世界初! 老化細胞を除く新メカニズム! SHISEIDOの新アルティミューンに注目|ヒットのヒント File.01

新連載スタート! 話題の“美”アイテムから、キレイの今を読み解きます。プロフェッショナルに直撃!
File.01|SHISEIDO アルティミューン™ パワライジング セラム
常識を覆し、老化細胞を除く新メカニズムを明らかに!
世界90か国で展開する『SHISEIDO』の象徴であるアルティミューンは、2014年の誕生以来、5代にわたる進化を遂げ、今や17秒に1本売れる世界的なヒットを巻き起こし、269ものビューティアワードを獲得した美容液です。
その中で、先日発売された5代目アルティミューンが、ヒトのエイジングの概念を大きく変える美容液として注目されています。この5代目の進化に大きく貢献した研究者が、資生堂 みらい開発研究所の長谷川達也さん。元々の研究テーマは肌老化でしたが、海外の資生堂との共同研究機関への留学を機に、先輩研究者から免疫研究のバトンも引き継ぎます。
「資生堂は30年を超す免疫研究の歴史がありますが、この免疫に着想を得て、肌老化がつながったらと挑戦しました」と話す、長谷川さん。
免疫をつかさどるランゲルハンス細胞の鎮静機能にインスパイアされてスタートした初代から4代目まで、歴代のアルティミューンが着目してきた美肌免疫研究。そこに5代目のアルティミューンに応用した世界初の知見が、免疫細胞の一種メモリーT細胞の新たなるメカニズムです。
「本来メモリーT細胞は体の中に侵入した異物を見分けて記憶し、排除するために働くほかの免疫細胞の、いわば後方支援部隊として知られていました。ところが今回、メモリーT細胞そのものが、記憶した老化細胞だけを除去するという想定外のデータが得られたのです。これまで肌のエイジングを引き起こす老化細胞は加齢によって蓄積すると考えられていましたが、加齢と老化細胞の数との相関関係はありませんでした。一方、メモリーT細胞の数が多いと老化細胞の数が少ないことが判明したのです」
このデータを基にメモリーT細胞が、老化細胞内のウイルス抗原を目印に老化細胞を取り除くよう働くことも解明。論文は、世界3大学術誌『cell』に掲載され、ほかの科学誌でも「クレオパトラの永遠の若さの秘訣はメモリーT細胞だった?」などと、大きな反響を呼びました。この免疫細胞の働きを助けるのが、資生堂が長年大切にしてきた素材ツバキを使って独自開発したツバキ種子発酵抽出液です。まさに基礎研究との奇跡的な融合です。
17秒に1本売れている美容液が革新的技術を搭載し、進化!
ツバキ油の副産物を黄麹で発酵させることで14種ものアミノ酸を含む美容成分としてアップサイクルした発酵カメリアエキスを新配合。保湿バリアを強化し、再生力を活性化。潤いが満ちる美肌に導く。香りはよりエモーショナルに。
SHISEIDO アルティミューン™ パワライジング セラム 50ml ¥15,180
SHISEIDO アシスタントブランドマネージャー
唐川舞奈さん
Tatsuya Hasegawa,Tomonori Oka,Heehwa G.Son,Valeria S.OliverGarcia,Marjan Azin,Thomas M.Eisenhaure,David J.Lieb,Nir Hacohen,and Shadmehr Demehri「Cytotoxic CD4+ T cells eliminate senescent cells by targeting cytomegalovirus antigen」『Cell』186,1417-1431,March 30,2023 Elsevier Inc.
資生堂 ブランド価値開発研究所
鳴海裕子さん
皮膚の老化は加齢ではなく、メモリーT細胞の数がカギ
老化細胞の数はメモリーT細胞の数に左右されると判明。実際、100歳を超えても元気な百長寿者はメモリーT細胞が多いという論文も。
『美的』2025年5月号掲載
撮影/吉田健一 イラスト/吉岡香織 構成/金子由佳、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
「ヒトの免疫細胞が老化細胞を除去することを世界で初めて発見しました」