サウナでシミ予防ができるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「サウナ」について。サウナでシミ予防ができるってホント? 日本サウナ学会代表理事の加藤容崇先生にお話を伺いました。
Q:サウナでシミ予防ができるってホント?
一過性のブームでは終わらず、日本独自の進化と発展を遂げ、まだまだ注目されているサウナ。“ととのう”にハマる人が多いようですが、美容の面でもメリットがあるのだとか。サウナでシミ予防ができるってホント? さっそく、この疑問について日本サウナ学会代表理事の加藤容崇先生に聞いてみました。
A:ホント
「体温の上昇することで組織を修復するはたらきが活性化するので、シミ予防も期待できます」(加藤先生・以下「」内同)
サウナがなぜシミ予防になるの?
「深部体温が38℃以上になると“HSP(ヒートショックプロテイン)”というタンパク質が分泌されます。このタンパク質はさまざまな美容と健康に優れた力を持っており、例えば紫外線やストレスから細胞を守り、日焼けなどの炎症を抑えます。疲労や活性酸素、老化により弱ったコラーゲンを修復してハリのある健やかで美しい肌を保ってくれます。そのため、紫外線ダメージを受けたあとにサウナに入ることで、肌の組織を修復することが期待できます」
サウナのあとに使うスキンケアはこだわったほうがいい?
「金額でなく“純度”が高い、“アレルギーになるような余計な成分が入っていないもの”を使うのがおすすめです。具体的にはワセリン、グリセリン、ヘパリン類似物質などの保湿効果のある成分はしっかりと入っており、かつシンプルな成分で構成されたものです。というのも、サウナ後の肌は一時的にダメージを受けているため、そこに複雑な成分やなじみがない成分が入ると、体は攻撃する仕組みになっているため、アレルギーを引き起こす可能性があるからです」
サウナで痩せるはホント?
「ホントです。汗をかくことによって体内の水分がなくなるだけ、と思っている人も多いですが、サウナに入るとさまざまなホルモンが分泌されます。そのうちのひとつが“甲状腺ホルモン”です。甲状腺ホルモンが分泌されると体内の糖質や脂質といった貯蓄エネルギーが使用され、代謝がアップします。そのため、サウナに入るとエネルギーを消費しやすくなり、痩せやすくなると考えられます。しかし、サウナに入る1時間前からサウナ中に糖分を摂ると、この効果が失われてしまうので、気にしている人は注意しましょう」
サウナは運動の代わりになる?
「完全な代用にはなりません。運動は心血管系のトレーニングと肺による呼吸系のトレーニングで、2種類の体の機能を鍛えてくれます。サウナの場合は実際に体を動かすわけではないため、呼吸系のトレーニングにはなりません。しかし、体を冷やそうとして心臓や血管は活発に活動するため、心血管系のトレーニングにはなります」
サウナは睡眠の代わりになる?
「なりません。むしろサウナでは体が休息モードになるため、睡眠は必須。サウナでは発汗したり、心拍数を上げることによって体に負荷がかかります。さらに深部体温の上昇、自律神経が整うなどの要因から睡眠の効率を上げてくれます。サウナのみではもったいないので、眠りの悩みを持っている人は夜のサウナも試してみてください」
文/土屋美緒
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群馬県出身。北海道大学医学部医学科卒。北海道大学医学部にて特任助教として勤務したのち渡米。ハーバード大学医学部に勤務。帰国後、慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット、北斗病院腫瘍医学研究所に勤務し、癌ゲノム医療を行っている。加速する医療費増加を目の当たりにし、予防医療の重要性を認識。健康習慣による予防が最高の手段だということに気づき、予防医療としてのサウナを研究するため、日本サウナ学会を設立。自身も筋金入りの「サウナー」であり、サウナブームを牽引する人物のひとり。著書に『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社)がある。