妊活のためにVIO脱毛する人が増えているってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「脱毛」について。妊活のためにVIO脱毛する人が増えているニってホント? 医療脱毛専門院『リゼクリニック』新宿院院長の大地まさ代先生にお話を伺いました。
Q:妊活のためにVIO脱毛する人が増えているってホント?
最近ではデリケートゾーンを清潔に保つためにも、アンダーヘアの脱毛を行うという人が増えています。その中でも、妊娠や出産に向けた準備として脱毛をはじめるという“妊活脱毛”を希望する人の割合が増えているのだとか…。実際のところはどうなのでしょうか? 大地先生に聞いてみました。
A:ホント
「人によって脱毛を開始するタイミングは様々です。しかしながら近年、将来の妊娠・出産に備えて “妊活脱毛”を目的とする患者さまも増えています」(大地まさ代先生・以下「」内同)
妊活脱毛とは?
「出産を希望する女性が、妊娠中や出産、産後の手間やリスクを回避するため、妊娠する前にVIO脱毛をはじめることが“妊活脱毛”と呼ばれています。
妊娠中は肌トラブルが起きても、薬の服用ができないことや、長時間同じ姿勢でいると母体への負担がかかること、ホルモンバランスの変化によって脱毛効果を十分に得られない可能性があるなどの理由により、専門機関での脱毛はできません。また、ご自身での剃毛も、お腹が大きくなった体では処理が難しく、皮膚を傷つけてしまう可能性があります。
授乳中も脱毛ができないため、将来的に妊娠を考えている人は、妊娠前に専門機関でVIO脱毛しておくことをおすすめします」
Point
妊娠中や授乳中は脱毛ができない妊活脱毛のメリットは?
「妊娠をすると何度も産婦人科に通って、陰部を人前にさらす必要性があったり、会陰切開になった場合や、出産後に生理のような出血が1か月ほど続く悪露(おろ)などの対応に、アンダーヘアがあるとなにかと厄介だと感じることがあります。そういったことから、妊娠前にVIO脱毛を希望する人が増えているようです。
自然分娩時に会陰部が切れてしまう会陰裂傷を防ぐために、あらかじめ会陰部を切開しておくことを会陰切開と言います。出産後に縫合しますが、このときにできた傷は治るまでに1か月ほどかかると言われているため、傷口から感染症を起こさないように皮膚を清潔な状態にしておくことが大切になります。
そして、産後の悪露は長期間続くことに加え、ニオイも強いため、こまめにナプキンを替える必要があります。しかし、産後は赤ちゃんのお世話に忙しく、自身のケアが疎かになってしまいがちです。清潔にしていないと、菌の増殖による感染症や臭いがきつくなるなどの症状が起こることがあります。
これらの症状は妊娠前に脱毛をしておくことですることで、リスクを減らすことができますから、妊活脱毛のメリットと言えます」
Point
・産後の出血「悪露(おろ)」による雑菌の繁殖を防ぐ・会陰切開時の傷から感染症を防ぐ
新たな脱毛ニーズ“介護脱毛”を希望する人も増えている?
「将来介護をされる側になったときのために準備をする“介護脱毛”を希望される人も年々増えています。
介護脱毛とは自分の老後を想定し、将来介護される立場になった際に清拭や排泄後の拭き取りなど、第三者である介護者の負担にならないように、あらかじめVIO脱毛をしておくことです。介護脱毛は、実際に親の介護を体験した人や、近年医療脱毛が身近になったこと、子育てが終わりに近づき、自分にお金をかけられるようになった40代以上の患者さまが多いです。
そして、脱毛の普及とともに、医療レーザー脱毛のメカニズムから、白髪になると脱毛はできないということを知っている人も増えました。“脱毛できるうちに”という駆け込み需要も生まれていますが、介護脱毛を希望される人も、白い毛が増える前に脱毛をはじめることをおすすめします」
介護脱毛のメリットは?
「自身で介護を経験した人は特に、自分が介護を受けるときに“介護者に迷惑をかけたくない”と考える人も少なくありません。
介護が必要になったときに起こり得るデメリットとして、陰部の炎症や感染症を引き起こしやすくなる、オムツ内で菌が増殖してニオイがキツくなる、介護者の手間が増える、といったことが上げられます。
デリケートゾーンはきれいに拭き取ったつもりでも、毛や皮膚の間に排泄物が残りやすい部位で、炎症や感染症を引き起こすこともめずらしくありません。そのため、介護者はより丁寧に清拭をする必要があるわけですが、陰毛に排泄物がこびりついていれば、取り除かなければいけません。とはいえ、ゴシゴシ拭いて、肌を傷つけてしまってはよくないですから、脱毛されていれば、清潔さを保ちやすくなります。
介護脱毛のメリットは、感染症や皮膚トラブルのリスクを減らすことで、自身が不快な思いもしなくて良いこと、介護者への負担も減らすことができるということです。介護される人だけでなく、介護する人の双方にメリットがあるというのも需要が高まっている要因だと思います」
Point
・陰部の炎症や感染症を防ぐ・オムツ交換の際の臭いを軽減
・介護者の清拭がらくになる
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
近畿大学医学部卒業後、近畿大学病院呼吸器・アレルギー内科勤務。1992年に入都し、東京都近畿大学医学部卒業後、近畿大学病院呼吸器・アレルギー内科勤務。1992年に入都し、東京都福祉保健局疾病対策課長、港区保健所長などを歴任。2015年より全国で24院展開する医療脱毛専門院『リゼクリニック』の新宿院 院長に就任。30年以上、医師として培ってきた経験を持ち、セラピストやコスメマイスターなどの資格も持つ、美容のプロ。
■医療脱毛専門院『リゼクリニック』