミカルズ株式会社他, 新化粧品ハンドブック, 2006, p.533
小西さやか, 知れば知るほどキレイになれる!美容成分キャラ図鑑, 西東社, 2019, p.130-131
ケアネット, (医療用医薬品検索, イオウ)
ロゼット株式会社, Webサイト (History ロゼット洗顔パスタの歴史)
小堺製薬, 日局イオウ, 添付文書

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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