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2021.1.4

三浦瑠麗さん「相手にグッドウィルで接し、期待をしない。そしてフェアに振る舞うこと」│強靭な「胆力」の養い方1【美的GRAND】

長く続くステイホームの中でも、いたずらに未来を恐れず、打たれ強く、先へ先へと進む勇気をもちたい…。希望ある未来を生き抜くための強靭な「胆力」を養うヒントを、三浦瑠麗さんに伺いました。

教えてください、三浦瑠麗さん。
“毅然とした私”でいられる秘訣とは?

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“相手に対して基本的に好意をもつよう努め、グッドウィルで接し、期待をしない。そして、限りなくフェアに振る舞うことです”

私たちの日常を大きく左右するのは周りにいる人たちです。周りの人たちがどう思っていそうか、自分に対してどう振る舞ったかで、1日は大抵決まってしまいます。

なぜ、周りの人たちはいきなりぶっきらぼうになったり、感謝がなかったり、後々振り返って気になる素振りや表情などを見せるのだろうか。それは、その人自身も周りの世界に影響を受けているからです。

人間が周りの世界から影響を受ける理由のひとつは、他者が自我の写し鏡であるところから来ています。私たちは自分がどんな人間であるかを他者という鏡を通じて確認します。

例えば、ほかの人があなたについて延々と批判的な分析をしたとしましょう。その人は、自分自身が抱えているなんらかの問題について語っているのかもしれない。自分が嫌だ、障害だと思っていることへの不満の表明、あるいは愛されたい、認められたいなどの衝動を抱えていることの表明なのかもしれません。相手が邪険(じゃけん)な態度をとったとしましょう。それもその人の状況を示しているものにすぎない。見方を転換することで、自分が不安にさらされるのではなく、相手を観察してその気持ちや状況を理解することが可能になります。

人間は大抵、誰かを批判しているときには「自分自身」を相手に開示しているのであり、反対に誰かを観察しているときには単なる正邪ではない考察を自分や相手、世界に対して行っているものなのです。救われるのは、圧倒的に後者の生き方だと私は思います。

私はたくさんの人と会う職業についています。かつては人見知りの極致であった私も、表に出る仕事に慣れなければいけなくなりました。しかし、少数派の女性としてやっていくのはそれなりに大変です。多くの女性が、同じようなポジションやキャリアの男性よりも一段と腰を低くすることで自分に好意的な環境を勝ち得ています。腰を低くすれば、相手のもっている権利を脅かさない理解者であるという印象を与えるのだから、脅威と思われないのは当然です。ただし、腰が低いだけでは単に相手に寄り添うだけになる。人に阿(おもね)る人間だとも思われかねません。

女性として育つ過程では、誰しもがさまざまな抑圧に直面した過去を背負っているでしょう。だからこそ過度な忖度(そんたく)や自己犠牲を身につけ、そしてその結果として不満を抱えるに至っているのではないかと思います。

そこから一歩踏み出すためには、相手に対して基本的に好意をもつよう努め、グッドウィル(善意)で接し、期待をしないこと。そして、限りなくフェアに振る舞うことを心掛けるべきだと思います。フェアというのは、誰かがいじめられていたら介入するし、好き嫌いにかかわらず公平なものの見方で接するということです。そうすると道が開けてきます。そのフェアな姿勢を貫き続けることで、あなたの優しさが相手の心を溶かす瞬間が生まれるからです。

「自分はこう思う」ということを聞いてもらい、尊重してもらうためには、相手自身があなたに嫌われたくない、自分は公正な人間だと思われたい、と思うことが重要です。

凜(りん)とする、という言葉がありますが、それはたとえ孤立してしまったとしてもフェアであり続けようという精神のことを示しているのだと私は思います。そう割り切ると、たとえ日常的には不遇なことがあったとしても自分自身と折り合いをつけることができるようになる。孤独かもしれないけれど、なかなかに幸せなことである気がします。

文・三浦瑠麗

国際政治学者、シンクタンク山猫総合研究所代表取締役

三浦瑠麗さん

みうらるり/東京大学政策ビジョン研究センター講師を経て、現職。国際政治理論と比較政治を専門とし、忖度のない鋭い語り口で多くのメディアで活躍。東京国際大学特命教授、一般財団法人創発プラットフォーム客員主幹研究員なども務める。

『美的GRAND』2021冬号掲載
構成/野村サチコ、有田智子

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