お悩み別ケア
2023.6.2

“塗るボトックス”ことアルジルリン|化粧品としての効果は?【美容成分大全】

アルジルリンは、美容医療の「ボトックス注射」と同じ作用で表情筋の緊張をゆるめ、使い続けることでシワをできにくくする効果が期待できます。化粧品として毎日のお手入れに取り入れやすい「塗るボトックス」として話題を集めています。

プロフィール

成分名 アルジルリン
表示名称 アセチルヘキサペプチド-8(医薬部外品には配合されません)
主な配合アイテム スキンケア
成分のはたらき 表情筋の緊張緩和
医薬部外品としての効能効果

どんな「効果・働き」がある?

  • 表情筋の緊張緩和

表情ジワをできにくくする

額の横ジワや眉間の縦ジワ、目尻の笑いジワなど、同じ表情を繰り返すことにより皮膚に折り目ができ、それが固定されてできるシワを「表情ジワ」といいます。

表情ジワは、表情筋が必要以上に緊張してかたくなってしまうことが原因です。アルジルリンは、神経伝達物質の1つである“アセチルコリン”という物質の放出を抑えることで、神経から表情筋に対して出される信号を届きにくくします。

これによって表情筋の緊張をゆるめ、表情ジワをできにくくします。

美容賢者からの「ひとこと」

日本化粧品検定協会代表理事

小西 さやか


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アルジルリンは「塗るボトックス」

アルジルリンは「塗るボトックス」と呼ばれます。ボトックス注射は、ボツリヌス菌がつくり出す毒素を表情筋に注射することで筋肉の緊張をゆるめ、一定期間「表情ジワ」を改善します。

アルジルリンはこの毒素と似た働きがあるため、塗るだけでボトックス注射のような効果が期待できます。

また「塗るボトックス」といわれるもう1つの成分「シンエイク」(ジ酢酸ジペプチドジアミノプチロイルベンジルアミド)も話題になっています。ヨロイハブというヘビに含まれる毒が筋肉を麻痺させて緊張をゆるめる働きに注目し、ヘビ毒の働きに似た、毒性のないペプチドを人工的につくり出したものです。

表情筋の緊張をゆるめて伸ばすことで表情ジワをできにくくします。シワ改善への効果はアルジルリンの約6倍ともいわれています。

シワができる前から継続的に使うと効果的!

表情ジワは、表情筋が緊張を繰り返してかたまってしまうことが原因になるため、アルジルリンはシワができる前から使うことで効果的にシワをできにくくします。作用が緩和なので、継続的に使用することが必要です。

「歴史・由来」その他の雑学

β-カロチンは、自然界ではニンジン、カボチャ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれ、ミカンなどの柑橘類、スイカなどにも含まれています。
食品で摂取したβ-カロチンは体内で分子が切断されると、2分子のビタミンA(レチノール)になり効果を発揮します。人間は体内でビタミンAを合成できないので、β-カロチンは重要なビタミンA供給源の1つです。他にも、免疫賦活作用やがん予防作用なども報告されています。

歴史

1884年にノーベル化学賞を受賞したR. Bruce Merrifield教授(ロックフェラー大学、NY州)により開発されたペプチド合成法を用いて開発し、表情ジワに特異的に作用する初めてのペプチドとして、2001年にスペインLipotec社(現Lubrizol社)から発売されました。

主な原料の由来

合成

医薬品やサプリメントには?

医薬品や食品、サプリメントには使用されません。

注意事項

特にありません。

 

<引用元>
臨床神経学, 52(11), 1270-1271 (2012)
鈴木一成, 化粧品成分用語事典2008, 中央書院, 2008, p.97
小西さやか, 知れば知るほどキレイになれる!美容成分キャラ図鑑, 西東社, 2019, p.94
Lipotec SA, ARGIRELINE®パンフレット
Lubrizol Webサイト (Argireline® peptide)
東邦大学 Webサイト (ペプチドとは)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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