西の国美的通信vol.32 W炭酸美容in大分芙蓉倶楽部(1)




冬の冷気を肌身で感じるたびに、毎回恋しくなるのが温泉。湯上がりにしばらく続く、なんともいえないポカポカ感は、自宅のお風呂では到底叶えられません。九州には全国的にも人気の温泉地がいくつもありますが、やはり群を抜いているのは日本一の源泉数と湧出量をもつ大分の別府。みなさん、ご存じでしたか? 別府は世界に存在する11種類の泉質のうち、放射能泉を除いて残り の10種類すべてを堪能することができる特異なエリアのです。
今回、数年ぶりに出向いた一番の目的は、別府ならではの炭酸美容。近年、炭酸は美容業界においても何かと注目の的ですし、すでに炭酸のミストケアやヘッドスパなどを愛用なさっている方も多いのではないでしょうか。九州で炭酸泉といえば、大分県竹田にある長湯温泉が筆頭にあがりますが、今回は温泉とフェイシャル・スパの「W炭酸美容」が体験できるという情報を聞きつけて、別府温泉ホテル芙蓉倶楽部へ向かいました。
芙蓉倶楽部の温泉は桃源郷温泉という名称で、正式には炭酸水素塩泉。温泉分析表を見ると、ナトリウムやマグネシウムも入っているようです。無色透明の湯はちょっと熱め。首までしっかり浸かると、冷たい外気で萎縮していた身体が一気にほぐされていくよう。思わず「ほぅ〜」と、口走ってしまったほどです。さすがは源泉かけ流しだけあって、豊富なお湯がどんどん注がれては湯船の縁からどんどん溢れ出ていきます。その様子をじっと目で追いながら、ゆっくり堪能。のぼせる一歩手前まで満喫してしまいました。
その後は、ホテル館内にある「サロン・ド・ブラン」へ。ここはホテル直営のエステティックサロンで、実は昨年の11月にオープンしたばかり。今回体験する炭酸泉フェイシャル・スパのほか、プラセンタ導入などを受けることができます。簡単なカウンセリング後、ジェルでクレンジング。その後、顔に塗布されたのはふわふわの泡。これにはニンニクの成分が入っているとのことですが、あの独特な匂いはしませんのでご心配なく。
続いて登場したのが、これまで見たこともない奇妙な装着物。勝手がよく分からなかったので、そのままエステティシャンに身をあずけていると、「口だけで呼吸してくださいね」「はい」。そう返事をするや否や、いきなり額からあごにかけて生ぬるいお湯、つまり炭酸泉がジャーーッと勢いよく流れてきました。おもしろい! 少々ニヤケつつ「これは人間の顔滝か?」なんてアホなことを考えながら、されるがままでいると、そのうち顔の皮膚表面に少し違った感触を覚えました。それまではただ上から下に流れていた炭酸泉でしたが、顔全体を覆いながらはりついていく感じ? イヤ、やさしくマッサージされているという風にも感じとれます。その振動が伝わっていくのか、顔表面だけでなく、今度は肌の中でも変化を感じました。代謝があがってきたのでしょうか。深部までポカポカします。施術中はモーターのゴーという機械音が多少耳につくものの、そのうち気持ちよさが勝り、意識もだんだんまどろんで……ハイ、終了です。これが約15分の炭酸泉フェイシャル・スパ(¥5,250)の全容です。その後は装着物をはずし、仕上げの保湿トリートメント。事前のカウンセリングからすると、所要時間約50分のケアでした。
まったく見当もつかない初めての施術でしたので、驚いたり、ニヤケやり、癒やされたり。まるでアトラクションのような楽しいケアだったのですが、終わって鏡をのぞくとびっくり! スッキリとしたフェイスラインになっていました。エステティシャンによると、炭酸泉のガスが経皮吸収されることによって、血管が拡がり、血流が通常の5倍以上になるんだとか。すると、肌の新陳代謝が活性化して、毛細血管を再生し、肌の老廃物を出してくれるという。「だから、しわやたるみ、にきびやくすみなどに悩んでいらっしゃる方に、大変喜ばれているんです。温泉に入った後、このケアを受けると効果も絶大。W炭酸美容ですね」と。
ここで朗報です。2013年3月末まではオープニング価格として、炭酸泉フェイシャル・スパが通常5,250円のところ、3,800円で利用できるそうです。ぜひこの機会に別府ならではの炭酸美容を体験してみてください。<次回に続く>
<取材協力>
別府温泉 芙蓉倶楽部
http://www.fuyouclub.jp/
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。