発売5日で1万個突破! 日本初シワ改善美容液 『ポーラ リンクルショット メディカル セラム』|ヒットのヒント File.03

話題の“美”アイテムから、キレイの今を読み解きます。プロフェッショナルに直撃! 今回は『ポーラ リンクルショット メディカル セラム』を深掘り!
File 03 ポーラ リンクルショット メディカル セラム デュオ
シワ有効成分をみずみずしく届けるため、手元で2剤を混ぜる処方にたどり着きました
異業種に着想を得て2剤のテクスチャーを開発
その男性研究者が登壇し、この8年、ただひたすらにこの美容液を半顔だけに塗り続けてきたと打ち明けた際、発表会会場には声にならないどよめきが起こりました。あまりにも左右非対称な法令線。レーザーやフィラー注入など美容医療に頼らない、待ち望まれてきた、シワを消すコスメ。その答え合わせがまさにそこにあったのです。2017年、日本初のシワ改善美容液『リンクルショット メディカル セラム』はこうして、華々しく登場しました。
そのときから、全顔用のシワ改善美容液の開発が急務に。というのも、シワの一因となる酵素、好中球エラスターゼが顔全体に存在していると、開発過程でわかったからです。
ところが、ポーラ独自のシワ改善有効成分ニールワンは水に溶かすと分解してしまうため、全顔になじみやすくみずみずしいテクスチャーの開発は困難を極めました。
「試行錯誤の末、たどり着いたのが2剤を混ぜるという発想で、食品など異業種の工場を視察したことが役立ちました」とポーラ リンクルショット プロダクトリーダーの田中美帆さん。
とはいえ、医薬部外品として承認を得るには、規定量を手元で均一に混ぜるという設計にする必要があります。
「解決のカギとなったのは、粘度です。例えばヨーグルトにジャムやはちみつなど近い粘度のものだと混ざりやすいことをヒントに、あらゆる組み合わせを試しました。さらに2剤を均一に混ぜるボトルの最適化にも材質やデザインを数十パターン以上試作。テクスチャーとボトルのベストマッチにようやくたどり着きました」
延べ100人以上の研究者や開発チームが知恵を絞り、大きな壁を乗り越えて誕生した『リンクルショット メディカル セラム デュオ』は、完成までに8年もの歳月を要しました。そのかいあって、百貨店では発売前から予約が殺到、発売日が元日であるにもかかわらず5日で1万個以上を販売する大ヒットに。
その後も百貨店の販売担当者からは「一度使ったら手放せないとリピートされる方が後を絶ちません」と、サロンからは「美容液をつけるとさらに肌の調子が上がると、お客様から好評です」などと反響が大きく、販売分布曲線はいまだ“落ち知らず”です。
日本初のシワ改善美容液が全顔用に進化。発売5日で1万個突破
2剤を自分で混合して使うシワ改善の先行美容液。有効成分ニールワンと共にシワへアプローチする成分ニーレナジーや、後に使うアイテムをなじみやすくするモイストキャッチャーを配合。
ポーラ リンクルショット メディカル セラム デュオ [医薬部外品]2セット(A剤1.5ml×2、B剤13.5ml×2)¥19,800
シワの一因「好中球エラスターゼ」は全顔に存在
好中球エラスターゼとは、紫外線や表情圧の影響を受けるとコラーゲンやエラスチンなどを分解してシワを作る一因となる酵素。紫外線が当たりにくい臀部にはほとんどないが、紫外線が当たりやすい顔はシワが目立つ額だけでなく、頬にも存在することが判明。

ポーラ化成研究員
檜谷 季宏さん
『美的』2025年7月号掲載
撮影/吉田健一 イラスト/吉岡香織 構成/青山貴子、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。