白髪は「死んだ毛」ってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「髪と頭皮」について。白髪は「死んだ毛」ってホント? 大正製薬の渡部佳子さんにお話を伺いました。
Q:白髪は死んだ毛ってホント?
色素のない、真っ白な毛のためか、白髪は「死んだ毛」というウワサがあります。白髪は本当に死んだ毛なのでしょうか。さっそく、この疑問を渡部さんに聞いてみました!
A:ホント
「髪の毛は、一度傷ついたら自ら修復することができない(自己修復力がない)という意味では、白髪も黒髪も死んだ細胞です」(渡部佳子さん・以下「」内同)
黒髪も死んでいる⁉
「髪の毛というのは傷ついても、自ら修復することができないので、そういう意味では死んだ細胞です。白髪が『死んだ毛』だと思われているのは多分、色のイメージだと思います。しかし、黒髪と白髪の違いというのは色のもととなるメラニン色素があるかないかというところ。メラニン色素を生み出す、メラノサイトの活動が機能しなくなると、髪に色がつかなくなり、そのまま伸びることで白髪が生えてくるという現象が起こります。
毛根の奥に毛乳頭という組織がありますが、そこにメラノサイトも存在します。メラノサイトが機能しなくなることで色はつかなくなりますが、毛乳頭は生きて活動していますから、髪の毛は生えてきます」
1度白髪が生えたところはずっと白髪が生えてくる?
「白髪の原因は加齢や遺伝、生活習慣、過度の飲酒や食生活の乱れ、ストレスなどいろいろあります。あとは病的な原因として貧血など、疾患が原因になる場合もあります。その中でも特に加齢と遺伝によるものは、改善は難しいと考えられます。一方、生活習慣や食生活の乱れやストレスで起きる白髪については、原因を取り除けば、また黒髪が生えてくる可能性もあると言えます」
白髪の原因
- 加齢
- 遺伝
- 貧血などの病気
- 食生活の乱れ
- ストレス
途中から白髪になっている毛には何が起きているの?
「まれに1本で黒と白が混ざっている毛が見られる人がいますが、それは髪の成長途中でメラノサイトの活動が低下してしまい、色素が生み出されなくなることで起こると考えられます。黒髪で生えてきたものの、何らかの影響があり、メラノサイトの活動が低下したため、途中から白髪になってしまうという現象。過度に栄養が行き届かなくなるような、細胞レベルで低下してしまうような状況が起きると、途中からでも白髪になります。逆を言えば、状況が改善されれば、再び黒髪に戻るということも考えられます」
文/土屋美緒
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2007年入社来、OTC医薬品の開発に従事。現在、毛髪科学や皮膚科学に基づく製剤の開発を担当。
大正製薬