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スキンケアニュース
2024.2.6

40代の肌が大きく変化する、その理由とは?|美的GRAND

「美肌菌」と「ヒアルロン酸」育成ケア!

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くすみやシワ、くま、たるみ、しぼみ…本格的に変化する肌に2つの解決策!

美容専門医に取材「40代の肌が大きく変化する、その理由とは?」

銀座ケイスキンクリニック 院長

慶田朋子先生

アンジークリニック 院長

名倉直彌 先生

肌そのものだけでなく奥の土台も変化するから

鏡を見て「年をとったかも…」。早い人は40代前半、遅くても40代半ばを過ぎると、そんな声が漏れてしまう顔の変化が、誰にでも訪れます。それは、20代後半や30代の頃の「肌にハリがなくなった」などとはレベルが違う、本格的なエイジング。グラン世代の肌には、何が起こっているのでしょうか?今の肌を本気でキレイにしたいと思ったら、やみくもにお手入れをするより前に、その現象の正体を知ることが大切。美容専門医のふたりにお話を伺いました。

「40代半ばから後半以降は、女性ホルモンによる魔法が解けた状態です」と語るのは、銀座ケイスキンクリニックの慶田朋子先生。「閉経に近づくにつれ、卵巣で分泌されるエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの量が減り始め、それによって肌の水分量が低下したり、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生力が低下します。抗酸化力も衰え、老化が加速しやすくなります」(慶田先生)

さらに、知っておくべきがこの先。慶田先生と、アンジークリニックの名倉直彌先生は口をそろえて「肌の奥の、土台にも変化が生じます」とコメント。「加齢によって骨こつ粗そ鬆しょう症しょうになったり筋肉が減ったりするのと同じように、顔の皮下脂肪や筋肉、骨といったすべての組織にも萎縮などの変化が起こります。土台がくずれるから、決定的な肌の見た目の変化が起こるのです」(名倉先生)

40代以降、肌を支えるあらゆる要素が減っていく!

 2024.2.2 40代の冬肌が14日で見違えるのは「美肌菌」と「ヒアルロン酸」育成ケア!

肌の見た目を決める、顔の構造はこうなっている

肌断面図

スキンケア特集などでよく見る肌の断面図の多くは、表皮(最表面)と真皮(その奥)のみ。でも、皮膚の見た目を左右する要素として、その下でクッションの役割をする皮下脂肪も重要。さらにその下には筋肉や骨があり、土台となって肌のハリを支えている。

 

年代別イメージ

右の若い女性が加齢したイメージを、デジタルで作成。骨や皮下脂肪がやせることで頰の位置が下がり、目周りがくぼみ、口角は下がってなだれのように輪郭のたるみが発生。

40代で変化していく肌の構造

1.真皮の線維

真皮のコラーゲンやエラスチンなどの線維が劣化し、ハリが低下
「肌の真皮に存在する、コラーゲンやエラスチンといった真皮内線維は光老化の影響をダイレクトに受けます。さらにホルモンバランスの変化によって肌の抗酸化力や再生力が衰えると、量も質も低下します」(慶田先生)

2.皮下脂肪

やせ過ぎるとしぼみ、太るとフェースラインがたるむ
「皮膚の奥で厚みを支えるクッションとなるのが脂肪。加齢により減りやすいので脂肪がある程度あった方が若々しく見えますが、40代以降で太るとあご下に脂肪がついたりも。やせすぎも太りすぎも起きないよう、コントロールすることが大切」(名倉先生)

3.筋肉

無表情がたるみを、険しい表情がシワを作り出す
「顔の筋肉はすべて皮膚にくっついています。適度に動かすことが理想ですが、表情のクセやストレスなどで部分的に使いすぎるとシワができ、使わないとやせてたるみます。表情豊かに暮らすことの方がエイジングケアに有効です」(名倉先生)

4.筋腱膜・靭帯

組織をつなぐ接着剤。劣化するとたるみの原因となる
「SMASとも呼ばれる顔の筋腱膜は、脂肪と筋肉の間にある薄く広がる膜。靭帯は骨から皮膚まで縦に貫く真性靭帯と、SMASと皮膚をつなぐ偽性靭帯の2種。どちらも、加齢や紫外線などで劣化するとたるみの原因に」(慶田先生)

5.骨

顔の土台。萎縮するとたるみや落ち込みの原因に
「加齢によって顔の骨も萎縮します。それが目立つのが、額やこめかみ、あご、目周り。土台が減るのでボリュームがダウンし、凹凸が発生します。カルシウムやビタミンを摂り、骨の萎縮を防ぎましょう」(慶田先生)

スキンケアで結果が出やすいのはこのふたつ!

6.皮膚常在菌

肌のエイジングと共に肌を守る「美肌菌」も減る
「肌には300種以上もの皮膚常在菌が棲んでいます。このうち肌に良い働きをする菌のことを『美肌菌』と呼びますが、加齢と共にその量は減り、バリア機能低下などトラブルの一因に」(慶田先生)。美肌菌は肌表面に多く棲むため、スキンケアでアプローチしやすい要素。

7.ヒアルロン酸

細胞間を埋める物質。加齢により減り、肌が薄く
「表皮にも真皮にも存在し、細胞と細胞の隙間に存在する役割をしているヒアルロン酸。加齢によってその産生量が減ると、肌の厚みが減ります」(慶田先生)。ヒアルロン酸は3日で代謝するといわれ、スキンケアで改善しやすい要素。

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化粧品が得意なのは表皮を変えるアプローチ

「肌は建造物と同じように、骨や筋肉、皮下脂肪といった土台の上に乗っているものです。年齢と共に骨や脂肪がやせることで肌のボリュームが減り、表情によって筋肉が固く拘こう縮しゅくすることでシワや下垂が悪化していきます。化粧品はもっと肌の表層にアプローチするものなので、スキンケアはまずここを理解して行うことが大切です」(慶田先生)

つまり、土台のくずれをなんとかしようと化粧品に過度な期待をかけても、うまく行かないのは当たり前。ライフスタイルを見直して肌の土台を整えつつ、手っとり早くお手入れの効果を得たいと思ったら、狙うべきは化粧品が届きやすい肌表層部にある皮膚常在菌の「美肌菌」と、表皮の細胞間を埋める「ヒアルロン酸」です。どちらも入れ替わりが速く、かつ肌と密に情報交換をしていて与える影響も大。乾燥した冬肌にふっくら潤いと透明感を与え、ものの2週間で見違えらせることも、土台から良い肌をじっくり育てることも可能なのです。

『美的GRAND』2024冬号掲載
撮影/彦坂栄治(まきうらオフィス) ヘア&メイク/田中康世(NOUS) スタイリスト/角田かおる モデル/今井りか デジタルワーク(女性イメージ)/金澤佐紀 イラスト(肌図)/きくちりえ 構成/大塚真里

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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