健康・ヘルスケア
2020.2.19

マッサージローラー・顔ストレッチ・小顔矯正はエイジングを加速させる!?【女医に訊く#96】

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年齢を重ねても崩れないフェイスラインや引き締まったボディラインは、永遠の憧れ。自宅でセルフマッサージや顔のストレッチに励んだり、小顔矯正に通ったりしている方もいるのではないでしょうか? それらに果たしてダイエット効果や小顔効果はあるのか、皮膚科専門医の慶田朋子先生に教えていただきました。

マッサージローラーで肌がたるむって説、本当?

小顔効果やスタイルアップが期待できると人気のマッサージローラー。テレビを見ながら、湯船に浸かりながら、ボディの気になる部分にコロコロ転がしている方もいるのではないでしょうか? 自宅で手軽に使えて便利なマッサージローラーですが、ダイエット効果はそれほど期待できないと慶田先生は言います。

「マッサージをするとむくみが流れるため、スッキリして少し細く見えることはありますが、脂肪は減りませんし、セルライトも取れません。むしろ、やり過ぎると、加齢と紫外線で劣化したコラーゲンをさらに弱らせて靭帯が弱くなる可能性もあるので注意が必要です」(慶田先生)

とはいえ、立ち仕事で脚がパンパンになってしまう人にとって、リラクゼーション効果やむくみ解消効果が期待できるマッサージローラーは手放せないアイテムのひとつ。使うときは、できるだけ力を入れず、短時間で留めるように心がけましょう。

顔の表情筋を鍛える「顔ストレッチ」で表情ジワが深くなる!?

マッサージローラー同様、小顔効果があると言われるのが、顔の表情筋を鍛える「顔ストレッチ」です。しかし、慶田先生によると、これも注意しなくてはいけない美容習慣のひとつなのだそう。

「表情の癖や噛み締めなどにより筋肉が発達し過ぎると、表情ジワが深くなることがあります。そもそもボトックス注射は、このような過剰な筋肉の収縮を緩めて、シワを解消するもの。顔のストレッチで徐々に筋肉が大きく盛り上がると、シワはさらに深くなってしまいます」(慶田先生)

また、表情筋には動く方向があります。特に、皮膚を、口角下制筋や広頸筋など下方向へ引っ張る筋肉の緊張が強いと、輪郭の崩れやたるみの原因となりますから気をつけましょう。

「骨のゆがみや位置を手で動かして小顔にする」というのはウソ!?

芸能人が通ったことで話題となったのが、頭蓋骨の骨のつなぎ目の隙間を詰めて骨格から顔を小さくする小顔矯正。確かに、頭蓋骨はいくつもの骨がつなぎ合わさっていますが、隙間があるのは赤ちゃんのうちだけ。大人の頭蓋骨に隙間はなく、手で押したくらいでは動きませんし、もし動いたならそれは医療事故です。

「筋肉や脂肪が挫滅するぐらいハードに強く押すのでしょうから、小顔矯正に関しては危ないぐらいですよね。動くとすれば骨の上にある筋肉、脂肪、皮膚だけで骨自体は動きませんから、筋肉の緊張などを調整したり、浮腫みを流したりして、歪みを一時的に治したように見せているのだと思います」(慶田先生)

若い頃はパンパンで丸い顔も、大人になると自然に脂肪が委縮して緩んで小さくなってきます。肌トラブルを招く行為やエイジングを加速させるような美容習慣には充分注意しましょう。

keida
皮膚科専門医
慶田朋子先生
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京女子医科大学病院、聖母会聖母病院などを経て、2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、西武有楽町店閉店に伴い、銀座ケイスキンクリニックとしてリニューアルオープン。最新マシンと高い注射注入技術で叶える、切らないリバースエイジングに好評を博している。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。■銀座ケイスキンクリニック

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ(小学館)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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