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2023.2.14

ゲスト・RIKACOさん|作家LiLyの対談連載「生きるセンス」第4話「女性と性欲、40代の妹たちへ」

その時々で訪れる人生の岐路。女性として、妻として、母として、社会の中のひとりとして、どうにもこうにも答えがでない時、先輩たちからの生きるヒントが役立ちます。憧れの女性とLiLyの対談エッセイ。【作家LiLy対談連載「生きるセンス」第5回ゲスト・RIKACOさん 】

言葉に嘘がないのはもちろん、アドバイスが的確かつ、ものすごく具体的!

ご本人にお会いする前から友人づてに聞いていたRIKACOさんのパンチラインに支えてられていたとは冒頭に書いたが、そんなふうに生き方を“口コミ”されるそのカリスマ性、実際にお会いしてみて改めて大納得である。

「やれるあいだに
やっておいたほうがいいよ、
セックスは!」

RIKACOさんがそう言っていたという“口コミ”で聞いて、当時の私に刺さった二本目の矢。オンナとしての自分に、突き刺さったセリフがこれ。

「たしか、十歳くらい年下の後輩の女の子たちに言ったんだよね。日本って、性に関することを隠すところがあるけれど、性欲だって食欲と同等の欲だと思うのね。セックスというキーワードを隠したり恥じたりする必要はないし、セックスそのものもね、素敵な時間を過ごして欲しいし、素晴らしい経験をして欲しいと思うんだよね。

特に30代40代の女性は性欲も旺盛だし、40代後半くらいになったら、死ぬまでにあと何回セックスができるかってところにくる人も少なくないと思うの。

閉経して、セックスに対する欲はもうないなぁって今の50代後半になった自分が思うからこそ言えることなんだけど、セックスだって素敵な思い出じゃない? 性欲がなくなってから人生を思い返して、あの頃もっと楽しんでおけばよかったって思っても遅いじゃない?

セックスは素敵なことだし、女性として身体で感じることって、いつまでもできることじゃないから、できるうちに経験しておいた方がいいと思うよー!」

ここまで踏み込んだ
愛のあるアドバイスに、
一体いくつ出会えるだろう?

これは私の持論だが、年下の同性に対するアドバイスにこそ、その人の人間性が出ると思っている。世間には、“私もこうしたんだから貴女もそうした方がいい”というような、自分の人生を肯定したいがために後輩を利用する、愛のない謎の押しつけが溢れている。

たとえば、絶対に結婚はした方がいい、子供だけは絶対に産んだ方がいい、母親なのにまだセックスがしたいだなんて恥ずかしい、離婚なんて絶対にありえない子供がかわいそう、などなど……。まるで正論かのように投げつけらえるそれらの裏をヒョイッと返してみれば、“結婚も育児もセックスレスによる欲求不満も離婚できなかった状況もぜんぶ大変だったけど、それが正しい生き方であり自分は我慢もしながら頑張ったんだから貴女もそうしてくれないと納得がいかない……。” 先輩からそのようなアドバイス(押し付け)をくらっちまった時に胸に抱くべき感想はたったの一つだ。性格、悪ッ……!

一方、RIKACOさんのこのセックスに関するアドバイスは、それの真逆である。後輩たちの幸せを本当に願っていることがストレートに伝わってくる「その時期をすぎてしまったからこそ見えることを、まだその中にいる貴女に伝えたい。永遠ではない今の貴重なシーズンを、つまりは貴女の人生を、めいっぱい楽しんで生きてね!!」という心からのエール。ああ、書いているだけで、頂いたばかりの純度の高い優しさで胸がいっぱいになってくる。

「他人に向ける愛情」とは、
具体的にはこういうことなのだ。

しかも、“口コミ”でそのセリフを聞いた当時の私は、セックスレスを理由に離婚したばかりだったので、人伝で聞いて涙が出そうになったのだ。お会いしたことはなくても、年下の同性に対する本物の愛情を感じた。故に、信じられる言葉だと思った。だからこそ、自分自身が一番責め続けてきた自分の性欲を肯定されたことに救われた。

極端な性格だと言われるし滅多に理解もされないが、私は浮気をしたくないから離婚した。一生セックスをしないか離婚するかの二択を(勝手に)自分に掲げ、そんな自分に追い詰められて追い込まれ、性欲さえなければ離婚せずに済んだかもしれない、と長いこと自分を責めていた。当時は、自分の中から消えてくれない“オンナ”に絶望しかけていた。

「離婚は、どんなかたちであってもとても傷つくよね。わかるよ。だけど、良くも悪くもいろんなことを考えるし、何か大きなことにも気づかされるでしょう? 気づかせてもらったことが(離婚の)ポジティブな一面なの。だから、その時は傷ついても、その倍の倍の倍の幸せになって絶対に帰ってくるよ! だから大丈夫!

それに、不倫ができないって性質って、落ち込む必要のない素晴らしいことだと思うよ! 40代って、ちょっとズルイことをする人たちが出てくる時期だと思っていて……。不倫だけではなくて仕事においてもそうなんだけど、お金目当てとか、自分のメリットのためだけに近づいてくる人とか、ね。

いろんな事情があってそうなってしまうことはあるかもしれないけど、それでも、ずる賢さが見えるのは本当によくない。バレちゃうから。結局、人が離れていってしまうことになる。だから、変にガッツかないで、人に対してもちゃんと正直に生きた方がいいよって40代の子たちには言いたい。

もったいないから!

だってね、40代は本当に素敵だと思う。もしかしたら、一番いいんじゃない? 仕事だってバリバリでいいし、育児だって子供たちとまだ一緒に過ごすことができる時期だし、体力的にもできることはたくさんあるし。世間からもちゃんと大人として認められるようなってーーーーって、今考えると40代は本当によかったなぁって思うから!

ただ、50代の目標を、
例えイメージだけであっても
きちんと持つのは大事だと思う。

50歳の時に、
自分がどうなりたいかを考えながら
大切に40代を生きて欲しいなぁ。

―――と、いうのも、私の場合は40代後半からきた更年期がすごく辛かったのね。症状が軽い人もいるし、個人差が大きいところだから、どうして私だけこんなに辛いんだろうって思ってしまうくらいにハードだったの……」

>>次回は2月28日公開
第5話「更年期の先にある、自由な世界」

 

PROFILE
RIKACO:タレント。,66年生まれ。横浜市出身。13歳でスカウトされモデルデビュー。その後、育児をきっかけにオーガニックアドバイザー、ビューティースーパーフードマイスターの資格も取得。フードやアロマを通しメッセージを発信している。YouTubeはこちら。 プロデュースするライフスタイルブランド「LOVE GIVES LOVE」のほかinstagram @rikaco_official も大好評。

LiLy:作家。’81年生まれ。神奈川県出身。N.Y.、フロリダでの海外生活を経て上智大学卒。25歳でデビューして以来、女性心理と時代を鋭く描き出す作風に定評がある。著作多数。instagram @lilylilylilycom noteはこちら

文/LiLy 撮影/太田隆生 ヘア&メイク/高取篤史(SPEC)(RIKACOさん)、伊藤有香(LiLyさん) スタイリング/鈴木仁美(RIKAKOさん)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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