健康・ボディケア・リフレッシュニュース
2020.1.9

「美人は自分の良さに気づいた人。コンプレックスも含めて、もっと自分に“有頂天”になって!」|メイクアップアーティスト吉川康雄さん×ライター長田杏奈さん『美的』SPECIAL美容対談

経験に裏打ちされた理論と熱ーい美容愛、そしてご本人のピースフルなキャラクターで支持を集めるライターの長田杏奈さんとメイクアップアーティストの吉川康雄さんが、『美的』読者のためにスペシャル対談!

誰かが決めた美の基準に捕らわれすぎないこと!

bi0067-85
左/長田杏奈さん 右/吉川康雄さん

長田 今でこそ「自分のもって生まれたものを生かすメイク」と言われますが、吉川さんは20年以上前から提唱されていますよね!

吉川 仕事で出会うモデルや女優の、コンプレックスを隠すための厚塗りに疑問を感じたんです。顔のアラを必死で隠すあまり、魅力まで消えちゃっている人が多いことが残念で。メイクは女性を助けるものだから、欠点だと思う部分も含めて魅力的に見せたいなと思ったの。それに、気にしている部分の多くは、実はその人の色気であることも多いしね。

長田 そしてツヤ肌メイクが誕生! でも、世界のトップモデルや女優にもお悩みはあるんですね…。

吉川 ありまくりだよ! 例えばモデルは、10代の多感な時期に自分を見せる仕事を始めることで、とてつもないコンプレックスにさいなまれるんです。でも、そこから自分の良さを見つめて、丸い鼻や薄い唇も「意外とかわいいな」と理解していく。モデルや女優として輝いている人は、美人だからではなく、自分の何が美しいかに気づいた人なんだよね。

「美人は自分の良さに気づいた人。コンプレックスも含めて、もっと自分に“有頂天”になって!」(吉川さん)

長田 憧れの女性をキレイの正解だと思いながら鏡をのぞくと、自分がエラーみたいで悲しくなるけれど、比べることをやめると、自分自身も客観的に見えてきますよね。

吉川 そうなんだよ。みんなほかの誰かになりたがるけれど、あなたというバリエーションは世界にひとつ。整形手術で石原さとみさんに似せても、彼女は超えられないじゃない。

長田 “ジェネリック・さとみ”になるだけですよね! 自分が美の正解だと思っていることは、どこかで誰かが作り上げた美の基準が刷り込まれているものだったりもするから、捕らわれすぎない方がいいですよね。

吉川 そして、ちゃんと自分を認めてあげれば、自由に美容を楽しめるはず。僕はみんなに、もっと自分に有頂天になってほしいんです。

長田 有頂天っていい! 私は自称「全員美人原理主義者」で、世の中に「ブスはいない!」と思うんですよ。これは気休めではなく、多様な美しさに触れて仕事をする中で、本気でそう思うようになって。

「美しさへの思い込みも自虐も見直しを。美容は自尊心を鍛える強い味方!」(長田さん)

ec
吉川 欠点だと思う部分は劣っているのではなく、「違い」なんだよね。違いを認めて自分にOKを出せると有頂天になれる。

長田 そうやって自分と向き合う美容は、自尊心=自分を大切にする気持ちを鍛えてくれるものなんですよね。美容の主役は自分ですし。超絶美人でもなく、若くもない私が自分のダメな部分と折り合いをつけられるのは、美容の仕事をする中できっと自尊心が鍛えられたからだと思う。ちなみに、話題の“詐欺メイク”は、変身する楽しさは素敵だけれど、「このメイクをとったら即死!」となると“自尊心アラート”が鳴り出しそうで、少し心配。

吉川 僕の毛の薄い頭を、メイクテクを駆使して一生隠し続けられるかというと絶対に無理だしね(笑)。もしメイクが、自己否定から始まる変身であるなら、やっぱり満足感は得られないし、終わりが見えなくてつらくなる。だから、もって生まれたものを生かす方が絶対にいい。流行りも気にしすぎなくてもいい。例えば、太眉ブームは「太いのもアリだよ」程度のもので、太いのが正義ということではないし、くまだって完璧に消すことが正解じゃないしね。

くまは“はかなげ”!?言い替えるのも効果的

長田 私、くまがあると、「今日は“はかなげニュアンス”」とか、たるみを自覚したら、「顔がまろやかになった」「包容力が出た」とか、気になる部分をときめきワードに言い替えてみるんです。そうすると、わりと自分にうっとりできる(笑)。

吉川 素敵。そうやって欠点を足し算しないくせをつけてほしいよね。

長田 今の世の中、「これを使うと欠点を隠せて素敵ですぜ」というコンプレックスビジネスが主流ですが、これからは、“コンプレックス、イケてるね!”で行きたいですよね。プラスサイズモデルも当たり前にいて、グレーヘアも市民権を得て、美の多様性に世間の目が慣れてきている今こそ、自分を見つめるのにいい時期だと思うんです。世の中や男性の、女性の美や若さへの考え方を変えるのは時間がかかるけれど、自分の意識はすぐに変えられるし、自らを満喫する女性が増えれば、男性の価値観もつられて変わる気がします。

吉川 他人を羨ましがりながら一生を送るのは切ないしね。自分の良さに早く気づけた有頂天女子の方が、長い人生、「私は私でいいんだ」と、より楽しく、幸せに生きられる。

長田 そのためにも、一度意識して「自虐禁止」にしてみるといいと思う!自らを貶おとしめる言葉は遠ざけた方がHAPPYだし、自尊心としても健やか。美容に対しては、日本的な謙遜文化も変えどきかも。

吉川 そうだね。美容は人生に寄りそうもの。自分にOKを出している人は年齢関係なくピュアで素敵。毎朝起きたときの自分を肯定して、ノリノリで楽しんでほしいです!

 

book_yoshikawa
『いくつになってもキレイ!になれるNY発ビューティー・メソッド ツヤ肌メイク12の方法』吉川康雄
プロも支持するツヤ肌メイクの考え方、魅力を引き出すメイク法などを紹介。そのキレイへの考え方に解き放たれるような気づきがある美のバイブル。¥1,300/世界文化社

 

筋トレ_COVER
『美容は自尊心の筋トレ』長田杏奈
モテも若返りも、キレイになろうとも書いていない。自分を慈しむための美容を説き、「前を向けた」の声多数。読後は鏡の中の自分を見つめたくなる。¥1,480/Pヴァイン

 

 

PROFILE

よしかわ・やすお/1959年生まれ。’95年に渡米後、ツヤ肌メイクで業界を席せっ巻けん。N.Y.を拠点に『VOGUE』誌などのカバー、カトリーヌ・ドヌーヴ、ビヨンセなど多くのセレブを担当。「CHICCA」のブランドクリエイターも務めた。取材・撮影・執筆を手掛ける美容情報サイト「unmixlove」(https://unmixlove.com)が評判。

おさだ・あんな/’77年生まれ。中央大学卒業後、ネット系企業の営業、週刊誌の契約記者を経てフリーに。女性誌やWebでの美容記事をはじめ、インタビュー、海外セレブ記事なども手掛ける。反骨精神と優しく温かな視点が紡ぐ文章にファンが多い。生花を使った装飾ユニット「花鳥風月lab」主宰。2児の母。

 

 

美的1月号掲載
撮影/女鹿成二(人物) スタイリスト/小川未久 構成/松田亜子、山本 恵(本誌)

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter Pocket

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事