生理前にニキビができやすくなるのはなぜ?皮膚科医に訊いてみた【今さら聞けないニキビケアの基本】
冬のお肌の大敵である乾燥や日々のマスク生活でお肌の調子も急降下…という人も多いのでは? そこで、今回は大人ニキビの基本のキを徹底解明! さまざまな大人ニキビの疑問を、アヴェニュー表参道クリニックの太田理会医師にお答えいただきます。
Q:生理前にニキビができやすくなるのはなぜ?
生理前になると、毎回ポチっとニキビが出現。「繰り返す肌の不調にうんざり…」という声もよく聞きます。「どうして生理前にニキビができやすくなるの?」さっそく、この疑問を太田医師にぶつけてみました。
A:黄体ホルモンが皮膚分泌を活性化させるから
「生理前は、お肌の調子が揺らぎやすいとき。繰り返し二キビができては、悪化してしまいがちな時期でもあります。これは、黄体ホルモンが皮脂分泌を活性化させるため。その結果、毛穴が詰まりやすくなったり、皮脂が溜まりやすくなってしまうのです」(太田医師・以下「」内同)
治りにくい口やあご周りのニキビ…どうすればいい?
「ニキビが繰り返し多発してしまうのは、その場しのぎで治療しているせい。生理のたびに治療をして…と、やっているせいで、“いつまで経っても治らない”と感じてしまうんです。
治療したら、その後に繰り返すことがないよう、ライフスタイルをチェンジしていくことが大切です。漢方薬を試してみるのもひとつの手ですよ」
ニキビに有効的な漢方とは?
「毎回生理前にはニキビができやすいという場合、女性ホルモンのバランスを整える漢方がおすすめ。女性の三大漢方と呼ばれる、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・加味逍遥散(かみしょうようさん)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、女性ホルモンの変動に伴って現れるカラダと心の症状に効果的で、特にニキビには桂枝茯苓丸が使われることが多いです。
一方で、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は、ニキビ治療の最初の漢方薬として処方されることが多いですね。ニキビによる腫れや赤み、化膿などに有効とされています。ほかには荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)などがあります」
\ニキビにおすすめの漢方/
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 加味逍遥散(かみしょうようさん)
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
- 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
- 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
どう対処すればよい?
「今できてしまっているニキビには、抗菌薬や塗り薬で対処します。漢方はニキビをできにくくしていくためのプラスアルファのようなもの。
アトピーになりやすい、乾燥しやすいなど、肌もそれぞれのキャラクターをもって生まれてきています。それをむやみに肌を生まれ変わらせよう!とするのではなく、まずはニキビができにくい状態にすること、そのあといい状態を保っていくことが治療と思って。
人によって皮膚の性質もライフスタイルも違うので、漢方やピーリング、化粧品など、“自分は何をしたら治るのだろう?”、“こうしたら治りやすいかも”というものを組み立てていくことが大切ですよ」
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文/木土さや
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藤田医科大学医学部卒、藤田医科大学ばんたね病院、福井県済生会病院にて研鑽を積む。皮膚科医、美容皮膚科が専門。丁寧なカウンセリングを通じて患者様のお悩みに正面から向き合いたいと思っています。どんなことでもお気兼ねなくご相談ください。
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