産後ダイエットのポイントは股関節にあるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「産後ダイエット」について。産後ダイエットのポイントは股関節にあるってホント? 骨盤矯正パーソナルトレーナーのNaokoさんにお話を伺いました。
Q:産後ダイエットのポイントは股関節にあるってホント?
「出産後なかなか体型が戻らず、悩んでいる」という声も多く、産後ダイエットについても注目が集まっています。産後に体型が戻りにくいのはゆるんでしまった骨盤の影響が大きいと言われていて、骨盤を整えるためには股関節が重要なポイントになるのだとか。本当なのでしょうか? 骨盤矯正パーソナルトレーナーのNaokoさんに聞いてみました。
A:ホント
「股関節をほぐして歪みを取ることで、骨盤の角度も適正な状態に導くことができます。産後ダイエットでは出産でゆるんだ骨盤を整えることも目的になるので、股関節は重要なポイントになります」(Naokoさん・以下「」内同)
なぜ股関節が重要なの?
「股関節は体の中でもいちばん大きな関節で、骨格の要です。上半身と下半身をつなぐ股関節のまわりにはさまざまな筋肉があり、骨盤や背骨といった体を支える重要な骨とつながっています。
股関節の可動域が狭くなると、インナーマッスルと言われる、まわりの筋肉が弱くなり、正しい姿勢を保つことができなくなります。猫背になったり、骨盤の歪みにも影響します。呼吸が浅くなることも。
これらのことが続くと下腹ぽっこり体型になりやすいです。さらには、疲れやすくなる、膝や腰が痛くなる、冷え、むくみやすくなる、などのトラブルも起こりやすくなります。
いちばん大きい関節だからこそ、悪い影響も出やすいですが、改善することで良い効果も出やすいです」
産後は人生最大の体を変えるチャンス!
「女性の体が大きく変化するタイミングは初潮、出産、閉経です。その中でも出産は体型を変える最大のチャンスとも言えます。出産でデトックスできるという話もあるように、産前よりコンディションの良い体にすることもできるんです!
その要因となるのが、出産のときに分泌されるリラキシンという筋肉や関節を弛緩させるホルモンです。リラキシンの効果は産後も数ヶ月は続きますが、授乳でオキシトシンが分泌されることで、効果も弱まっていきます。このリラキシンの影響で出産もスムーズに進むのですが、足がむくみやすくなったり、顎関節が弱ってしまうという人もいます。
放置すると悪い影響が出てしまうこともありますが、硬い状態よりゆるんでいる状態のほうが関節も正しい位置に戻しやすいので、このタイミングが矯正のチャンスとも言えます。筋肉の面からもアプローチしやすくなるので、肩こりや腰痛、冷えも改善できる可能性があります」
産後ダイエットでおすすめの運動は?
「産後の体は先にもお伝えしたように、関節などがゆるんでダメージも受けやすい状態です。そのため、ランニングや筋トレなどの激しい運動は向いていません。呼吸法を含む、インナーマッスルを鍛えるストレッチがおすすめです。
呼吸法は、私のメソッドの中では消化即深呼吸マッサージとしてお伝えしているもので、食べ過ぎ防止にもおすすめです。
【呼吸法】
- 仰向けになり、膝を立てて、腕を顔の横あたりに上げてリラックス
- 腹筋を使い“フッフッフッ”と1分間に50〜60回細かく、リズミカルに息を吐く
2では息を吐くことでお腹をへこませるのではなく、お腹の力で息を押し出すイメージで行うと良いです。リズミカルに動かすのもポイント。
※産後の人はゆっくりと行うようにしましょう。
【ストレッチ1】
- 仰向けになり、膝を立てて開脚する。頭と尾てい骨は床につけ、呼吸を楽にしてリラックス。できれば、かかとは手で触れられるくらいの位置まで引き寄せる
- 左の膝を外側に倒し、左手は頭の上に上げる。右手で右足のかかとを押さえ、脚の付け根をしっかり伸ばす。1の姿勢に戻り、逆側も同様に行う
【ストレッチ2】
- 壁から30cmほどお尻を離し、足を預けて上に伸ばす。上半身は骨盤と背中を床につけ、腕は上に、肘は曲げて胸を開く
- 息を吐きながら、腰が浮かないように足の側面を壁に付けて、脚を開く
- かかとを押し出すようにして、手を内ももに置いて、脚をさらに開く。1分間のキープした状態で3〜5回大きく呼吸する
産後は赤ちゃんの姿勢に合わせて授乳をしたり、抱っこなどにより、首の関節を痛めてしまったり、肩こりに悩まされることも。横たわりながら授乳をしている人は骨盤も歪みやすくなってしまいます。そのため、ストレッチ1など股関節の前側をはじめ、悪い姿勢でこり固まった背中や腰まわりをほぐし、肋骨や骨盤を正しい位置に導くものがおすすめです。
2は脚のむくみ解消や冷えからくる疲労を和らげ、足の疲労回復にもつながるストレッチです。
どれも産後だけでなく、下腹ぽっこり解消にもアプローチできるものなので、試してみてください」
無理なく続けるコツ
「今までダイエットがうまくいかなかった人や運動が苦手な人もいると思います。ましてや産後は気持ちに余裕が持てなかったり、運動する時間がない、ということもあると思いますから、はじめはできる範囲で継続することを目標にしましょう。
ルールを決めたほうがやりやすい人は朝晩ストレッチをやる!と決めても良いと思いますが、あまりルールを作りすぎると、できなかったときに落ち込んで嫌になってしまうこともあるので、いつやってもいい、と気楽に考えるのがおすすめです。そして最初から100%を目指さず、60%くらいを目標にするというのも手。完璧を目指して挫折するより、できなかったネガティブな自分を認めつつ、徐々に100%を目指すほうが続けやすいですよね。
身体的にも無理はせず、気持ち良さを感じる範囲で行うというのも続けるためのポイントです。気持ち良いと感じられれば、自然と習慣化できます」
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文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
20代の頃より、肥満をはじめ、肩こり、腰痛、外反母趾など多くの不調に悩まされ、ボディメンテナンスの分野に深く興味を持つようになる。出産を機に本格的に体作りの勉強を始め、ヨガ、ピラティス、整体、エステ手技などを学び、あらゆる知識と実践を組み合わせて独自のメソッドを開発。このメソッドにより自身も12kgの減量に成功し、不調知らずの体を手に入れる。現在は3人の子どもの育児を行いながら、1万2千人以上のボディメイクやメンタルケアを行う。ほかにも、後進の指導や育成、企業とのタイアップ商品の開発など、精力的に活動している。著書は「体が固くてもラクにできる!1分おしり筋を伸ばすだけで劇的くびれ・美脚!」(学研プラス)「下腹ぽっこり解消ダイエット」(宝島社)など。
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