粘土と泥は違うってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「クレイ」について。第1回は「粘土と泥は違うってホント?」の真相を解明。株式会社KURUMUの手塚平さんにお話を伺いました。
Q:粘土と泥は違うってホント?
粘土は英語に訳すとクレイ。でもクレイ商品に入っている成分には粘土以外に泥と言われるものもありますよね。では泥と粘土は違うのでしょうか。さっそく、この疑問を株式会社KURUMUの手塚さんにぶつけてみました。
A:ホント
「同じように見えてちょっと、ちょっと違います」(手塚さん・以下「」内同)
粘土と泥の違いとは?
「私はいつも『粘土は泥の一種みたいなものです』というふうにお答えしていますが、確かに似たようなものではあるものの、粘土と泥は一緒ではありません。地質学上の分類では泥とは1/16mm以下の岩粒を意味します。泥はそこからさらに分類され、1/16mmから1/256mmまでの大きさのものはシルトまたは沈泥と言い、それ以下のものを粘土と言います。しかし、粘土が泥と違う最大のポイントは“混じりっけなし”と言うこと。
【粘土とは】
鉱物の一種で、大きさでカテゴリーが分けられます。先ほど地質学上の分類でもお話したように、大きい順に礫→砂→シルトと続く鉱物の中でも最も細かいのが粘土です。だた、条件がもうひとつあり、化学的な風化です。長い年月や熱、半閉鎖などなどさまざまな条件が重なり、作用を経て粘土はできあがります。
【泥とは】
土に水が入ってべちゃべちゃになった状態のものを泥と呼びます。日常のさまざまなところで泥を目にすることができますが、泥の中身は多種多様。水と混ざっていることはもちろん、土の中には礫もあれば砂もあります。加えて葉っぱや木の枝のような有機物が混ざっていることもあり、その中には粘土も含まれています。
たくさんのものが混ざっているものが泥と呼ばれ、そこに含まれているのが粘土。粘土はそれだけで混じりっけなしの“それだけ”というのが違いです」
化粧品に使われているクレイってどんなもの?
「一見、いろいろなものが混ざっていると良さそうな成分もたくさんあって肌にも良さそう! と思うかもしれませんが、葉っぱのような有機物は腐ってしまう可能性もありますし、いろいろなものの中にはお肌に刺激になってしまうものも含まれる危険性もあり、何が起こるかわからない怖さもあります。化粧品として使うためには不純物がリスクになることも多く、精製度の高いものが化粧品グレードのものとして使用されます。そして、精製度を高めたほうが粘土ならではの特徴がしっかり出せるので、スキンケアにおいてはうれしい力が期待できます」
工作用の粘土は別物?
「工作用の粘土は油と小麦粉や紙などを混ぜたもので、化粧品に入っているような鉱物の粘土は入っていません。化粧品に使われている粘土は大地から採れた、とっても粒子が細かい石の仲間です。名前は同じですが、中身は全然違うものです」
クレイの取り扱いで注意するべきことは?
普通に販売されている化粧品であれば、その商品に合った使用方法や保存方法などを守っていただければ問題ありません。ただ、手作りの場合は防腐剤を入れないため、腐りやすいので保存方法や作りかたなどに注意が必要です。金属の入れ物もあまり向いていないと言われています。作るときには直接素手で触れない、くしゃみなどで飛沫を飛ばさないなどの雑菌を入れないことに気をつけましょう。保存は密閉して冷蔵庫で保存するようにしましょう。また、使用方法では保湿力をもっていないクレイを使う場合はヒビ割れるくらい乾燥させると、逆に肌を乾燥させてしまうこともあるので注意してください。
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
粘土科学研究所というモンモリロナイト(粘土)を使ったスキンケア商品を作っている会社の3代目として誕生。生まれたときからモンモリロナイトを使った商品に囲まれて育ち、いつの間にか粘土化学研究所を手伝うことになり、モンモリロナイトの面白さにハマる。よりたくさんの人にモンモリロナイトの面白さを知ってもらうために、日々新しい商品の開発や用途の可能性を探っている。
■KURUMU