マスクで暑い…でも汗ばむ環境こそ美肌を育むチャンスってホント? 専門家に真相を直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
A:ホント
「汗をかくと気持ちが悪い、ニオイが気になる、メイクが崩れる…。こういう理由から汗や皮脂を嫌がる人は多くないでしょう。特に、今年は猛暑、酷暑になるといわれていますから、さらに外へ出るのが億劫になる人が増えると思います。ですが、美肌の点から考えると、汗や皮脂は最高の美肌を育むモト。その理由は、しっとりと潤った肌に欠かせない“潤いのベール”は、表皮ブドウ球菌とアクネ菌が、汗と皮脂を分解して生み出すからです」川上愛子さん・以下「」内同)
汗が美肌菌をつくる
「美肌に欠かせない善玉菌の表皮ブドウ球菌は、汗という成分がないと、うまくはたらけません。99%が水分と言われている汗ですが、ミネラルや尿素、乳酸などと行った老廃物もわずかに含まれています。その中でも、抗菌物質である抗菌ペプチドは、雑菌にアプローチする効果が。さらに、悪玉菌の繁殖も抑えることにも役立ちます。
しかし、メイク崩れを放置しておくのはNG。メイクは時間と共に皮脂や汚れと混ざり、肌の刺激となる過酸化脂質という物質へ変化してしまいます。メイクが崩れてしまったときには、拭き取ってからメイク直しをしましょう。
外で汗をかくのがイヤな人は、自宅でエクササイズを行って汗を流すのでもよし、お風呂に浸かって汗をかくのでもよしです。自分ができる“汗流し方法”で、美肌菌を育てていってください。そして、汗はかいたほうがいいけれど、そのまま放置しておくと蒸発して肌が乾きやすくなります。なので、洗い流すか優しく拭き取ってオイルやクリームなどの油分を塗布して乾燥対策をしっかり行いましょう」
夜はお風呂とホットドリンクで「汗トレ」を!
「入浴する際の温度は、季節に合わせたお好みの温度でOKです。熱すぎない程度に調整して、15分程度浸かるようにしましょう。実はこれだけで、1日で不要になった角質はふやけてキレイに流れていきます。常在菌も流れてしまいますが、一部は毛穴の中に潜んでいるので、お風呂から出て30分もすれば外に繁殖して再び弱酸性ベールを作り出します。
湯船に入浴剤を入れるなら、保湿効果のあるバスオイルや乳液タイプがおすすめ。入浴で汗をかきにくい人は、湯船の中で脚を片方ずつあげながら前屈をするストレッチなど、身体をほぐすような運動を加えることも効果的です。
熱い季節の入浴が苦手な方は、エアコンで身体を冷やしすぎないよう、寝る前はホットミルクや白湯を飲んでみて。汗をかきやすい状態で眠ると、適度な汗と成長ホルモンの分泌が相まって、寝ている間に美肌が育まれるチャンスタイムに。くれぐれも、冷房で体を冷やしすぎないように注意しましょう。
美肌を作ろうと思ったら、外から角層を潤すだけでなく、角層の下もケアしてあげたいところ。そのためには、汗をかくという方法に加え、睡眠をしっかり摂る、バランスよく食べる、生活リズムを整えるといったことも大切です」
肌育成スペシャリスト
文/むらなかさちこ
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