お悩み別ケア
2022.11.2

【月桃葉エキス】どんな効果があるの? わかりやすく解説します

コンテンツ提供:日本化粧品検定協会

概要

成分名 月桃葉エキス
成分の働き バリア機能改善、エイジングケア、抗糖化
医薬部外品としての効能効果
表示名称 【化粧品】ゲットウ葉エキス【医薬部外品】ゲットウ葉エキス
主な配合アイテム 【化粧品】【医薬部外品】スキンケア・ボディケア・ヘアケア

由来・歴史

主な原料の由来

植物(月桃の葉から抽出)

歴史

月桃(ゲットウ)の種子は抗菌作用、防虫作用などがあり、古くから民間療法として利用されてきました。種子を乾燥させたものを煎じて、気管支炎や鼻炎、痰、消化不良などの症状を改善する目的で使用されていました。

沖縄ではカーサームーチー(鬼餅)と呼ばれる月桃の葉で包んで蒸した餅を、旧暦の12月8日に厄払いのために供え、家族で食べる風習があります。

その他成分情報

ショウガ科植物・月桃の葉から抽出することで得られる植物エキスです。単一の化合物ではなく、月桃の葉から抽出されるエキスとなります。葉にはα-テルピネオールと1,8-シネオールなどが含まれています。

月桃は九州南部の大隅半島から沖縄の海岸に近い山野に自生、または栽培されている植物です。桃の果実のように見える花を三日月のような房状に咲かせることからその名がついたといわれています。

民間療法としては主に種子を利用しますが、葉の部分を利用したエキスが化粧品や食品に利用されます。

効能効果・はたらき

「化粧品」に配合したときの働き

  • 抗糖化
  • エイジングケア
  • バリア機能改善

抗糖化

タンパク質と糖が結合することで起こる糖化反応(メイラード反応)が糖化の最初のステップです。その後反応が進むと最終的にAGEs(最終糖化生成物)がつくられ、肌のくすみやしわの原因となります。月桃葉エキスは、主に角層のケラチンタンパク質の糖化反応(メイラード反応)を抑える働きがあり、肌のくすみを防ぐ効果が期待されます。

バリア機能改善

月桃葉エキスは、表皮と基底膜をつなげる因子の産生を促す作用により、ターンオーバーを整えます。表皮基底細胞が基底膜につながった状態でないと、増殖して表皮角化細胞(ケラチノサイト)を生み出さないことが知られ、表皮基底細胞と基底膜をしっかりとつなげることが、健康な表皮ターンオーバーの維持にとって大切なことです。月桃葉エキスは、ターンオーバーを正常化することで表皮のバリア機能を改善し、肌あれや乾燥、ニキビ、敏感肌など多くの肌悩みを予防します。

エイジングケア

真皮のコラーゲンの産生を促進するのに加えて、炎症などでつくられるコラーゲンを分解する酵素の活性を抑える作用も確認されています。健康な真皮のコラーゲンを維持することで、しわやハリの改善が期待できます。

「医薬品」としての効能効果

医薬品としては配合されていません。

「食品、サプリメント」に配合したときの働き

加齢やストレスによるダメージによって減少してしまう毛細血管を作る外側と内側(内皮細胞)を密着させ、健康な毛細血管を維持し、老化・劣化を防ぐ働きがあります。

毛細血管内皮細胞にある受容体・Tie2(タイツー)を活性化し、血管を安定化させる力をもつ植物の1つです。

注意点

植物エキス類は、同じ名称の成分であっても、採取する植物の地域や時期、抽出方法(溶剤等)により含まれる物質が異なる場合があり、期待される効能効果も変わることがあります。

豆知識

日本化粧品検定協会代表理事:小西 さやか

「月桃の葉から精油が抽出できるので、沖縄を中心に、香水や石鹸、防虫剤などの原料としても活用されています」

小西さやかさんの記事一覧

 

<引用元>
Tie2・リンパ・血管研究会 第4回学術集会, 2017年10月18日
久光一誠, 化粧品成分事典, 池田書店, 2021, p.121
丸善製薬株式会社, 技術資料、原料事典
小西さやか, 知れば知るほどキレイになれる!美容成分キャラ図鑑, 西東社, 2019, p.117
東邦大学薬学部 Webサイト (薬用植物園)
農林水産省 Webサイト (うちの郷土料理)
熊本大学薬学部 Webサイト (薬草園 植物データベース)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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