靴のニオイは足の裏のニオイってホント? 専門家に真相を直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日々の生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は皮膚に生息する「皮膚常在菌」について。これはニオイにも関係しているようで……。靴が臭いのも皮膚常在菌の影響だというウワサがあるのです。 そこで、皮膚常在菌を生かして美肌へ導く、肌育成スペシャリストの川上愛子さんに、お話を伺いました。
Q:靴のニオイは足の裏のニオイだってってホント?
パンプスやスニーカーなど。靴から放たれるニオイって、なぜこうも臭うのでしょう。実は、これ、足の裏のニオイで、皮膚常在菌に関係あるとの噂をキャッチ。それってホント? そこで、皮膚常在菌の知識を取り入れて、自分の生み出す分泌物で光り輝く美肌へ導く“洗わない美容”を推奨する、川上愛子さんに疑問を投げかけてみました。果たして川上さんのお答えは…?
A:ホント
「体のニオイは、皮膚の表面で汗が皮膚常在菌に作用されることによって放たれます。特にニオイを放ってしまうのが足の裏。
ニオイコントロールには、常在菌との調和が必要なんです。美肌を保つために欠かせない保湿成分を生み出す表皮ブドウ球菌やアクネ菌も、汗や皮脂を吸収&分解して保湿成分に変えてくれています。でも、足の裏には皮脂腺がありません。なのになぜ臭くなってしまうのか……。さらに詳しく常在菌とニオイの関係性についてお話していきましょう」(肌育成スペシャリストの川上愛子さん・以下「」内同)
足に存在するイヤなニオイを放つ常在菌とは?
「靴を履くと、足は密封空間となり蒸れてきます。そのため、体温を調整しようとして、足の甲にある皮脂腺から汗が出ます。そして時間が経って溜まった汗は重炭酸イオンを発生させします。重炭酸イオンが水素イオンと反応すると、肌環境はアルカリ性に傾きやすくなる傾向に。つまり、ただ靴を履いているだけで黄色ブドウ球菌を始めとする悪玉菌たちが優位な環境になりやすくなってしまうのです。そして、角質は常在菌たちの大好物。角質がたっぷりの足の裏は、まさに悪玉菌を増やす格好の場所と言えるのです。
悪玉菌が優位なだけでニオイに関係あるの?と不思議に思った人もいるかもしれません。そうです、ニオイを放つのは、黄色ブドウ球菌ではなく、ほかの悪玉常在菌。体のほかのパーツにはあまり存在しないのに、特に足に多いミクロコッカス菌、バシラス菌、コリネバクテリアム。この3つの菌こそが、嫌なニオイを放つ原因の元です。他にも、足には真菌や水虫菌、枯草菌も存在します。これらの悪玉菌が作り出す物質の相乗効果で、足独特の強烈なニオイとなるのです」
足のニオイ対策は?
「足のニオイ対策として大切なのは、同じ靴は毎日履かないで、風通しをよくしてあげること。靴を長持ちさせるテクニックとして昔から有名なこの対策はニオイ対策としても有効なのです。1日履いた靴は、実は菌まみれ。必ず1度乾燥をして、連日履かないことが大切です。履いた靴をそのまま靴箱に入れる場合は、乾燥剤を入れたりして、湿気取りの工夫を。
あとは、悪玉菌のエサとなる、かかとや爪まわりの角質をきちんとケアすることも有効です。角質を取りすぎると皮膚に負担がかかってしまう場合もあるので、なるべくならネイルサロンなどでプロにお願いを。ご自宅で行うなら1か月に一度などの頻度で。スクラブは、優しい肌あたりのシュガースクラブがおすすめです」

文/むらなかさちこ
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