浅野ゆう子さん「手土産は迷う時間も楽しい」|仕事と美容、そして人生。浅野ゆう子「待てば、甘露。」#07

デビュー50年を迎えた俳優・浅野ゆう子さん。「今がいちばん自分らしい」と語る浅野さんが、50年を振り返りながら、美しく輝くヒントを教えてくれます。
【連載#07】悩む時間も幸せな贈り物
トップス¥23,100(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム〈ルルヴェ〉) ブラウス¥157,300、パンツ¥233,200(メゾン・ディセット〈prune goldschmidt〉)ハット ¥17,600(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム〈ラック オブ カラー〉) ネックレス¥38,500(ズットホリック〈バルブス〉) リング[左]¥14,960、リング[右人さし指]¥9,460、リング[右薬指]¥17,820(ズットホリック〈アドラル〉) シューズ/スタイリスト私物
お中元やお歳暮、ちょっとしたときの差し入れや手土産…。贈り物をする機会は意外と多いですよね。
芸能のお仕事でも、撮影時の差し入れや楽屋見舞いをはじめ、芸能人同士で食事に行くと、帰りに手土産交換会になることも。舞台公演中の楽屋見舞いでは、おいなりなど共演者の皆さんとつまめるものをいただくことが多いのですが、仲良しの室井滋さんがクオカードをくれたときは驚きました。「好きなものを買えるのがいちばんじゃない」って。いつも笑わせてくれる友人です(笑)。
お中元やお歳暮は、贈るものを決めています。定番が決まると楽ですから(笑)。夏は、私が食べ物の中でいちばん好きなスイカ。千葉県富里市の日本で唯一のスイカマイスター、篠原弘安さんのスイカです。冬は、愛媛県の中島で「柑匠の集」という職人さんたちが作るみかん「柑匠まどんな」。どちらもとても甘くて、皆さんに喜んでいただいています。
日頃の差し入れなどで選ぶのは、おいしくて、肩ひじ張らずに食べられて、素朴だけれど、ちょっと違いを感じられるもの。先輩方には、どこか和を感じるものを。コロナ禍以降は個包装のものを選ぶことが増えました。
品があって、でも高すぎないものの定番は、紫野和久傳さんのれんこん菓子「西湖」。京都らしい品もあって大人向きです。最近では、極太の黒糖かりんとう「鬼くろ」もシックな黒いカゴ入りで素敵です。
「これおいしいよね!」と現場でも喜ばれるのは、鎌倉紅谷さんの「クルミッ子」。おせんべいであんこをサンドした富士見堂さんの「あんこ天米」は、しょっぱいと甘いのループが止まりません。人気が出すぎて、オンラインでオーダーできる日時が決まっているのですが、私、スタート時間と同時にポチッとするのは得意なんです(笑)。限定という特別感で選ぶなら、北海道・SNOWSの「スノーサンド」。生チョコレートをサンドしたクッキーで、パッケージも素敵です。
ご自宅に直接お届けするものとしては、道頓堀今井さんの「うどん寄せ鍋」、茅乃舎のおだし、三輪山勝製麺さん、三輪山本さんのそうめんを選ぶこともあります。
「これいいね」と言っていただける手土産選びは永遠のテーマ…と、言いつつ、結局自分が好きなものを選んでいます。何を選ぶべきかは悩ましいけれど、迷う時間も楽しいんですよね。
タレントの丸山礼さんにお会いしたとき、「浅野さん、いつもいいにおいがします」と言ってくださいました。のど飴の香りかな…なんてお話をしていたのですが、ふと家にある飴を見て思い立ち、次にお会いしたとき、そののど飴を差し上げたんです。すると丸山さんが、「家に帰って、私のことを考えてくれたことが本当にうれしい」と言ってくださって。その一言に、私も「お会いできて良かった」という幸せが広がりました。
私自身も贈られると、私の顔を浮かべて選んでくださったんだということがいちばんうれしいんですよね。言葉を介さずとも、心と心のやりとりができるのが手土産の良さ。そう思いながら、今日もせっせとポチっております。
「今、ハマっているのが北海道・ハピオさんの「ハピまんチーズ」。番組で知って以来、おいしすぎてリピート中。でも、普段は食べたいのを我慢。チートデーにいただく瞬間が最高に幸せです…。」
Profile
あさの・ゆうこ/1960年兵庫県神戸市生まれ。’74年にデビュー。「小倉久寛 生誕70年記念 コントライブ ザ・タイトルマッチ3」(2月21日〜3月2日)に「公演期間中のどこかで出演します(笑)」
『美的』2025年3月号掲載
撮影/柴田フミコ ヘア&メイク/面下伸一(FACCIA) スタイリスト/宮澤敬子(WHITNEY) 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。