大高博幸さんの 肌・心 塾
2016.5.24

【大高博幸さん連載 Vol.342】 『オオカミ少女と黒王子』『神様メール』『素敵なサプライズ』『スノーホワイト/氷の王国』 試写室便り 第116回

理想のカレを演じてもらう条件は、ドS王子への〝絶対服従〟!ウソから始まる人生最初の本気の恋。ドキドキのラブコメディ誕生! 篠原エリカ( 二階堂ふみ )は 恋愛経験ゼロなのに、街で見かけたイケメンを盗撮し、自分の彼氏だとウソをついて ラブ話を語る〝オオカミ少女〟。ところが、その彼は 同じ学校に通う、学校イチのイケメン〝王子〟佐田恭也( 山崎賢人 )だった! 事情を打ち明けると、彼氏のふりをしてくれることになった恭也。しかし、彼が出した条件は エリカの〝絶対服従〟。ドSな恭也に ふりまわされるうちに、ウソから始まった 2人の関係が発展して……?

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(C)八田鮎子/集英社 (C)2016 映画「オオカミ少女と黒王子」製作委員会

理想のカレを演じてもらう条件は、ドS王子への〝絶対服従〟!

ウソから始まる人生最初の本気の恋。
ドキドキのラブコメディ誕生!

オオカミ少女と黒王子
日本/116分
5.28 公開/配給:ワーナー・ブラザース
ookamishojo-movie.jp

【STORY】 篠原エリカ( 二階堂ふみ )は 恋愛経験ゼロなのに、街で見かけたイケメンを盗撮し、自分の彼氏だとウソをついて ラブ話を語る〝オオカミ少女〟。ところが、その彼は 同じ学校に通う、学校イチのイケメン〝王子〟佐田恭也( 山崎賢人 )だった! 事情を打ち明けると、彼氏のふりをしてくれることになった恭也。しかし、彼が出した条件は エリカの〝絶対服従〟。ドSな恭也に ふりまわされるうちに、ウソから始まった 2人の関係が発展して……? ( 試写招待状より )

若い読者の皆さんが好きそうだと思って試写に出向いたのですが、僕は なんと、〝感動〟してしまいました。

冒頭、高校生たちが走りまくるシーンが続いたので、「 若さとスピードを表現するには〝走るに限る式〟の映画かも 」と 少々引いた気持ちで観始めました。ところが、水族館デート、及び 病気の恭也をエリカが見舞う場面辺りから、ガゼン興味が湧き出して……。特に恭也役の山崎賢人の感情表現( 顔の表情と台詞のニュアンスが素晴らしい )に デリカシィと真実味があり、画面に引き込まれていったのです。
恭也のドSな〝俺様発言〟も終始キマッていて、笑ったり驚いたり感心させられたりしたのですが、それは 多分、原作・脚本( 台詞台本 )・演出・演技の相乗効果、全てがパーフェクトだったから。

エリカ役は、実年齢 21歳の演技派、二階堂ふみ。今までに僕が観た彼女の 5〜6作の中で 最も若く純粋な 16歳の女子を好演、年齢的なギャップを感じさせないだけでも立派でした。髪型、特にストレートなブローも、役作りに 一役 買っている感じです。たゞ、スクリーンで観ると 彼女の顔は かなり丸いので、① 眉山は下げずに 1〜2ミリだけ高くし、② 頬にシェーディングを少し施して 肌と輪郭を引き締めれば、さらに良かったはずだとは思いました。

But、そんなコトは 二の次、三の次。この映画は、恋を成就し 愛を育む上で〝とても大切なコト〟に気づかせてくれるので、そこを しっかりと観ていてください。

以下、記憶に残った台詞です。
1)「 自分のコト、一番よく分かってくれてるって思える子、( おまえの 100人の彼女の中に )ひとりでも いるか? 」( 修学旅行先の神戸のホテルのロビーで、心ないプレイボーイの神谷に、恭也が 毅然とした口調で言う台詞 )。
2)「 どれだけヒドいコト言っても、あの子(エリカ)は、ちゃんと あんたの本心、見てゝくれたのよ! 」( 恭也に、しっかり者の姉が、ケイタイで 叱りつけるように言う台詞 )。
3)「 嘘でも いゝから、そばに いたいと思って。嘘だって なんだって、私にとっては全部、大事な想い出なんだから 」( ラスト近く、神戸の南京町の夜の場面で、エリカが 恭也に言う台詞 )。
4)「 うるせー 口(クチ)だな 」( しゃべり続けるエリカに、恭也が面倒くさそうに言う台詞。その直後、彼は 彼女の口を塞ぐ = キスをする )。

脇役で目立っていたのは、キュートなフラッパータイプの玉城ティナ、不思議な雰囲気を放つ美男子の 吉沢 亮、そして 包容力豊かな演技が光る 門脇 麦。
監督は『 ストロボ・エッジ 』等の廣木隆一。

P.S. この映画は 作りそのものが〝本気〟なので、若い方だけでなく、オジさんやオバさんたちにも愛されると思います。

 

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私は 神様の娘、エア。
パパと けんかして、皆を幸せにする旅に出たの。

余命を知らせるメールが 神様のパソコンから届いた。
神様の娘 エアは、大パニックの世界を救う旅に出る!

神様メール
フランス=ベルギー=ルクセンブルク合作/115分/PG12
5.27 公開/配給:アスミック・エース
kamisama.asmik-ace.co.jp/

【STORY】 神様は ブリッセルのアパートに 家族と一緒に住んでいて、パソコンで いたずらに世界を支配している。ある日、神様の娘 10歳のエアは、人間に 運命に縛られずに生きてほしいと思って、神様のパソコンから 人々に 余命を知らせるメールを送ったから、さあ大変! エアが大パニックを救う旅に出ると、彼女の小さくてヘンテコな奇跡は 思いがけず 人々の悩みを解決していく。会社員は 鳥を追い 北極まで大冒険、殺し屋は 不死身の美女に めぐりあい、主婦は ゴリラと恋に落ち……。しかし エアが最後に出会ったウィリーは 死期が迫っていて――。( プレスブックより。一部省略 )

まずは サイトで 予告編を観てほしいのですが、この映画は かなりクレイジーでいて、とても愛らしい ミラクルコメディ。
怒鳴ってばかりで騒々しいパパは、誰が見ても「 これが神様? 」と思えるほどの〝嫌なヤツ〟。エアは 僅か 10歳だというのに、黒と赤のキツいメークをして パパへの反抗心を露わにしますが、本当は 心の優しい素直な少女。彼女の相談相手は たゞひとり、今は小さな置物になっている兄の JC( イエス・キリストです! )。エマは JCのアドバイスに勇気を得て、突拍子もない行動を取るコトに。そして、パソコンからアトランダムに選んだ 6人のもとへと 出掛けて行きます。

その 6人、それぞれが 何らかの問題を抱えながら生きているのですが、僕が特に興味を覚えたのは 次の 4人。
① ジャン、余命 12年 9ヶ月 5日。それを知って、子供時代の〝冒険家になる夢〟を想い出した年輩の会社員。いつも エサを ねだりに来る 一羽の野鳥の言葉を エアが通訳してあげた途端、彼は その鳥を追って 北極へ向かうコトに。
② オーレリー、余命 11年 6ヶ月 27日。少女の頃に 思いがけない事故で左腕を失った美女。モテモテなのに、ずーっと淋しい ひとり暮らし。その彼女に、心底 惚れてしまうのが ③の男。
③ フランソワ、余命 25年 3ヶ月 8日。幸福とは言えない家庭生活を送ってきた保険屋。余命を知って、こっそりスナイパーに転身。彼は ②のオーレリーに黄色いガーベラ(?)の花束を捧げながら、真剣に愛を告白します( そのエレベーター内のシーンが非常に感動的 )。
④ マルティーヌ、余命 5年 2ヶ月 17日。夫とは冷えた関係の、リッチだが、虚しく生きている有閑マダム。なんと、サーカス団の優しいゴリラと恋仲になるのですが、その前に「 200( ユーロ )で どう? 」と声を掛けてきた街の若者と セックスするというシーンがあります。演じているのは カトリーヌ・ドヌーヴで、その役の 意外性 × 必然性と共に、あまりの太り様に 僕は 啞然! 〝元〟とはいえ、「 ドヌーヴほどの〝大スター〟が、あの体型で いゝのかなぁ 」と考えさせられもしました。

観る人によって感じかたは様々でしょうし、日本人には ちょっと分かりにくい文化的要素も含んでいる…。But、この映画は 愛らしいし 面白いので、観たいと思った皆さんには 心からオススメします。
本作を100%楽しむために、ひとつだけ アドバイス。〝18〟という数字が大好きな エアのママ( 女神様 )の言動にも、注目しながら観ていてください。

P.S. エアを演じているのは ピリ・グロワーヌ。『 サンドラの週末 』( 通信 288 )でデビューしたばかりの子役ですが、美人の上に 演技が うまい。将来、スター女優になる 可能性 大です。
監督は、児童演劇監督として出発した後、『 トト・ザ・ヒーロー 』『 ミスター・ノーバディ 』等で 数々の賞に輝いている ジャコ・ヴァン・ドルマル。

 

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2015 SURPRISE FILMPRODUCTIE VOF / VARA / PRIME TIME/ RIVA FILM / FASTNET FILMS

『 快適な〝旅〟の お手伝い いたします―― 』
億万長者 ヤーコブが訪れたのは、顧客の「 あの世行き 」を手助けする旅行代理店だった!

こんなコメディ、見たことない!
エキセントリックだけど チャーミング、サプライズ満載!

素敵なサプライズ
オランダ/105分
5.28 公開/配給:松竹
sutekinasurprise.jp

【STORY】 ヤーコブは オランダの貴族で 大富豪。しかし 感情を持てず、人生に嫌気が さしていた。ある日、偶然拾ったマッチ箱に記された 謎の『 代理店 』を ベルギーまで訪ねてみると、そこは〝最終目的地への特別な旅〟のプランを提案するという 奇妙な旅行代理店だった……。( 試写招待状より )

キャッチフレーズにある通り、エキセントリックだけどチャーミング。その上、スリリングでエキサイティング、ダークでいてロマンティックな〝人生讃歌型〟の楽しいコメディ。〝オランダの ウェス・アンダーソン〟と呼び名も高い マイク・ファン・ディム監督( 彼の監督作品『 キャラクター/孤独な人の肖像 』が、第70回 アカデミー賞®外国語映画賞を受賞 )の最新作です。

まず、イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ演ずるヤーコブ。この大富豪の ひとり息子は、幼い頃、父の突然の死をきっかけに、喜怒哀楽の感情を失ってしまった孤独な男性。「 オランダの大富豪って、こんな感じなんだ…… 」と ミョーに納得させられましたが、なぜか彼はダンスが得意。
そのヤーコブが 謎の『 代理店 』で 偶然に出会うのが、ジョルジナ・フェルバーン演ずる アンネ。車に関する知識が豊富で、なぜか手相を観るのが得意な キュートな女性。彼女は、ヤーコブの本質的な 優しさ・繊細さ・スマートさ、そして ダンスのうまさに惹かれていきます。

本作の魅力のひとつは、ヤーコブとアンネを中心に展開する物語が、おとぎ話風なニュアンスを隠し持っている点。勿論、最後には〝素敵なサプライズ〟が用意されています。

特に印象的だった場面や台詞は……、
1) 冒頭の、悪ふざけとは全く別種の 独得なユーモアが漂う、ヤーコブの母の臨終シーン。
2) ヤーコブの お城のような大邸宅の全場面。特に 彼の周囲に召使いたちがいるシーン。
3) ヤーコブが マッチ箱を拾う、崖の上のシーン。
4) ヤーコブとアンネが 初めて出会う『 代理店 』のシーン。
5) アンネが『 代理店 』のメンバーたちに、顧客の満足度について断固主張するシーン(「 ビジネスの結果だけでなく、その過程で、顧客を心地良く幸せな気分にさせるコトが重要なのよ! 」と、彼女は強く断言します )。
6) アンネが ヤーコブへの恋心を、父親に打ち明けるシーン。
7) ヤーコブが 執事長 兼 庭師のムラー( ヤン・デクレール )の部屋を訪れる、ラスト近くの場面での やり取り( 敢えて前後を省略します )。
「 この前は、君( ムラー )と話せて、とても良かった 」。
「 そうですか 」。
「 もっと前から話せば良かったんだ。とても残念だよ 」。
「 今、話していますよ、ヤーコブ様 」。
「 あゝ、そうだね 」。
「 飲み物は? 」。
「 いゝんだ、座って。どうした、病気なのか? 」。
「 いゝえ。この通り、ピンピンしていますよ 」。

P.S. 本作には『 ブリュッセルの奇妙な代理店 』という副題が付いています。

 

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「白雪姫」の邪悪な女王には、心優しい妹がいた――。

圧倒的な映像美と壮大なスケールで描く、
アクション・アドベンチャー大作!

スノーホワイト/氷の王国
アメリカ/114分
5.27 公開/配給:東宝東和
snow-movie.jp

【STORY】 それは、白雪姫 = スノーホワイトが この世に生まれる、何年も前のこと。
魔法の鏡を手に入れたラヴェンナ女王( シャーリーズ・セロン )は、無敵の存在として人々に恐れられていた。ラヴェンナの妹 フレイヤ( エミリー・ブラント )は 穏やかな性格だったが、家臣と恋におちて 子どもを出産する。しかし 密かに愛を貫こうとした矢先、赤ん坊は死亡。彼女が悲しみと引き換えに手に入れたのは、強力な魔力だった。北の地へ向かった彼女は、氷の女王として 新たな王国を築き始める。
フレイヤは 各地から子どもたちを捕らえては、自国の軍隊へと育て上げていった。隊の掟は、女王への「 忠誠 」、そして「 誰も愛しては ならない 」。
戦闘訓練を経て、エリック( クリス・ヘムズワース )と サラ( ジェシカ・チャステイン )は 立派な兵士として成長していた。掟に反し 恋心を抱き合っていた彼らは、脱走を決意。しかし 怒ったフレイヤは、二人の間に氷の壁を作る。エリックは 壁の向こうで サラが殺されるのを目撃し、自らも川に投げ捨てられる。
それから 7年。姉妹の魔力によって、かつてない事態が起ころうとしていた。世界は暗黒へと陥っていく……。( プレスブックより。抜粋 )

グリム童話の「白雪姫」に 大胆なアレンジを加えたアクション超大作。ラヴェンナが隣国の王をチェスで殺す 比較的 静かな冒頭のシーンから、高度な CG技術がフルに用いられ、この種の映画のファンを楽しませます。

しかし 僕が惹かれたのは、エリックとサラの恋。互いに深く愛し合ってはいるものの、フレイヤの策略によって 誤解や疑惑が生じるという展開に、特に興味を そゝられました。

エリック役の C・ヘムズワースは、今、キャリアの 一頂点に立っているという印象……。従来の彼とは どこか違う、大スターの風格 or 余裕のようなオーラが、特に その眼に表れています。
サラ役の J・チャステインは、アクションシーンを 巧みに こなし、身体能力の高さを証明……。たゞし 彼女の真のファンならば、『 アメリカン・ドリーマー/理想の代償 』辺りから、彼女ならではの決定打が出ていないコトに 物足りなさを感じるかもしれません。

ちょっと良かった台詞は……、
1)「 いつも愛は裏切りで終るのよ 」「 俺は信じない 」( サラとエリックの台詞 )。
2)「 私は的を外さないわ 」( 弓を射る技について、含みのあるサラの台詞 )。
3)「 君の愛は 戯れか? それとも真実か? 」( エリックが、サラを問い詰めて言う台詞 )。

一番良かった場面は、ラスト近くで エリックとサラが 絶体絶命の危機に陥った時、兵士全員が 突然 掟を破り、ふたりに加勢するところ。それは 最強の魔力の下でも、彼らの情念や正義感が 生き続けていたと分かる瞬間でした。

 

 

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(個別回答はできかねますのでご了承ください。)

ビューティ エキスパート
大高 博幸
1948年生まれ。24歳の時、日本人として初めて、パリコレでメークを担当。『美的』本誌では創刊以来の連載「今月のおすすめ:大高博幸さんが選ぶベストバイ」を執筆。
■大高博幸さんの 肌・心塾 http://biteki.com/beauty-column/ootakahiroyuki

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