美容家・石井美保さんが分析! 最旬肌をひもとく5つのキーワードはこれ!
「マスクにつかない」「肌に優しい」はもう当たり前。今春は、肌そのものを美しくクラスアップさせる新基軸のアイテムが豊作です。べースメイクを新作へと買い換える絶好機は、今!
石井美保が分析|今春べースメイクの旬をひもとくキーワード5
\一足お先に、全部お試ししました♪/
キーワード1. 精密肌を「作り込む」のがトレンド
マスク生活3年目、肌作りに情熱が戻ってきた!
――マスク生活3年目の春。久々に、べースメイクに勢いが戻ってきましたね。
美保さん どうせマスクで隠れるからとBBやクッションひとつですませてきた人も、そろそろ肌に手をかけたくなってきた頃合いなのでは? 今春の傾向を一言で表すなら「きちんと肌を作り込む」アイテムが充実しています。
――というと?
美保さん 新発売のアイテムをずらりと並べてみると、下地だとかコンシーラー、パウダーなど「ファンデーション以外」の比率がとても高いんです。しかも、ひとつのアイテムが何色展開にもなっていて…こんなにバリエーション豊かなシーズン、いまだかつてなかったのでは? と思うくらい。
キーワード2. 下地はトーンUPからカラー補正の時代へ
まずいちばんの「買い」はカラー下地です
\カラー下地が充実!/
――確かに。アディクションの下地「スキンプロテクター カラー コントロール」が全4色展開、ボビイ ブラウンのコンシーラー「インテンシブ セラム コンシーラー」が全10色。美保さんも、3色展開のイプサ「コントロールべイスe」のイエローを既にヘビーユースしていますね。
美保さん これ、いいんですよ。肌に足りない光を仕込む、という下地なんですけれど。
――色じゃなくて光を仕込むんですか?
美保さん ブルー、イエロー、ピンク。肌色って大抵、この3色のどれかに傾いているもの。だから、足りない色を“光”によってさりげなく足すと、ナチュラルに肌色補正ができるんですよ。
――なるほど~。美保さんがイエローを愛用しているというのもかなり意外で。ピンクを選びそうなイメージだから。
美保さん ですよね。今までだったら絶対ピンクの下地を選んでいたと思う。でも、元々の素肌でもうピンクは足りていたんです。3色つけ比べて、実は私の肌に足りないのはイエローで、補うと肌の透明感が増すことに気づいたんです。例えるなら、最新下地はレべルの高い画像修正ソフト。ひと昔前までは、ただひたすらに明るく補正する“トーンUP”という選択肢しかなかったけれど、今は個人の肌に合わせて上手に画像修正して透明感を出してくれる。今春の下地は「買い」ですよ。肌が一気にレべルUPします。
キーワード3. 薄膜疑似肌ファンデの充実
マスクにつかないツヤ肌がとうとう手に入る時代に
――ファンデーションはどうでしょう? ツヤとかマットとか、旬の傾向はありますか?
美保さん ひとつ明確なのは、「今年はTHEセミマット」といったように、ひとつの流行を全員が目指す時代は完全に終わったということ。その日着る服であったり、シチュエーションに応じて、その日の肌を自分で決める。会う度に違う肌をしている…そんな人が今っぽいと思います。
――確かに。美的クラブに聞いても「リモートの日と外に出勤する日はメイクを変えている」という人、多いですからね。服を着替えるように肌も着替える時代になってきているのかも。
写真修正いらずのパーフェクト疑似肌ファンデ
美保さん それを踏まえた上で「これは人気が出そうだな〜」と確信するのがマキアージュ「ドラマティックエッセンスリキッド」。薄膜フィットで、何もつけていないかのように軽やかでありながら、肌のアラは全部とばしてくれます。そして、テクスチャーはマットでマスクにつかないのに、見た目はツヤがある。まるで理想の“疑似膜美肌”といった感じ。
――素肌に完璧に“なりすます”というのはひとつの潮流かもしれませんね。同じく薄膜仕上がりのSUQQU「ザ リクイド ファン デーション」も全23色展開で絶対にぴったり合う色が見つかる。NARSの「ライトリフレクティングファンデーション」も全15色。使う人の肌に精密に近づけようという意思を感じます。
キーワード4. コンシーラーは日によって着替える
コンシーラーをこなすのにもはやテクは要らない
美保さん さらに精密度を上げてくれるのがコンシーラー。私、今まで「肌に悩みがないなら、コンシーラーは必ずしもいるわけではない」という考えだったんですが、昨年にコスメデコルテから4色パレット(トーンパーフェクティング パレット)が出てきた辺りから、間違いなくキレイ度が上がるから使った方がいい、と認識を改めました。今春はますます進化していて、シミ、くま、ニキビ…かゆいところに手が届く適材適所のコンシーラーが本当に優秀です。日によって、くまが濃い、くすみ感が強い…とお悩み度合いって差があるでしょう? いくつか対応できるバリエーションをそろえられたら最強。使いこなすのにテクいらずなのも進化です。
――メイクの上からリタッチできるタイプも多いから、これからはポーチにひとつ、コンシーラーをもち歩くのが私たちのスタンダードになるかも。
キーワード5. パウダーの復権
おしろいは粉っぽくなる、はもはや昔の常識
\この質感は新しい♪/
美保さん 認識を改めるといえば、仕上げのフェースパウダーも今春はすごい! ジバンシイの「プリズム・リーブル・プレストパウダー」とか、重ねる程に透明感が出てきます。
――美保さんって、フェースパウダーはあまり使わないタイプの人だと思ってました。「せっかくのツヤが全部消えてしまうから、おでこやTゾーンにちょっとだけ使う」って感じで。
美保さん 今やもう、ブラシで顔中のせていますよ(笑)。イエローの下地で光を足して、さらにイエローのパウダーで透明感を追い盛りして。『おしろいを重ねると粉っぽくなる』は過去の常識。のせた瞬間溶け込んでいくから、むしろ塗ったほうがキレイになれる。使ったほうがいいです。
――パウダーの復権ですね。個人的に、マスク生活をしているとどうしてもパウダーをはたきたくなるから、「思いのままパウダーを重ねて良し」とお墨付をもらえるとうれしい。
美保さん あー、でも、パフで乱暴に顔中全体をバフバフたたくというニュアンスではないですね。ファンデーションで仕上げた後、「もう少し透明感を足したいな」という部分に、精密に光のレイヤーを重ねていくイメージです。
――アイテムを重ね、精密に肌を作り込んでいく。それが今年っぽい肌の正解だといえそうですね。
『美的』2022年4月号掲載
撮影/天日恵美子(人物)、河野 望(静物) ヘア/大野朋香(air) スタイリスト/青木宏予(人物)) 構成/もりたじゅんこ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。