お悩み別ケア
2022.6.14

「目の下のクマが消えないのには理由がある」ってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“クマとくすみ”について。第1回は「目の下のクマ」について。クマが消えないのには理由があるって…ウソ? ホント? emiスキンクリニック松濤の院長・中崎恵美先生にお答えいただきます。

Q:目の下のクマが消えないのには理由があるってホント?

疲れて見えたり、老け見えを加速させたりとデメリットしか感じられない「目の下のクマ」。悩んでいる人も多いのでは? 実は、クマが消えないのには理由があるらしいのです。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を中崎先生にぶつけてみました! 果たして答えは…?

A:ホント

「どんなにていねいにケアをしているつもりでも、それが間違った方法であれば、クマは決して消えません。クマができるのには原因があり、その原因によって、ケアの仕方が違います。つまり、クマが消えないとしたら、それは、“クマの種類に適したケアができていない”という可能性も」(中崎先生・以下「」内同)

クマの種類とできる原因

「目の下のクマは、大きく青グマ・茶グマ・黒グマの3つに分けられます。まずはそれぞれのできる原因を見ていきましょう」(中崎先生・以下「」内同)

 青グマ

「目の周りの静脈が透けて見えて、目の下が青く見える状態を青グマといいます。この原因は、睡眠不足や疲労、ストレスなどによる血流の滞りが原因。血流が滞るとサラサラと流れないため、血管は太くなります。そして、目の下は顔の中でももっとも皮膚が薄い場所。なので、目立ってしまうのです」

茶グマ

「茶グマは、目の下が茶色くなっている状態。これは、目の周りのシミや色素沈着が原因です。先天性や子ども時代からの生活習慣によるケースも少なくありませんが、アイメイクを落とすときなど、目の周りを強く擦りすぎてしまうことで皮膚が刺激を受け、メラノサイトがメラニン色素を生成してしまうことで大人になってからできてしまう人もいます」

黒グマ

「黒グマは、目頭から延びる、いわゆる“ゴルゴライン”によって生じる影。これは加齢によるたるみが原因です。眼窩脂肪によって目の下がふくらみ、かつ目の下と頬の段差が凹むことによって、影のように黒く見えてしまうのです。では、次に、それぞれのクマの見分け方をみていきましょう」

Point

◆青グマ…目の周りの静脈が透けて見えて、目の下が青く見える状態。睡眠不足や疲労、ストレスなどによる血流の滞りによって引き起こる。

◆茶グマ…目の下が茶色くなっている状態。先天性や子ども時代からの生活習慣によるケースのほか、アイメイクを落とすときなど、目の周りを強く擦りすぎることによる色素沈着もある。

◆黒グマ…“ゴルゴライン”によって生じる影。加齢によるたるみが原因。

セルフでクマの種類の見分け方

青グマ

「鏡を近づけてクマをよく見たときに血管が青く透けて見える、または、指でクマの部分を横にやさしく引っぱると、気になるクマが薄くなる。そういう場合には、青グマの可能性が高いです」

 茶グマ

「指でクマの部分を横に引っぱっても、何も変化がなければ茶グマの可能性があります。茶グマはシミや色素沈着ですから、指で引っぱっても消えません」

 黒グマ

「凹んでいる部分の下を上に持ち上たり、寝ている状態で上から鏡で目をみたときにクマが薄くなるようなら、黒グマの可能性があります。黒クマは“たるみ”なので、肌がたるまない状態にすると、なくなります」

「とはいえ、このチェック方法は、あくまでも“可能性”がわかるセルフチェック。色素沈着によるクマなどは見分け方が難しいので、美容皮膚科などの専門医でカウンセリングや診察を受けるのがベストでしょう」

クマの種類別ケア方法

青グマ

「セルフケアでいえば、良質な睡眠をとる、ホットアイマスクで血行をよくするという方法があります。タッピングやマッサージも有効ですが、正しく行わないと青グマは消えても茶グマができてしまう…ということもありえるのでおすすめはできません。

クリニックでは静脈の上にコラーゲン製剤を注入するという方法があります。コラーゲン製剤は少し白っぽい色みをしているため、クマ部分に入れるとなじみがよく、青みをカバーしてくれます。人によって吸収されやすいなどの個人差がありますが、大体6か月くらいは持続します」

茶グマ

「基本的に皮膚を擦らないことが大切です。そのほかには、色素沈着を阻止してくれる目元専用のアイクリームが有効といえます。皮膚のターンオーバーを促してくれるピーリングもよいですが、これはクリニックで相談したほうが安心でしょう」

黒グマ

「実は、黒グマはクマ悩みの中でもっとも多いのですが、加齢が原因ということもあり、なかなか“消える”というところまでは難しいのです。とはいえ、目元にハリを与えるため、エイジングケアに特化したコスメで進行をおだやかにさせることは可能だと考えられます。成分でいうと、コラーゲンやレチノールが配合されたものがよいでしょう。

クリニックでは、軽度の黒グマであれば、青グマ同様に凹み部分にコラーゲン製剤を注入して、目立たなくすることができます。また、黒グマの原因である眼窩脂肪を取り除く “脱脂”という処置もあります」


  • 青グマ…良質な睡眠やホットマスクなどによる血流促進。クリニックでは、コラーゲン製剤を注入するという注入治療がある。
  • 茶グマ…皮膚を擦らない。色素沈着を阻止してくれる目元専用のアイクリームも有効。
  • 黒グマ…加齢が原因のため、セルフケアでは消すのが難しい。コラーゲンやレチノールが配合されたコスメで進行をおだやかにさせる。クリニックでは、コラーゲン治要や 眼窩脂肪を取り除く“脱脂”。


皮膚科専門医・emiスキンクリニック松濤 院長

中崎 恵美先生

文/木土さや

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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