【女性のがん】子宮や卵巣のがんになりやすい人の特徴は?|産婦人科医が解説
「子宮」関連の病気は女性にとって心配事の一つ。専門家医の吉形先生に教えてもらいました。
子宮や卵巣のがんが心配。なりやすいのはどんな人ですか?
A.子宮頸がんの原因は主には性交渉によるHPV感染。子宮体がんや卵巣がんには、過剰な女性ホルモン、排卵回数の多さが影響。
「子宮頸がんは、 HPV(ヒトパピローマウイルス)が子宮頸部に感染 して起こります。感染経路は ほぼ性交渉 。実は性交渉の経験がある女性の50〜80%はHPVに感染したことがあるとされ、その一部が数年から数十年のうちに子宮頸がんを発症します。
一方、子宮体がんの発生には、 女性ホルモン が深く関わっています。出産経験がない、閉経が遅いなど、排卵回数が多くて エストロゲンによる刺激が長期的な場合 、発症リスクがUP。また、食生活の欧米化による 脂肪のとりすぎ、肥満 も影響します。
卵巣がんも、子宮体がんと同様、女性ホルモンに長くさらされていることが危険因子に。加えて、 約10〜15%は遺伝的要因 とされています。頻度は低いですが、 チョコレート嚢胞にがん が発生することも」(吉形先生)
子宮がん・卵巣がんのできる場所
子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頸部)に発生。子宮体がんは、子宮体部の内膜に発生する。卵巣がんは、左右の卵巣内、主に上皮部分に発生する。
『美的』2021年5月号掲載
イラスト/チブカマミ 構成/つつみゆかり、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
よしかたれみ/医学博士。東京女子医科大学非常勤講師。浜松町ハマサイトクリニックなどで診療のほか、予防医療研究にも従事。