過剰な皮脂分泌を引き起こすストレスを減らすには?失敗しない皮膚科の選び方【教えてドクター!#5】
前回、毛穴トラブルの主な原因は皮脂の過剰分泌であり、皮脂を抑えるには食生活を改善し、ストレスを減らす必要があることをお話ししました。では、ストレスを抑えるにはどうしたらいいでしょう? 皮膚科専門医の亀山孝一郎先生に教えていただきました。
ストレス解消の秘訣は、サプリ・運動・楽しい時間!
食生活はともかくストレスを減らすのって難しくないですか? 会社で上司が変わっちゃって、今ストレスMAXなんですが……。
「ビタミンCやビタミンBなど、抗ストレス作用があるサプリメントを飲むと、かなり違ってきますよ。あとは睡眠をたっぷりとることも大切ですね」(亀山先生)
睡眠ですか……。ストレスを感じると、夜眠れなくなっちゃうんです。
「わかります。わたし自身も開業した頃はすごいストレスで、夜は眠れなくなるし、さらにそれがストレスで不整脈も出ていましたから」(亀山先生)
では、ストレスを減らすにはどうしたらいいのでしょう?
亀山先生のおすすめは、(1)サプリメントを摂りながら、(2)快適な運動をして、(3)友だちと会話をしたり自分の好きなテレビを観たりするなど、楽しい時間をもつ。ちなみに、サプリメントは一度に大量に摂取すると一気に血中濃度が上がって排泄されてしまうため、1日3回に分けて飲むようにしましょう。
ビタミンB・Cは肌の不調にも体の不調にも効く
以前、忙しくて夜も眠れないとき脂漏性皮膚炎を起こしたことがあるのですが、これも食生活の乱れやストレスが原因なのでしょうか?
「そうかもしれませんね。わたしたちの体はストレスを排除すべき異物だと勘違いしちゃうんですよ。それで、肌も一生懸命炎症を起こしてストレスを外に出そうとするんです。これが化粧品かぶれだったら、外に出せるし治るんですけどね……」(亀山先生)
ストレスは肌にくっついているわけではないから、出せないし治らない。延々この状態が続くわけですね?
「そのとおり。だから、過剰な皮脂が遊離脂肪酸に分解されて炎症を起こし、脂漏性皮膚炎などの肌トラブルを引き起こしてしまうのです」(亀山先生)
ストレスを感じると、皮膚だけではなく体の中でも炎症が起きるため、ちょっと動いただけですぐ疲れたり、血圧が上がったり、息切れしたりすることも。ただし、血液中にビタミンCやビタミンBが常にいっぱいあると、血管が拡張しやすくなるため血圧も上がりにくくなります。サプリメントを活用して、肌も体も好調をキープしましょう!
失敗しない皮膚科の選び方とは?
昔、皮膚科で処方されたにきび治療の外用剤で、肌が余計にあれてしまったことがあるのですが……。
「実は、にきび治療に使われる外用剤のなかには、にきびがたくさんあって傷んでいる肌に使うと、さらにあれてしまうようなものもあります。にきび治療は皮膚科専門医に相談するようにしましょう」(亀山先生)
そうなんですね! 確かに、行ったのは内科/皮膚科で皮膚科専門医ではなかったかも。
「あとは、ビタミン剤も出してくれる皮膚科をおすすめします。外用剤だけで済ましてしまう先生が多いですが、ビタミン剤を飲むと、体調も肌の調子も全然違ってきますから」(亀山先生)
亀山先生によると、ビタミンCやビタミンBは飲むのも塗るのも両方大事。飲まないで塗るだけでは、ビタミンの血中濃度が低く、脳や心臓など大事な臓器へ運ばれてしまうため、肌には効果を感じにくいそう。適切な外用剤+スキンケア+ビタミン剤で、効率よく毛穴ケアしましょう。
※ 取材は2023年6月7日に行われたものです ※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
青山ヒフ科クリニック院長。医学博士。1980年、北里大学医学部卒業。同大学病院や米国の研究所で研鑽を積み、1999年に開業。世界に先駆けて「ビタミンCのニキビに対する効果」と題した論文を発表するなど、ビタミンC療法の第一人者として知られる。監修した書籍に『毛穴道 もう一生悩まない。』(講談社)がある。